へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

なれのはて 過去感想は作品タイトルで検索してください

スポンサードリンク

【デレマス2nd適当感想】アイドルマスターシンデレラガールズ最終局面、輝けシンデレラスターズ!

 

 

 特別編成「SmileHistory」が放送され、ついに残るは最終回のみ。

 この一週間、第24話感想で書き残していた「シンデレラプロジェクトの本当の意義」についてどう書いたものかと思案していたのですが、「SmileHistory」で声優陣がそれぞれに名場面を挙げるなかで個別のアニメ観、ひいては「シンデレラプロジェクト観」が見えてきていたので、ここまでまとまらず引っ張ってしまったのもまあ悪くなかったかなと言い訳をする。

 とはいえこれはアニメ全体の総括に近い話になるので最終回前だとやはり難しく、どうしても適当にならざるを得ないので開き直ってインチキQ&A形式でダラダラと書きます。突っ込み無用。

 

Q1・第24話の「Wish Upon A Star」って何のこと?

 

A・和訳すると「星に願いを」。クリスマスソングとして定番にもなっていますが元々はディズニー映画「ピノキオ」の主題歌です。

 つまり「魂のない人形(ガンバリマスロボ)だった島村卯月がみんなの願いを受けて人間になる」という第24話、ひいてはアニメ「シンデレラガールズ」全体のストーリーを象徴する決めの仕掛け。

 ちなみに卯月とPの会話シーンで「嘘」がキーワードとして印象的に使われるのもピノキオを連想させる為だと思われます。シンデレラの魔法は時間経過で解けますが、ピノキオは「嘘」をつくことで自分で自分の魔法を解いてしまう。(「鼻が伸びる」と「卯月のイメージが花」であるところまで繋がっているかはさすがにわからない)

 あと、これは完全に邪推のレベルですが、OPで常務が卯月に厳しく当たるシーンで横に「監督:高雄統子」と出るのは「私の役割はたとえ彼女を愛する人達に恨まれたとしてもこの娘を本物の人間にしてみせることです」という宣言に見える。

 言うまでもないことですが、「星」というモチーフを1stOPからず~っと匂わせていたのもここで「星に願いを」に繋げ、恐らくは最終回でアレに繋げる為……だといいな。

 

Q2・ボードの50個の星に願いをかけたのは誰?

 

A・映像で確認できるのは、

 

「シンデレラプロジェクト」

諸星きらり 城ヶ崎莉嘉 赤城みりあ

双葉杏 三村かな子 緒方智絵里

前川みく 多田李衣菜

アナスタシア 新田美波 神崎蘭子

「トライアドプリムス」

北条加蓮 神谷奈緒

「とときら学園」

十時愛梨 櫻井桃華 市原仁奈

佐々木千枝 龍崎薫 古賀小春

佐城雪美 福山舞

「バラエティ班」

堀裕子 上田鈴帆 難波笑美

脇山珠美 浜口あやめ 上条春菜

川島瑞樹(何故、ここに……)

「秘密の花園(ポジティブパッション)」

高森藍子 日野茜

「なつなな+」

木村夏樹 安部菜々 松永涼

「カワイイボクと野球どすえ」

輿水幸子 小早川紗枝 姫川友紀

「机の下同盟+」

星輝子 白坂小梅 佐久間まゆ

「プロジェクトクローネ」

大槻唯 鷺沢文香 橘ありす

「先輩組」

小日向美穂 城ヶ崎美嘉 高垣楓

 

 これで45人。

 ここに渋谷凛と本田未央を加えると47人ですが、二人があの時点でボードに星を貼っていたかどうかははっきりしない。卯月と一緒に並べて貼りたいと思っている可能性も高いので、卯月に白紙の星を持たせたのと同様に自分達もまだ星を持ったままなのかも知れない。

 ともかく、二人を加えてもまだ足りない。普通に考えると映像に出てきていない、

 

「クローネの残り三人」

速水奏 塩見周子 宮本フレデリカ

 

 これを足して50人でファイナルアンサーとするのが妥当。しかし個人的には疑問がある。このパターンだと、

 

「14話でCPに駆り出された三人」

片桐早苗 道明寺歌鈴 安斎都

 

 が入らなくなるからだ。

 そして、早苗さん達とはまだそんなに仲良くなっていないからという理由で外すとなると「松永涼も外れるんじゃないか?」という新たな疑問が生まれる。

 実際、よく見ると松永さんは星を渡してないんですね。あの状況、李衣菜がなつきちにあらかじめ渡しておいた星を回収している場面に見える。松永さんはなつきちと仲良くなって一緒にいただけで、まだ李衣菜やCPとはそんなに面識ないのではないか?

 もちろん松永さんの性格なら事情を聞いて、なら私も書くよとその場で書いてくれた可能性も高い。この時点で小梅ちゃんと知り合っているならそっちから事情を聞いている線もあるし、松永さんは読めない……。

 それと同じく佐久間まゆも星を持っている描写がないんですが、さすがにまゆは書いてると思う。内容は、幸子よりもNGs応援とは程遠いこと書いてそうな気はするけど。

 ともかくパターンとしては、

 

・確定の44人に凛・未央・松永さん・クローネ残りを加えて50人。

・確定の44人にクローネ残りと14話組を加えて50人。

 

 どっちみちクローネは全員入らないとおかしいので、数名入れ替わりがあるにしてもそんな感じかなぁと。

 しかし当然、何で50人なの? という謎がある。

 たとえCPと関係がないといってもせっかくアニメで声が付いた、及川雫・大和亜季・ゆかゆかのりこ・藤本里奈といった面々を省く必然性は薄い。事務所で協力者を募ればいいわけだし、直接関係がなくてもCPやNGsに注目しているアイドルも多いはずだし、ここで一気に183個の星を出してしまってもよかったんじゃないか? では――

 

Q3・50の星に、意味はあるの?

 

A・「アイドルマスターミリオンライブ!」のアイドル数に合わせた。

 いわゆる、「ミリオンスターズ」に数のうえで追いついた。並んだという表現なのではないか?

 何でここでミリオンが出てくるの、と不思議に思われるかも知れませんが、ぶっちゃけ現在のアイマスで「星が50個」出てきたらそれ以外考えられない……。

 そもそも765は「765オールスターズ」でミリオンは「ミリオンスターズ」、DSは「ディアリースターズ」でSideMもメインユニットが「ドラマティックスターズ」なのでアイマスには伝統的に「スター縛り」というものがある。

 ただアニメが始まるまでシンデレラガールズだけがこのスター縛りから抜けていた。未央の「ミツボシ」があったり合同チームで「スリースターズ」を名乗ったりといった経緯はあったものの、シンデレラはあくまで「ガールズ」であって「スターズ」ではない。

 だから自分はアニメの主題歌が「Star!!」だと聞いた瞬間、ああようやくシンデレラガールズもアイマスの一員になるんだ!! という特別な感慨を持った。

 灰かぶりが星を抱くことには、そういうお家の事情みたいなものが色々とある。

 先ほどのピノキオの話とも合わせて、用意周到と呼ぶにも常軌を逸したレベルの「星モチーフ伏線」の数々があったのは、シンデレラガールズを「スターズ」にする為にそれだけの仕込みが必要とされた結果なのではないか。

 そして24話で島村卯月が人間になることと、シンデレラガールズが50の星を輝かせることがリンクする。これでようやく「アイマス」になれたんだ!!

 ……と、油断してたらミリオンの新曲「Dreaming」に「Star!!」の初週販売記録をあっさり塗り替えられるわけですよ!! 身内同士で殴り合い高め合うスタイルッ!!

 

Q4・346プロとシンデレラプロジェクトって何だったの?

 

A・それぞれに意味が違ってました。

 ここから本題。24話でCPメンバーが「346プロ、シンデレラプロジェクト、そしてアイドル」に対する各々の考えを卯月に語ってくれたわけですが、見事に全員言ってることがバラバラ。しかし、バラバラなのに同じ方向を向いている。

 確かに1stの段階まではCPは彼女達を画一的に管理する「箱」としての機能を持っていた。自分もその価値観を引き摺っていたので機能不全を感じていたわけですが、実は彼女達が自由意志で動き出した段階でCPの「箱」としての機能、魔法はとっくに解けていて、CPも美しいお城も統一された認識の元にはなくなっていた。

 

Q5・赤城みりあの「影絵」はどういう意味?

 

A・みりあにとって346プロとCPは「非現実」、莉嘉にとっては「現実」。

 一番恐ろしいのが今までずっと一緒にいたみりあと莉嘉の対比。ここでみりあちゃんはわりと唐突に「最初、一人で346プロまでやってきた」話をする。そして美しいお城に感動したと言うのだが、そこで描かれるのは真冬の風に晒された寂しげな現実の346プロの姿。そして直後に莉嘉が346プロが「期待外れだった」話をする。

 莉嘉にとっては346プロもアイドル業界も姉という一番身近な存在がそこにいる、あくまで現実の延長線上の世界なのだ。莉嘉は「あっちとこっち」、日常と非日常の境界を意識せずにアイドル活動をやっている。

 赤城みりあは違う。みりあにとってアイドルとは日常から離れたハレの場で、彼女は毎日そこに遊びにきているのだ。遊びといっても不真面目ということではなく、今だけ許された特別な行為を最大限に楽しんでいるとか、そういった意味。

 これについてはBD五巻の黒沢ともよのオーディオコメンタリーが非常に興味深い補助線になるのだが……みりあPには結構過酷な内容なのであくまで簡単にまとめると、

 

・赤城みりあにはある日、ふっと醒める瞬間が訪れる。

・みりあは高校受験なんかをきっかけにアイドル辞めると思う。

・逆に莉嘉は芸能界に残る。美嘉が24~25歳くらいでブランド立ち上げてそのモデルを務めたりするのではないか。

・みりあには芸能界に残る理由はない。たぶん未練もなく普通の子に戻る。

・だから、今、この瞬間にこんなにはしゃいでいるのは「この場」だから。

 

 19歳元子役の分析、怖えええ!!

 何が怖いって、こんなキャラ分析をしたうえであの演技なんだよ!? あの無邪気なみりあちゃんを演じるに当たってそこまで考えて、しかし余計なものは見せない!!

 ともかく、赤城みりあが過剰なまでに子どもっぽく振る舞っているのは、実はそれこそディズニーランドにやってきた子どもみたいなもので、そういう態度が許される場だからそうしているだけ。赤城みりあは日常ではあんなタイプではない。

 むしろ親に迷惑をかけず、礼儀正しく、物分かりがよく、優等生でおとなしく、たぶんクラスのなかでは誰より大人びた女の子なのだと思う。あの時折見せる異様なエロスこそが本質なのだと言ってしまってもいい!!

 つまり、莉嘉にとってCPは社会を知る場所で真っ直ぐに成長していく為の階段なのだが、みりあにとっては子どもで居続ける為のモラトリアムの場。あれだけ仲良く見える二人でもCPに対する価値観が実は大きく違う。

 

Q6・きらりとみくと李衣菜にとってのCPは?

 

A・きらりにとってCPは救済、みくには試練、李衣菜には出逢いの場。

 自分はどうしても卯月やきらりの側でCPを見ていたので「落伍者救済のシステム」としてのCPを強く意識していたのだが、きらりは確かにそうCPを捉えていた。

 きらりは自分がアイドルになれるなんて思っていなかった。その希望を拾い上げてくれたのがCPなので、他のメンバーのことも同様に助けようとする。だが、その価値観は絶対的に共有されているわけではなく、きらりもそこは承知していた。だから、あまりお節介に声をかけることはせず見守る役に徹して、卯月に対してもそうだった。

 逆にみくは「自分はアイドルになれる」と信じていた子で、その希望を打ち砕きかねないのがCPだった。きらりや卯月にとって希望の方舟だったCPが、みくにとってはバトルロワイヤル会場だった。ガラスの靴ならぬ石の靴こそが前川みくの346プロCPイメージの象徴だったのだろうか……。

 李衣菜は正直よくわからない。アイドルがどうこう以前に「友達ができてよかった」という話でしかない気もするし、なつきちの件も含めて合コン初参加でリア充になれました!! ちょっと修羅場ったけど!! くらいの感じがロックっぽくもある。

 

Q7・キュート組とクール組のアイドル観の差とは?

 

A・キュート組は「奉仕型アイドル」、クール組は「自己主張型アイドル」。

 CIとラブランコは時系列を前後させながら対比的に語られているのですが、互いの意見は微妙にズレている。

 整理すると、CIは「変われたところもそのままのところも大事にしたい」「勇気を出して進んでよかったと思う」「自分のペースが大切」。

 ラブランコは「冒険をするのは不安だけど楽しい」「新しい世界はドキドキする」「不安はみんなで分かち合える」。

 かな子が問題で、伝説のプチシュー出しながら「そのままの自分も大事」と全体の流れに動じないことを言い出すのでお前は本当に重量感もとい安定感あるなと……。

 一応、チーム全体としてCIは「自分のペースで少しずつ」、ラブランコは「みんなと一緒に加速」という割り振りになっていてスピード感に差がある。

 そしてそのスピード感の差が何に由来するかというと、根本的なアイドル観の違いが出ているだろうと。CIは基本みんなを笑顔にしたい、元気を与えたいという奉仕精神が土台にあって、それは杏でさえそうなんだよね。杏は己が安定した生活を求めているがゆえに、外の世界が荒れることを望まない。ニート的平和主義。

 対してラブランコは多少の犠牲、痛みを受けたとしてもそれはみんなでシェアして突き進んでいこうという思想になっている。創傷イノセンス的、革命的ブロードウェイ的、プリンシプル!!

 やはりクールはアーティスト路線で、「もっと私を見て」というタイプのアイドル観が強い。自分の世界観を主張する蘭子も、アイデンティティを模索するアナスタシアも、自分の可能性を追求したい美波も、みんなよりは自分。だが、自分が進む為にはみんなの助けがいる。自分が進むことで誰かを引っ張り、また誰かに引っ張られる。

 後ろから押して支えるか、先行して手を引くかの違いとも言えるか。とにかく主張として相反してるんだけど、演出上は「同じことを語っている」ように見える。あのシーンの映像とセリフ選びの慎重さはなかなかに凄い。

 

Q8・新曲の楽譜(歌詞)に込められた意味とは?

 

A・卯月が抱えていた問題を別の形でCPメンバーがすでに乗り越えていたことの証明。

 「私色ギフト&HeartVoice」の歌詞を読んだ時にまさかと思ったが、24話の楽譜の演出でほぼ確実になった。今週発売された「この空の下」にも見事に、

 

・みんなの想い込めた「頑張れ」が響く

・明日出逢える笑顔信じてるから もっともっと頑張れるように あの星に願おう

 

 完璧な24話予告が入っている。2ndの新曲は他のものも全部24話の卯月に、そして来たる最終回に繋がるものとして準備されていたと考えるしかない。繋がるスマイリング!!

 また、「直接の手助けはできない」「ただ同じ苦しみや不安を経験してきた証としての歌だけがある」という事実がテーマとして重要なのだろうとも思う。

 何故なら、それこそが「アイドルの歌」だから。

 直接苦しんでいる人を助けられない、届くかどうかもわからない。だが歌う、歌としてメッセージを伝える。それだけが唯一の希望。それが「それぞれに考える346プロもCPも実はバラバラだったけど、同じ場所で歌っている」ことの意義にもなる。

 ……ちなみに、この世界観とかシビアな価値観、どこかで見覚えがあるなぁと考えて思い至ったのだが、

 

「カイジ」の鉄骨渡り編と同じだ。

 

 互いに助けられない!! 触れ合えない!! 唯一できるのは通信のみ!!

 同じ境遇で同じ道を歩いている、星さえ見えない暗闇のなかで確かに仲間の声が聞こえる、ただそれだけを糧に歩く!! 同じ希望を目指して、バラバラな道を往く!!

 ああそうか、それで「落伍者救済」とか「脱落者には誰も気付かない」とかそういう感覚を持ってたんだな自分……。シンデレラガールズはディズニーでボトムズでカイジだったんだ……。

 いや、最終局面の結論がそれでいいのか!?

 もう脱線がヒドくなりそうなんでここで終わる。あとはPの話をしたくはあるのだが、最終回まで待った方がいいのかなぁ。常務とPの鏡合わせがどうなるかもあるし。

 しかしもう終わりまで一週間ないのか……特別編成になってからは本当に死刑執行が伸びて余生を過ごしている感覚。