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超訳百人一首 うた恋い。 #13(終)

超訳百人一首 うた恋い。 二(完全生産限定版) [Blu-ray]超訳百人一首 うた恋い。 三(完全生産限定版) [Blu-ray]
最後に藤原定家自身の道ならぬ恋を描く最終回。
激しくも切ない恋模様、敷居で遮られた距離を歌で埋めていく駆け引き、個人の物語が歴史の大河となっていくダイナミズムなどなど、この作品が持つ要点を一纏めにしたような内容。
今までの集大成であると同時に、実際に今までの歌物語をまとめて百人一首にしたのが定家であるという事実が深い感慨も生んでいる。
定家の人生を語ることで百人一首の持つ本質に迫っていく感覚もとても面白かった。
全体的にも、百人一首の現代超訳という範疇に収まらない切り口が新鮮かつ刺激的で、基本的に同じような恋バナの繰り返しなのに毎回退屈することがなかった。
オムニバス形式でありながらちゃんと歴史に沿ったストーリーラインが用意されていたのもダレずに済んだ要因。
点を繋いで大きな絵にしていくような作りは歴史ものの醍醐味も詰まっていて、本当に単なる恋愛ものではなかったなぁ。
それとビジュアル面でも独特の絵柄のみならず、雨や波を図形で表現したりといったオシャレな演出が自然とハマっていたのに感心。
総じてハイセンスな出来でありながら、変に背伸びしたカッコつけがないのが本当に見やすかった。
最初ノイタミナっぽいと思ったけど、この洒脱さはやっぱりカサヰケンイチのオリジナリティなのかも知れないな。
こういう原作をこういう形でアニメ化出来る、現代の「歌」も捨てたもんじゃないと思わせてくれた。それだけでも個人的には嬉しい。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。