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劇場版NARUTO疾風伝-絆-

劇場版NARUTO-ナルト-疾風伝 -絆- 【完全生産限定版】 [DVD]
疾風伝になっての劇場版第二弾、通算では第五弾。
序盤は空飛ぶ忍者によって里が空爆を受ける冒頭のスペクタクルと
サイVS空忍の空中戦、中盤はヒロインの師弟関係を軸にした裏切りのドラマ、
そして終盤はナルトとサスケの共闘とその結末・・・と、
見せ場となる要素が各段階で分裂している感じなのだが、
これは空中戦・裏切り・サスケ登場という三段噺のようなお題を
どうにか一つにまとめようとした結果こうなってるんだろうなぁ。
かなり無理があるのも事実なのだが、それはそれとして
とりあえずちゃんとまとまっているだけでも結構凄い・・・。
ただ、このなかでメインになっているのは間違いなく裏切りのドラマで、
その密度と描写の容赦ない突き抜け具合は実に印象的だった。
というか、石塚運昇の演技と顔芸作画のシンクロが素晴らしい!!
最初は尊敬に値する師匠、次は本性を露わにし究極肉体を操る悪の帝王、
しかし最後には化けの皮が全て剥がれてただのチンピラに成り下がるという、
とにかく九十分の映画でこれだけ浮き沈みの激しいキャラを
力技で成立させてしまっていた演技と演出の力には圧倒された。
しかし、そうして憧れと尊敬を踏み躙られ築いた絆が偽りだったとわかっても、
それでも自分の信じた幻影の絆を否定はしないという話の持っていき方は
ナルトのサスケに対する感情を作品が冷静に受け止める形にもなっていて、
何というかスタッフの大人な態度が感じられるテーマ語りだったなぁ。
それにしても、最初ボーイッシュな姿で登場しながら
師匠への恋心と裏切りを受けての慟哭によってどんどん色気を増していき、
最終的にはナルトとのラブロマンスを成し遂げるまでに至る
ヒロインの段階的な魅力の見せ方も良く出来ていたなー。
くまいもとこの演技にエロティックな響きを感じたのも初めてだ・・・。
肝心のナルトとサスケの共闘はサービス的に入れただけになっていたけど、
二人で敵に大量のチャクラを流し込んで自滅を誘う展開は
メタルクウラ戦の悟空とベジータみたいでちょっと嬉しかった。
ナルトが様々な想いを呑み込みながら「ど根性」で空中要塞をぶっ壊して
文字通りストンと落とすオチはきれいに決まっていたなぁ。
ただ、せっかく一緒に付いてきたのに本編でほとんど捕まってただけなうえ、
最後にナルトの浮気を見せつけられたヒナタの心情が気になる・・・。