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(新)進撃の巨人 #1・2・3・4

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TVアニメ「進撃の巨人」オリジナルサウンドトラック
別冊少年マガジン連載、話題沸騰の問題作のアニメ化。
監督:荒木哲郎、シリーズ構成:小林靖子、キャラデザ:浅野恭司総作監浅野恭司門脇聡、制作:WIT STUDIO。
WIT STUDIOは昨年独立したProduction I.Gの子会社。I.Gも制作協力しているので別物ではなくスタジオ分けを会社ごとやってる感じなのだろうか。
また作中で重要な存在である「巨人」の設定に千葉崇明。
本編は、巨大な壁で隔離された世界で束の間の繁栄を享受していた人類が、謎の脅威「巨人」の襲来により全てを奪われるスペクタクル巨編。
別マガ創刊時にリアルタイムで第一話を読んだのだが、それと比べるとアニメ第一話は相当に整理整頓が行き届いている。
基本は原作通りの展開でありながら、特殊な状況設定を無理なく説明しながら主人公の立場と動機をわかりやすく追っていく作りには正統派の安心感がある。
原作初見時は絵柄と巨人のインパクトが凄過ぎてそういった基本構造の王道さまで気が回らなかったのだが、アニメ版は随所に「王道である」ことへのこだわりを感じさせる。
作画も原作のあのクセの強い絵を極力テイストを崩さずTV向けに修正していて驚かされた。
最大の見どころである巨人に関しても、生理的な気持ち悪さよりも巨大ロボットや怪獣に似た怖いけどカッコ良い路線が強くなっていて、何というか良い意味で「普通」になってる印象。
超デカい全裸の汚いオッサンに食われるという、ほとんど心を病んだ人の妄想みたいなビジュアルがちゃんと怪獣映画っぽい雰囲気になっていたのには感心したなー。
勿論、そのせいで原作の持つアナーキーさが若干薄れてはいるのだろうが、TVアニメであることを考えればギリギリの落としどころだと思う。
それにしても今期は久々にロボットアニメが多いのに、何故かこの作品が一番ロボットアニメっぽい。
序盤は特にロボットやウルトラマンなしで生身の人間がどう怪獣と戦うかって構造になっているからかな。作者はマブラヴ意識してたらしいけど、他にも様々なロボット・特撮系の遺伝子が相当入っている。
なので荒木哲郎小林靖子の組み合わせは新世代の「巨大もの」をやるには合っているのかも知れない。
あと、主題歌が映像とともに無茶苦茶熱い!! 「ジョジョ」の影響でまた暑苦しいアニソンブームがこないかなーとちょっと期待していたのだが、いきなり凄いの出てきたな。
ちゃんと「主人公・主役メカ・必殺技のいずれかの名を叫ぶ」という要項を満たしているのが見事。いぇーがー!!


2話。巨人からの敗走とエレン達の決意。
壁をぶち破る「鎧の巨人」のマッシヴ感がヤバい・・・!! 本当にアニメになって巨人の皆さんはイケメン度が増してるなー。
また、巨人に食われる直接的な恐怖よりも、そのあとの避難民達の過酷な環境の方により悲劇性を際立たせる演出も上手かった。
巨人が悪いのは当然にしろ、その脅威に萎縮して誇りも自由も失っていく人類の堕落をこれでもかと感じさせるのは荒木哲郎らしい側面が出ていて面白い。
これも原作に元々ある要素なのに、アニメで整理されることで伝わりやすくなった部分なのかな。
あと、ミカサを序盤からヒロインらしく立たせる演出意図も良く機能している。
石川由依はTVアニメ久々だけど、清楚さと芯の強さが合わさった芝居は変わらず魅力的。
ガルガンティア」第一話前半の宇宙戦で丁度ヒロイックエイジのことを思い出したもので、こっちで石川由依がヒロイン復帰しているのは余計に嬉しかった。


3話。訓練兵となったエレンの修行回。
原作だとこの辺りは最初すっ飛ばされていきなり衝撃の展開に突入していたと記憶しているが、アニメ版は時系列に沿ってサブキャラの掘り下げも行なっていく模様。
一気にキャラが増えたことと少年マンガの王道修行展開だったことで、ほっと一息つける内容になっていた。
小林ゆうはこんな過酷な世界観に放り込まれても小林ゆうなのが卑怯・・・!!
美人過ぎる成長を遂げたミカサさんのヤンデレヒロインぶりも楽しい。
それとOPに続いて「立体機動装置」の極めてシンプルなアイディアを非常に気持ちの良い表現でアニメ化しているのが素晴らしい。
いわゆるワイヤーアクションをワイヤー見せたままやってる感じが新鮮。
アニメ誌のインタビューで監督がXスポーツやパルクールなんかの動きも取り入れていると語っていたけど、アニメのアクション表現としてかなり革新的なことをやっている印象。
元々、荒木哲郎はギルクラで空中を縦横無尽に飛び回る表現をやっていたので、その発展形でもあるんだろうし。


4話。訓練を終え、それぞれの未来を選択するエレン達に再び襲い掛かる理不尽。
お前らに未来を選ぶ権利なんてねーんだよ!!・・・と言わんばかりに現れる超大型巨人さんの神っぷりが凄い。
何であんなデカいものが物音一つ立てず突然現れるんだ・・・という点に関しては伏線や設定があるのかも知れないが、そういう物理的な問題よりも人類の前に立ちはだかる理不尽な運命がそのまま具現化したかのような、巨人の神秘性に惹かれるなぁ。
平和な日常が本当に見せかけに過ぎなかったと思い知らされるラスト数分の急転具合は実に熱かった。
何かもう、サシャの放屁ネタで笑っていられたのがどんなに幸せだったのかと。
エレンの言葉で仲間達が次々と調査兵団行きを決める流れなんて普通なら暖かい友情を感じて終われたのに、超大型巨人さん見たあとだとこいつらまるで現実見えてないなと呆れるだけだ。