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エウレカセブンAO #23・24(終)

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二ヶ月の時間を置いての完結編一時間スペシャル。
一話目はトゥルースとの世界改変を巡るラストバトルと、父レントンとの再会。
トゥルース戦は結局アオの言葉も行動もまったくトゥルースに響かない、ひたすらすれ違っているだけのバトルが虚しさを加速させていた。
結果的には再び世界改変が起こり、今までの物語自体も根底から「なかったこと」にされてしまう。
ナルとの因縁に至ってはくだらない痴話喧嘩設定にまで貶められ、本当に「勝っちゃった・・・じゃねえよ!!」としか突っ込みようのない事態に。
これはまったく誰の為にもなってない展開で、ある意味非常にシビアではあるが視聴者としては普通に面食らうしかないよなぁ・・・。
アオを徹底して追い込むにしても、もはや世界は平和であって責任も決意もアオの中にしかない。父親と対決する準備にしてもマジでじゃあ今まで話って何だったんだよと思わずにはいられない・・・。
で、最終回。レントンエウレカが真に求めたものの正体と、アオの決断。
全てはアオを生かす為の行動だったのに、アオはそれを否定して命を自分のものとして両親&世界と決別する。
アオを巡る物語としてはテーマが簡潔にまとめられていて、正直びっくりするほど素直に感動することが出来た。
本城雄太郎の芝居が良かったのが一番大きいかも知れないなぁ。理屈としては結構入り組んでいるはずなのに、すんなり腑に落ちるというか。
ただ、ついには「AO」の物語だけでなく前作の話まで完全否定しかねないオチにはなっているので、やっぱり「アオの物語として作品が完結した」のではなく「作品からアオだけ切り離された」感がある。
もうこの物語の流れも世界観もアオの為にはならないから、全部捨てて先に進もう・・・的な、前向きなのか後ろ向きなのかちょっとわからないところがあったな。
沖縄独立や他のキャラの問題をせめてもう少しフォローしてくれれば、アオが世界を守ったという実感が生まれたんだろうけど・・・。
このオチならせめてフレアかナルがアオを憶えていてくれないと締まらないのに、敢えてその描写を入れなかったのにはこだわりなんだろうか?
しかし沖縄ネタは本当に、扱い切れずにブン投げた印象しか残らなかった・・・!! あの二人が政府高官とか明るい未来も見えないよ!!
あと、主人公だけ別世界に取り残されるオチは會川昇だとハガレン第一期のオチを連想する。
ニルヴァーシュとの別れと帰還シーンは当然の如くエヴァトップをねらえっぽいが、これも狙ったというよりは京田知己は自然にそうなっちゃうのかな。
一方この最終回で心から良かったと思えたのが、トゥルースのアーキタイプ化。
ライバルがメインロボとして再生するこのオチは本当に燃えたので、もっとトゥルヴァーシュの活躍は見たかった。何でV-MAXしてくれない!?
ただロボットアニメの枠を破壊する存在として作られたはずトゥルースが最終的にロボットとして安息を得るのは物凄い皮肉でもある。それこそ最初からそうしてろよって話なわけで。
何だろうなぁ、全体的にアオとトゥルースを通じての「世界」や「親」との関係が、わりとダイレクトにスタッフの迷いや弱味を反映していたのかなという気はする。
個人的にはようやくそこから自由になったアオとトゥルースのこの先の物語にこそ興味があるんで、余計にこの最終回は消化不良。
しかし、良くも悪くも問題作だった「エウレカセブン」の続編として未だにこれだけ未完成な青臭さを発揮してくれたのは貴重なことではあったかも知れない。
ロボットアニメ衰退期の今、手描きロボット作画の魅力と新旧世代の声優陣の熱演が存分に観られたのも本当にありがたかった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。