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【デレマス考】アイマス シンデレラガールズ第二期キービジュアルで花京院は何を伝えたかったのか?(その3)

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その3・『旅』の意味

だからこのゲームでこの花京院典明に精神的動揺による操作ミスは決してない! と思っていただこうッ! 

 

 2ndシーズン放送まであと二日、10thライブまであと三日という状況になりました。みなさん追い詰められてますか? ゲロを吐くくらい怖がってますか?

 デレマス考、ラストとなるその3は「本田未央の立ち位置と手を繋ぐ少女達について」。これについてはそもそもどこに問題があるのか気付かない人も多いと思いますので解説すると。

 

 

背後の時計アーチと時計の針の中心点がズレている。

 

そのズレた中心点に立っているのが本田未央である。

 

ユニット単位でのキャラの並び順と手の繋ぎ方、足の運びの違い。

 

ラブライカ側には「I」と「II」の文字盤があるのに凸レーション側にはそれがない。

 

 といったCPメンバー14人の配置に関わる疑問点の数々。

 一つ一つはわりとスルーできるレベルの些細なものでも積み重なるとやはり不穏さが際立ってくる。特に未央の立ち位置については「その2」で考察した卯月から伸びる針と凛の真上のアーチ破壊に連動してくるものなので、まずここから見ていきましょう。

 

 まず、未央が中心になっているのは時計と卯月・凛の位置取りの影響を受けただけで深い意味はない……という可能性は恐らく、ない。

 何故なら先に上げたように針とアーチがわざわざズラされているから。

 NGsの三人の立ち位置と針のポイントが全て連動しているのは間違いない。そして、卯月と凛に挫折の予感をもたらす針の根幹に未央が立っているということは、未央が二人を支えるポジションであることを改めて強調しているはずだ。

 それは、本田未央がNGsのリーダーだから――だけではない。

 

 彼女は明確に「シンデレラプロジェクト14人の」中心に立っている。

 12話でCPのリーダーに任命された新田美波ではなく、本田未央がそこに立つ。

 

 ここで、1stシーズンでよく言われた「何で未央ばかり目立つのか」「どうして未央ばかり逆境に立たされるのか」という疑問の答えがある。

 

 1stシーズンはまるで本田未央が主人公のようだった。

 いや、ようだった、じゃなくて、

 

本田未央は元から主人公なんだよ!!

 

 アイドルマスターのキャラには一定の「名付け法則」がある。

 有名なのは「天海」「如月」「秋月」といった艦隊ネーミングで、これは「卯月」にも採用されているし(卯月は春香の春イメージにも対応している)、ミリオンライブ!では「春日(これも春)」「最上」「伊吹」といわゆる信号機トリオ全員に復活採用されている。

 もう一つがキャライメージをそのまま名前に当てはめるパターンで、これは「星井美希」を筆頭に「天ヶ瀬冬馬」や「日高愛」、SideMの信号機である「天道輝」「桜庭薫」「柏木翼」など、主にキャラ属性を直球で表す漢字が使われることが多い。

 「渋谷凛」もその代表格。「渋谷」は女子高生の象徴であると同時にシンデレラガールズの開発運営を行うサイゲームスの本拠地なので、そういう意味でも「渋谷凛」はアイマスとシンデレラガールズの橋渡しキャラというイメージを背負っている。

 

 で、振り返ってみて「本田未央」。

 平凡。

 至って平凡。

 ゲーム開始当初、あまりにも地味な名前と見た目のせいでパッション属性代表キャラとしてまったく認識されていなかったくらい平凡。

 島村卯月が渋谷凛を追って「ニュージェネレーション」となったあとになって、そいえばこの本田ってのも実はメイン三人組の一人なんじゃないの? と、ようやく話題になり始めたくらい平凡。

 

 だから大半のプレイヤーには、「本田未央」にアイマスネーミングの法則が働いているという感覚がまったくなかった。

 だが、アニメでここまでやられたら嫌でも理解できる。

 

「未」来の中「央」だから未央なんだと!!

 

今は「未熟」でもいつか「本物」になるから本田未央なんだと!!

 

 今になって思えば、見た目が「覚醒美希」に似ていたことからして最初から大器晩成型のキャラとして仕込まれていたんだよ……晩成するのに三年かかったけど!!

 この、未央がいずれは「中央」に立つキャラになることは最近になって、具体的にはアニメの為の設定補強がゲームに逆輸入されるようになってからより顕著に強調されている。

 特に重要なのがサイゲームスが発売した冬コミ限定ドラマCD。

 これは販売がサイゲームスであるにもかかわらず音響監督をアニメと同じ藤田亜紀子が務めている。最近のインタビューで実はアニメ収録が始まってからはゲームやCDのボイスドラマ収録にも藤田亜紀子が携わっていることが判明したのだが、この冬コミCDはその最初期のものに当たる。

 つまりは音響監督はじめアニメスタッフが「本田未央がどういうキャラなのか」を最初に把握して作られた、いわばアニメ版未央の叩き台。

 

 ここで描かれる未央は、一言で言えば「完璧超人」である。

 スキー初挑戦であっさりとジャンプをこなす身体能力。

 カリスマ城ヶ崎美嘉を圧倒するほどの存在感。

 仲間の様子をよく観察してフォローをかかさず。

 向上心に満ち溢れて常にパワフル。

 

 あくまでドラマCDはゲーム設定の延長線上で描かれている為、アニメの未央がそのまま「そこ」に繋がるわけではないが、基本的にアニメ版は「エピソード0」的な、いずれゲーム設定のレベルにまで成長していくシンデレラ達の前段階の姿を描くことを旨としている。

 本田未央役・原紗友里もその点は強く意識しているようでインタビューやニコ生などで頻繁に「アニメの未央は成長しゲームの未央に近付いていく」といった意味合いの発言をしている。

 アニメスタッフも当然そういう意識なのだろうし直接声優に演技指導をする藤田亜紀子の「本田未央イメージ」の原型がそこにあることはほぼ間違いない。

 

 本田未央はいずれパーフェクトスターと呼ばれるまでに成長を遂げ、「シンデレラガールズ」の中心となる。

 だから1stシーズンで描かれた未熟で勘違いと空回りを繰り返す未央の姿は、その玉座へと至る為の通過儀礼なのだ。

 

恐怖を乗り越えた本田未央!! そこへと至る王の道!!

 

 恐らくアニメ「シンデレラガールズ」にはそれぞれNGs三人に対応した物語の柱が三本あって、「未央ルート」が挫折と成長を繰り返し成り上がっていく王道のサクセスストーリー、「凛ルート」が本当の自分を探し求めながら走り続けるもっともドラマティックなストーリー、「卯月ルート」がかなりメタ的な仕掛けを駆使してテーマの本質に迫るトゥルーエンド(命名、高橋龍也)ストーリー、なのだと思われる。

 定番化したギャルゲーの全三章構成を援用していると考えるのは高雄統子・高橋龍也のキャリアを見ればむしろ自然な発想。

 特に高橋龍也はアニメ脚本をメインに活動するようになって以後も最新ギャルゲー関連の研究を欠かしてはいないことが近年の仕事(神のみぞ知るセカイ・失われた未来を求めて・グリザイアの果実/迷宮など)からも明白なので、初のシリーズ構成でその溜めに溜め込んだテクニックの数々を利用しないわけがない!!

 

 ええと、かなり脱線しましたが話を強引にまとめると、

 

本田未央は実質セイバー。

 

 みたいな理解でいいと思います。

 あと原紗友里と三重野瞳(赤尾でこ)とLISPの因縁が呼び覚ますプリズムの呪いとか、「時は来た!!」の名ゼリフとともに登場して時計を背負うのは闘魂三銃士でいえば明らかに橋本真也ポジションだからだとか、他にも未央は脱線する話題には事欠かないのですが、本当に終わらないので切り上げる。

 

 次いで重要なのが、さっき「シンデレラガールズ」の物語には三本柱があると書きましたが、それでいて他のキャラの物語も複雑に絡み合いその三軸を強化する形になっているのが本当に恐ろしいところなのです。

 

その象徴が「絡み合う少女達の手」。

 

 このキービジュアルの並び、単純にユニットごとに割り振られているのだが注目すべきは「別ユニット同士を繋いでいるキャラ」の存在で、具体的には「みりあ・みく」「李衣菜・凛」「未央・智絵里」「かな子・蘭子」「蘭子・美波」の組み合わせになっている。

 

 このうち「みりあ・みく」はアニメ序盤の前川軍団の流れを受けている。前川軍団なら莉嘉でもいいはずだが、きらりの横にみりあだとたぶん凸凹が激し過ぎて……という以外にも、みりあにもまだ何かドラマがあるのかも知れない。というか非常に重要なネタが一つあったんだけど、G4U!パック一巻のオマケ小冊子であっさりネタ消化されちゃったんですよね、あれ何だったんだ。

 

 「李衣菜・凛」についてはCool属性同士とか中の人が盟友関係だとかいう以上に、2ndシーズンPVでの「あの人」の登場で意味が明確になった。

 つまり、李衣菜も凛と同じ悩みに直面するはずなのだと。

 ただ凛と違うのは、李衣菜はみくと「恋人手繋ぎ」しちゃっているのである。これは修羅場不可避。

 

 「未央・智絵里」は何気に最大級の謎。智絵里は今までほとんど未央と絡んでおらず、CI内ならむしろ男前ハイタッチの影響で杏の方がしっくりくる。

 これもCI三人を並べた場合、杏を真ん中にしないとバランスが悪いという絵作りの事情が一番の理由ではあるのだろうと思われるが……どうも13話を見直していて意外とそれだけではないんじゃないかという気がしてきた。

 智絵里は1stシーズン中もっとも不遇な扱いを受けているCPメンバーなのだが、それゆえに伸びしろが誰よりも大きい。更なる成長が見込まれる未央の横に立つことで、一気にCPの主力にまで育つ可能性はある。

 そもそも緒方智絵里というキャラも、未央ほどではないにしろゲームでは遅咲きだったので同じ大器晩成の枠に入っていておかしくない。

 常に杏に目をかけられている(杏がやる気を出したのは9話で唐突に、ではなく5話で智絵里とかな子の会話を聞いていたのが伏線になっている)というのも、満を持しての「あんきら」始動があるなら重要な意味を持ってくるだろうし、智絵里関連の描写は注意深く追うと毎回発見がある。

 「カエルさん」も、9話だけのネタかと思ったら延々引っ張ってるし、あれもきっかけが未央だからPが「カエルになった王子様」になったりするのか(SideMのピエールでやれって言われそうだが)。

 ともかく2ndシーズンの台風の目は緒方智絵里、と意識しておきたい。

 

 そして「かな子・蘭子」と「蘭子・美波」。

 これはシンプルに、中の人同士が仲良くてゲーム内でも一緒に温泉入ってるカップリングと、アニメ12話・13話で新たに生まれた可能性を示しているが、蘭子の目線がかな子でも正面でもなく美波ガン見なのが何か不穏!!

 美波も蘭子の方を見てて、ポーズ的にアナスタシアがちょっと嫉妬しているようにも受け取れる。これはさすがに深読み、なのか?

 大体、蘭子と手を繋ぐならアナスタシアの方が適役なのデース!! ラブライランコだけど凸なのデース!!

 きらりが端に置かれているのは大きさの問題だとして、アナスタシアもビジュアルのインパクトゆえに端なのかどうなのか。Star!!とGOIN`!!!の決めポーズの並びを踏まえているのも当然あるのでしょうが、あれは他のキャラの並びが微妙に入れ替わっているので逆に左右そのままなのが引っかかる……。

 

 と、このように手の繋ぎだけでもキリがない!!

 足の運びについては、

 

卯月だけ足が止まっている。

 

卯月と凛の表情だけが暗い。

 

 という二点が多く指摘されるところですが、もう一つセットで見るべきは、

 

未央だけドレスが戦闘服みたいになっている。

 

 ことであり、これは卯月と凛が停滞しているというよりは、やはり卯月だけ現実に立ち向かう準備が整っていない、凛にはまだ迷いがある、未央はそれらを吹っ切っているという対比なのかなと。

  そして対比という面では、凸レーションの楽しげな足運びとラブライランコの落ち着いた足取りの違いも興味深い。

 これがラブライカ側には数字があり、凸レーション側にはないことと何か関係するのか――という点については現状さすがに推測する手がかりが少ない。

 

 ただ、あの時計アーチはそもそも「VII」の謎からして現実的なものではなく、もっと時空の歪みや夢と現の狭間を示すあまりよくないものの象徴なのだろうという印象は強く、

 

何より大事なのは14人が手を繋ぎ揃ってそこに背を向けている。

 

 何かからの決別の意思と新たな一歩を踏み出す勇気を示している、ということなのだろう。

 これをNGsの崩壊やCPの危機といった捉え方だけでなく、346プロという夢のお城からの卒業といったより大きなドラマの予感として受け取ることもできる。

 

 この物語があらゆる可能性と道筋を示しながらも最終的には「シンデレラ」に帰結するのなら、その最後の場面は、もう一度ガラスの靴を履く場所は、美しい城ではないはずだから……。

 

 あとはもう、PVで謎の女とちひろの関係が怪しいとか、「姉」達がついにライバルとして立ちふさがるのだろうかとか、後輩って誰だよとか、まったく思考は止まらないわけですが、本当に終わらないのであと二日、二日……!!

 時よ、止まらずに進め。

 

後悔はない 今までの旅に これから起こる事柄に ぼくは後悔はない

 

 

 

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