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サマーウォーズ

サマーウォーズ [Blu-ray]サマーウォーズ スタンダード・エディション [Blu-ray]僕らの夏の夢/ミューズ
時をかける少女」に続く細田守×マッドハウスの劇場版第二弾。今回の放送は細田守自らのチェックによって二時間枠に収めたディレクターズカット版とのこと。
ついでに地デジデータ放送でシーン解説がつくという仕掛けもあったのだが、これ解説画面出すとメイン画面が小さくなるしタイミング逃すと解説終わってるし本編への集中を妨げるだけだった・・・。
カットが多いこともあって必要最小限の情報だけでサクサク進んでいく構成になっていたのにシーン解説があるってのはチグハグな話だった気がするなぁ。
ともかく、本編はハイテンポで進んでいく作りになっていて本当に無料お試し版みたいな感触だった。
しかしそれが悪いかというとそうでもなく、テンポが良いことでよりTV向きの内容になっていたとも言えそう。特に序盤のサクサクぶりはそれだけで感動するくらいだった。
作画的には聞いていた以上にコミカル・・・というかマンガ映画的だったのが興味深い。
画面設計こそ細田守らしいかっちりしたものだけど、キャラ描写の自由度はそれと比べると凄く高い。
ネットと田舎という二項対立テーマを連想させるような舞台を用意しながらそんなに両者を切り離したイメージにしていないのは、敢えてそこを外してきているってことなのかな。
・・・しかし「時かけ」の時もそうだったけど、個人的にこの作品も事前の情報と実際自分で観ての感覚が相当違って感想書くのが物凄く難しいなぁ。
何というか、自分としてはこの作品は東映まんがまつり的な気楽さを持って触れるべきものという印象があるもので、現時点であまりテーマがどうとか細田守の演出がこうとか声高に言っても仕方がないんじゃないかと思ってしまう。
十年後とか二十年後に、たまたま夏休みこども映画スペシャルとかで観ていた人達が思い出込みで語るのが一番似合っているし、実際そういう作品になることをかなり意識して作られているんじゃないかと。
はやぶさ帰還とか消えた高齢者問題による家族関係とか、意外とこの夏にTV放送されたことにも意味はあった気がするけど、この作品の真価、時代性を削っていった先に残っているものこそを個人的には知りたい。
それにはたぶん、細田守が作品を作り続けてサマーウォーズを宮崎作品におけるラピュタくらいの位置に落ち着かせてくれないといけないのだろうが。
ただ・・・細田守はこのままマッドで劇場アニメ作り続けていていいのか?
時かけとサマウォが連続でヒットしたんでようやく細田守にも安住の地が出来たのだろうと思っていたんだけど・・・何かまだ引き出し切れていない感じがするなぁ。