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【デレマス2nd適当感想】アイドルマスターシンデレラガールズ第23話、BADコミュなんて誰でもできるもん!!

 

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 東京ゲームショーの各種デレステ関連のステージなどを見ながら23話についてようやく一つ、自分のなかで整理のついた問題があったのでその件だけ簡単に書いておきます。

 22話ラストで島村卯月にかかっていた魔法が解けた。その「魔法」とは具体的に何だったのか? そして島村卯月の身に起こっていた問題とは、本質的に何だったのか?

 鍵はPの行動にある。今回Pは卯月の様子がおかしいことには「NGsが個別の活動を開始した辺りから」薄々気付いていたと言っている。他のCPメンバーと同様にPもまったく気付いてなかったんじゃないかと思っていたがそうではなかった。気付いたうえで色々と立ち回って、それでもどうにもならずに今回の状態になった。

 何故かというと、卯月の本音、「正体」が正確に掴めなかったから。

 恐らくPの前にはずっと、多くの視聴者と同じ三つの選択肢が浮かんでいた。

 

【A・島村さんは仲間達と比べて自分にはアイドルの才能がないと自信喪失しているんだ。長所を指摘して褒めてあげよう!!】

 

【B・島村さんはアイドルになったあとの目標を喪失しているんだ。新しい仕事を与えて目標を再設定してあげよう!!】

 

【C・島村さんは周りに追い付こうとして無理をし過ぎているんだ。そんなに頑張らなくてもいいんだよと優しく休ませてあげよう!!】

 

 そして、全ての選択肢を試した。

 がっ!! 駄目っ!! 全部駄目っ!!!!

 鬱病への対処が~とか島村さんは空っぽだから~とか、そんなのは全部罠!!

 そう、そうだったのだ。恐ろしい、本当に恐ろしいことに、

 

浮かんだ三つの選択肢が全部BADコミュなのだ!!

 

唯一の正解は、時間切れまで粘ること!!

 

 ギャルゲーあるある。

 今回、Pは試行錯誤の末にようやくこの「シンデレラガールズ」攻略を阻む最大の試練を乗り越えたのだ。これはあとで別に書くかも知れないが、常務との対話が今まで以上に「鏡合わせの自分自身」との対決の様相を帯びているのもそういうことで、いつも急ぎ過ぎる常務=CPのプロデュースに夢中になるP自身に対して「待ちます。待たせてください」と頭を下げることが一番重要なフラグだった。

 あの時、常務に卯月を切り捨てろと言われて、PはCP解散や凛&アナスタシアのクローネ引き抜きの時とは真逆にまったく動揺しないんですよね。「ああ、やっぱりそれを言われたか」という覚悟していた顔をする。

 それはつまり自分自身「島村卯月を切り捨てる」可能性を考えてしまっていたからで、実際問題スケジュールを白紙にして養成所への出戻りを認めた時点でアイドルとしては切り捨てたも同然になっていた。

 それでも待つ。自分が信じた島村卯月と、自分が育てたCPが何か自分にはない選択肢、答えを出してくれることをひたすら期待して待つ。だから誰が一緒にきてもいいように、お土産は四つ買っておく!!

 自分は前回22話の感想で、CPはもう機能不全に陥ってしまったから解散するしかないんじゃないか、それはPにとっては残酷だけど仕方ないんじゃないかと書いてしまったのだが、やはり希望は捨てられない。そしてCPには確かに、島村卯月の魔法が解けたあとにも残されたガラスの靴があった。

 

 ガラスの靴。それは凛と未央の卯月への友情だったのか?

 あるいは卯月の笑顔が二人に与えていた力だったのか?

 それもある。それもあるとは思うんですが、自分はもっと容赦のない話だと思う。

 ガラスの靴とは魔法の残滓だ。

 凛と未央の中に残っていた、解け切らなかった卯月の魔法のカケラ。

 であるならば、「ガラスの靴」とはすなわち、凛と未央がずっと卯月に抱いていた「勘違い」そのものだったのではないか?

 二人はずっと島村卯月を誤解していた。Pもそうだったように本当の卯月を理解できていなかった。だからあれだけ押して押して、卯月がついに決壊するその瞬間まで、何が起こっているのかをわかっていなかった。

 

 そもそもPのBADコミュのうち、AとBは実は先に未央と凛が7話でやってるんだよね。卯月の固有の問題とすでに解決したと思われていた未央と凛の話が対応している……というか、正しい選択をする為のヒントとして用意されていたのだという発想はさすがになかった。これも計算してるのかなぁ……してそうなんだよなぁ。

 ともかく、未央は過去の自分のやらかしを思い返して「しまむーも理想と現実のギャップに苦しんで一人で抱え込んでしまったのかな?」と考えていた。

 凛もまた7話での逃亡やトライアドの時の迷いを思い返して「卯月も私のように本音が言えずに自分をごまかしてしまっているのでは?」と考えていた。

 だから問い詰める際に、二人とも自分の経験に沿った文脈で攻めている。

 だが、その結果出てきたものは二人の予想だにしない言葉だった。

 

「怖いよ」

 

 ……何で、この一言がこんなにも衝撃的なのか。

 凛にも未央にも視聴者にも、深く深く突き刺さるのか。

 それは、当たり前だからだ。

 当たり前過ぎる。

 怖い。そりゃそうだ。何かを始める時は怖い。自分にそれができるのかどうか不安で怖い。置いていかれるのは怖い。失敗するのは怖い。成功したって怖い。

 周りがダイヤモンドだから嫉妬するとか、自分は輝けないと卑下するとか、目標があるとかないとか、疲れるだとか鬱になるだとか、そんな「高度な」問題ではなかったのだ。

 

 怖い!! 怖いよ!!

 

 笑顔なんて、笑うなんて誰でもできるもん!!

 

 普通、過ぎる。

 あの島村卯月が、まるで普通の女の子みたいなことを言ってる。

 普通の女の子みたいな。

 ……そう、そういうことだった。

 誰も彼女を「普通の女の子」だなんて思っていなかった。

 あれだけ「普通」が唯一の個性だって、「普通」だから周りに劣等感があるんでしょと、「普通」だからみんなに追いつけなくて焦るんでしょと思われていたけど、実際のところは誰も彼女を「普通」だなんて見ていなかった。

 Pにとっても、渋谷凛にとっても、本田未央にとっても、視聴者にとっても、

 

島村卯月は「アイドル」だった。魔法とは、その偶像幻想。

 

 シンデレラの魔法が解けた。それでシンデレラが別人になるのか? 違う。シンデレラ本人は何も変わらない。変わるのは周囲の目なのだ。魔法で美しく着飾っていたお姫様が一瞬にして灰かぶりの、どこにでもいる少女に変わる。

 

 私が恋をしていたのは、偶像(アイドル)だったんだ、と気付く。

 

 それが魔法が解けるということ。対等じゃなかったんだ、だからもう一度友達になろうって未央は言う。

 けど、凛と未央はもう魔法ではなく自分の輝きでお姫様になりつつあるんだ。自分の靴で美しいお城に帰っていける少女達なんだ。

 灰かぶりとはもう違うんだ。だからまだ、一緒には帰れないんだよ。

 

 王子様はPなのかNGsなのかCPそのものなのかと色々考えていたが、そんなのは意味のない話だったのかも知れない。たとえ王子様が迎えにきたって、島村卯月は二度とガラスの靴は履かない。そして自分の靴でお城に戻ってきた。

 あとは本当の「アイドル」になるだけだ。今度こそ、自力で輝くスターに!!

 

 と、まあ時計がまだ止まってるんでそれは二週間後なんですが、大橋彩香をはじめ声優陣の芝居や作画なんかについてはまた機会があれば別に書きます。あとCPの他のメンバーのフォローはNOMAKEに回されるのかどうなのか?