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劇場版Wake Up,Girls! 七人のアイドル

基礎情報

監督:山本寛、脚本:待田堂子、キャラデザ・総作監:近岡直
美術監督:田中孝典、音響監督:菊田浩巳、音楽:神前暁&MONACA
制作:Ordet×タツノコプロ(参照サイト、Wikipedia


TV版の前日譚として先行公開された劇場版。
当初は劇場版を見なくてもTV版は単体で楽しめると言われていたが、実際放送されると劇場版前提の設定・描写が多く存在し視聴者を混乱させる一因となった。
2015年、Ordet単独による劇場版第二弾の制作が発表されている。

簡易感想

・まず、iTunesStoreのレンタルを初めて試したのだが、ストリーミングでなくダウンロード形式なのは予想以上に便利だった。HD画質版なら映像クオリティもほとんど文句がない。普段、ニコ動画質やバンダイチャンネルに慣らされていたせいもあるだろうが……。


・本編終了後、随分経ってからの視聴である為、ファーストエピソードなのに懐かしさを感じてしまいその点においては本作が本来意図していた受け取り方はできていないと思う。


・声優陣に対しては「この時点で結構ちゃんと演技できてたんだなー、偉い偉い」と保護者感覚で好意的に見てしまうし、作画については少し動いているだけでも「TV本編に比べて何て凄まじい神作画なんだ」と驚いてしまうし、脚本に至っては「ま、松田が真面目に仕事をしている!? しかも頼りがいを感じる!! そんなバカな!?」と、それだけで感動する始末。


・本当に、TV版と比較すると何もかもが輝いて見える。この脚本レベルのまま、この作画レベルのまま、この時に示した方向性に迷いなく進めていたならどれほどの作品に化けていたことか……。


・一番TV版と印象が違うのはやはり松田。この劇場版において松田は間違いなく主人公としてのドラマと格を与えられている。かつてはバンドか何かやっていたらしい伏線も張られ、夢を諦めた松田が夢を追う少女達と出逢い一緒に成長していくんだろうなという将来への希望に満ち溢れている。それが……どうしてああなった。


・恐らくスタッフもスポンサーもこの劇場版を見ればみんなそういう未来を思い描いたはずなんだよなー。一体どこで何を間違えたんだろう? どんなに便利なキャラでも社長を戻すべきではなかったのか……。


・劇場版の脚本だけ見ると待田堂子には明らかにアニマスで遣り残したテーマを改めて昇華しようという意思があったと思う。だがその為に松田をP化させてしまうと差別化ができない。わざわざWUGである意味がない。その葛藤がTV序盤から中盤にかけての混乱に現れていた……ということだろうか。


・ところで、「かつて国民的アイドルグループに所属していたがスキャンダルで冷遇され脱退、その後本当の夢を追いかけて新たな場所で再出発したものの過去の問題を蒸し返されて炎上する」という展開をアイマスシンデレラガールズの方がリアルにやり始めてビビった。シンデレラガールズとWUGはアニマスを参考にしたうえでの独自戦略とか元京アニスタッフによる方法論とかやっぱり色々似てるんだよな……。


・ともかく劇場版だけ取ればコンセプトは正しく、ポテンシャルも高く、モチベーションにも溢れている。オリジナルアニメの立ち上げ作品としては間違いなく良作。


・そして劇場版第二弾。やるからには意地を見せて欲しいところ。少なくとも声優陣のパフォーマンス能力の成長度は、アイマスラブライブを猛追する勢いは持っていると思うのであとは本当に、ヤマカン次第なんだ!!