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へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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【デレマス4thライブSSA感想】夢の先へ、3つのお城のその先へ

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 アイドルマスターシンデレラガールズ4thライブ「TriCastle Story」、神戸二日間、さいたまスーパーアリーナ二日間、計四公演の終了から一週間が経ちました。

 さすがに一週間も経つと世間はすっかりライブのその先を目指して動き出しているようで、この一週間だけでもライブでの「シンデレラガールズ劇場」アニメ化の発表を皮切りに、新CDの発売決定、デレラジ☆とデレパ特番でのライブ振り返り、10th記念フィギュア発表ニコ生配信、シンデレラ五周年イベント募集にデレステでの「だりなつ」新曲イベント開催にとまったく休まる暇もなく、「先へ先へ、夢の先へ」と五周年記念ソングで歌われたように突き進んでいます。

 で、ぶっちゃけ、その勢いに自分は未だに心身が追いつかない。

 完全に4thライブの内容が不意打ちで、頭を未だに切り替えられない。

 あの夢のお城に独り取り残された感覚で、死んだ目をしながらひたすらブリュンヒルデで千早ヴィーラさんを666回ぶん殴る日々……!!

 いや、実際のところ、本当はわかっていたはずなんだ、そもそも「4thライブ」なのに「3つのお城の物語」な時点で謎かけがされていて、4つめがある、そして4つめがある以上は3つめのお城は閉じられる、346城は少なくともしばらくは(3・4・6だから五周年は飛ばして再び動き出すとしても六周年?)お休みですと、「TriCastle Story」と言われた時点で察しなければいけなかった。

 そんなの予測できるか!!……などという言い訳はポエムを極めるべきシンデレラPにとっては甘え。

 

 

 しかし、頭の片隅で何となくその予想を立てながら、自分はそれに気づかないふりをして無邪気に346世界線、TVアニメの続きがあるものだと思い込もうとしていた。

 やるならTV1stと2ndを総集編映画にして新作と合わせて三部作だろうな。1stは「star!!」で未央の話、2ndが「shine!!」で卯月の話だったから、たぶん遣り残しとして一番大きな凛をメインにした話を完全新作でやってきれいに収まるんだろうな、とか色々と妄想はしていた。もしくはTV3rdシーズンを新規組をメインにやって、CP組は映画に回す両面作戦とか。とにかく少なくとも、TVアニメであれだけ苦労に苦労を重ねて丹念に作り上げた基盤をそう簡単には捨てないだろうと考えていた。

 あっさり捨てられた。

 潔いとしか言いようがないが、3rdライブ「シンデレラの舞踏会」での心残りを全て回収して、みんなで記念撮影して、さくっと「じゃ、次!! ここから先はFutureCastleです!!」と未来に連れていかれてしまった。

 その勢いに感動もしたし、納得せざるを得なかったし、勇気と希望を感じたのは間違いのないことで素晴らしい仕掛けだった。だったが、こっちを感傷に浸らせてもくれないんだなと、またすぐに新しい世界、新しいお仕事に邁進しろよお前らとせっつかれるんだなと、やはりアイマスってブラックなんじゃないかと今更ながらに思い至った次第。

 大体、あの「346Castle」と「FutureCastle」の繋ぎは常軌を逸していた。物理的には演者の衣装替えの時間稼ぎをしたかったんだと今ならわかるけど、こっちは休憩のタイミングもわからずノンストップで二つのライブに連続参加しているようなものなので、冗談でなく死人が出てもおかしくないくらい体力の限界に挑む荒行と化していた。

 いや、あの流れでアニメの名場面集がきたらBGMの「GOIN'!!!」熱唱するじゃん普通に。ああ、これはプロデューサー達が自分の力で魔法をかけることによってアニメのその先が拓けるという粋な演出なんだなと思うじゃん。まさかあれが唯一の休憩タイミングで、先は拓けたけどそこに待っていたのが「みくは自分を曲げないよ!!」だとは思わないじゃん……。

 誤解のないように一応書いておきますが、自分は4thSSA2日目の演出やセットリストやコンセプトに不満はない。特に前日の「BrandnewCastle」が期待値を大幅に上回る内容だったことを思うと、単に期待されたことをやるだけでは駄目で、多少の無理を押し通してでも未来を引き寄せるパワーを発揮してみせる必要があった。そういう、バランス調整や不満を摘み取る努力なんかよりも、今できることを全身全霊でやり切って判断は見た人に任せるという姿勢は非常にTVアニメっぽい、346プロっぽい、シンデレラプロジェクトっぽい。なので自分の好みには合致している。

 問題は、その自分好みのはずの展開に自分が完全に乗り遅れたという、要するに「老い、衰え」を感じてしまったことのショックを引きずっているわけです。ここから先はモバマス派どころかアニメ派ですら容易に老害となる新たなる戦場!! いやすでにデレステ派ですら分裂の兆しを見せ始めている今、思い出に浸っているだけの兵士は死あるのみ!!

 

 果たしてこの先、先の先へ、夢の先へ、ついていけるのか……?

 

 というわけで、ライブがどうこう以前に自分を見つめ直せ、いい加減人生とまともに向き合えという話になった。最高の夢を見せてもらったせいで、一週間悪夢に襲われた。

 全っ然、ライブ感想になってないので以降細かい点は箇条書き形式で。

 

■SSA1日目物販編

 

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・埼玉にはなんにもない、なんにもぉ……って言ってたのに、全然都会じゃん!! 何で!?

 

・この近未来都市な情景をフルグラフィックのキャラT着た人々が闊歩している様子は完全にSF。

 

・そして、チケットをご用意されていない下級市民はここを去らねばならず、ハイファイを積んだ選ばれた者達だけがSSAに吸い込まれていく光景は完全にディストピアSF。

 

・3rd幕張の時はLV会場が初めての場所だったこともあり別段そんなこと思わなかったんだけど、今回はLVが四連続で同じ場所で、さすがにさいたま新都心を去る際に、何でワシがここを追われねばならんのじゃ……またあの場所に戻されるのはイヤじゃ、イヤじゃああああ……ってなった。

 

・CD物販列は毎年確実に伸びていく。今回、一時的にグッズ列より長かったのでは?

 

・行列内のタブレット所有率が一年前より上がっていた印象。自分の小さな観測範囲だけなのであくまで印象だけど、デレステガチ勢は相当数タブレットに移行していると思う。

 

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・ちなみに限定CDは売り切れたものも含めて事後通販で無事に受注生産となったので、みんな買えるぞ。往復四時間かけて埼玉までいって並んだ意味まったくなかったぞ!! クリアファイルもらえたくらいか。

 

■SSA1日目けやきひろば&オフィシャルショップ編

 

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・これ見て、課金城への案内だと誰がわかるんだ……。

 

・課金城内部のPVは待ち時間ゼロで見られて助かった。PVよかったけど、できたら各コミック版の功績までしっかり紹介して欲しかった。

 

・けやきひろばに集結したP達、中心が大学生くらいなのは2ndの頃と同じだが、年数経って中心年齢層が変わっていないなら若返ってるってことなんだろうな。

 

・女性の数は明確に増えている。女性だけのグループで参加しているらしい人達がより多く目についたので、たぶん総数では倍々ゲームで増えているのでは。

 

・しかし新宿駅の巨大広告の時にも感じたのだが、女性Pの方が積極的にアイドルの写真撮るよね……。

 

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・今回、展示品は少なめでスタッフによる整理もかなり適当だった。横の一番くじ列の方が盛況だったくらい。

 

・3rdの時もまったく同じだったのだが、展示列は待ち時間に対して見学時間が短過ぎる(後ろに遠慮してゆっくりしていられない)ので、それこそ課金城のように入れ替え制にして欲しい。

 

・ぴにゃ出現時間とはタイミングが合わず……電車遅れたらLV会場まで戻れないスケジュールだったからね。

 

・アイマスオフィシャルショップは駅直結のモールの奥まった部屋にあって少し迷った。

 

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・ちょっと感動したのがこのタイムスタンプ。上の写真は3rd幕張の時ので下が今回展示されていたやつ。左のアイマス十周年のは同じもの。

 

・見てわかる通り、これタイムスタンプとして使えるようにケースも何もなく素で置いてあるんだよね。しかも入口付近のスタッフも誰もいないところに置いてある。なのに一年経ってこうしてきれいなまま無事でいるのは嬉しかった。

 

■SSA1日目「BrandnewCastle」

 

・個別衣装は訓練されたP達がパンフレットの「衣装協力・サイゲームス」表記からすでに予想していたのでそれほど驚きはなく。

 

・ただし、一部演者のコスプレを遥かに超えたキャラシンクロ率には驚きを通り越して戦慄すら覚えた。

 

・一番は青木志貴役の二宮飛鳥さんですが、LVだと髪の色が完全に白に見えて(実際は飛鳥に合わせていた)、もはやキャラ再現ではなく二宮飛鳥という概念(アイドル)が青木志貴という触媒(せいゆう)を通して受肉(フュージョン)することによりまったく新しい実存が獲得されたというか何というか、そんな感じ。

 

・他の人も、衣装の完成度の高さ以上にそれを身にまとった際の雰囲気の出し方が実に「それっぽい」のが、アイマスはあくまで役者の集団なんだと強く認識させられた。

 

・この雑多なメンバーを誰が先導してまとめるのか問題は、MCを持ち回り制にして最後に1stからの参加で最多ライブ経験者である桜咲千依が「アイマスですよアイマス」をやることで解決。

 

・全体的に金子有希、牧野由依、立花理香、鈴木絵理といった2ndからの参加組が「先輩格」として音頭を取っていて、そこに3rd組、神戸組、初参加組が上手く混じり合って新鮮ながら団結したチーム感が生まれていた。

 

・個別衣装のワチャワチャ感と合わせて、統一感がないようである、バラバラで尖った個性を持ちながらそれが合わさることで強くなる、シンデレラガールズらしさを見た目だけで表現していたのは見事。

 

・けど、この個別衣装を毎回やるのは大変過ぎるとも思うんだよなぁ。金銭面でも演者とスタッフの負担の面でも。あくまで今回は「入学式」だから人生に一度だけのおめかしをしていると考えればよさそうだが、今回出られなかった人に不公平じゃないかという問題も。

 

・歌の演出は、3rdと比べると正統派。

 

・初のソロ曲披露で余計なことをせず真っ向勝負をさせていたのは、相変わらず度胸あるなと思いつつ、それに応えられるだけの人材を集めたのだという自信も見えた。

 

・「共鳴世界の存在論」「秘密のトワレ」「RadioHappy」の圧倒的な完成度と、「恋のHamburg」「lilactime」「恋色エナジー」の芝居を交えつつのキュートさ(相葉ちゃんパッションだけど)の対比もシンデレラの多様性が象徴されていた。

 

・にしても「秘密のトワレ」の「ごめんね……」って、最後の理性の表現ではなく、本当に狂いきっていることの表現だったのか!! ライブで解釈が変わるのは面白いなー。

 

・個人的に今回MVPだと思ったのは鈴木絵理。ユッコのあの赤ジャケ衣装が、お笑い感もありつつしっかり可愛く見えるのは演者とキャラの相性のよさだと改めて感じた。

 

・「Flip Flop」でパッショントレイン組んだ際の、一人だけ背が低くてポニーテールだけが他の人の頭部の位置でぴょこぴょこ跳ねているのが、恐ろしいまでに堀裕子。

 

・そしてSSA1日目最大の仕事、輿水幸子サイキック召喚!!!!

 

■SSA1日目サプライズ編

 

・何気にユッコのサイキックと幸子の組み合わせはアニメ最終回再現だったりする。

 

・そういう意味で輿水幸子&竹達彩奈の存在は「Brandnew」であると同時に「346」の遣り残し回収でもある。コンセプトを考えると実は絶対に必要な人だった。

 

・ただ、長年シンデレラガールズを見守り続けていた人ほど竹達彩奈の登場はないと思い込んでしまっていた傾向があり、これを事前に予想するのはほぼ不可能。

 

・なので、あらゆる可能性に備えるべきという理想はそうなんだが、こと今回の竹達彩奈に限っては無理なものは無理。一瞬だけミュウが出たみたいなもの。実装されてるのかどうかも不明だったのに!!

 

・実際、自分もLV会場も、恐らく現地も曲が流れ出してもまったく反応できなかったからなぁ……キュート曲だということまでは脳が理解してピンクリウムを用意したはいいが、これ誰の曲だっけ、と戸惑いが広がっていた。

 

・なので竹達彩奈の姿と名前が表示された際には、喜びや驚きというよりも、「あ、竹達だ。竹達アリなんだ……竹達アリなんだ!? 竹達!? 竹達アリなの!? え、竹達!? だって竹達……竹達!? え、竹達!? だって(そのまま曲が終わる)」

 

・個人的に少し落ち着いて、竹達彩奈の登場の意味と喜びを噛み締められたのは次の「Near to You」になってからだった。センター幸子!! カワイイボクと仲間達!! 友達いっぱいだ……よかったな幸子、よかったな!!

 

・かつて「142's」といった特定の組み合わせ以外では幸子が他のアイドルと絡まない時期が続いたことがあり、それが竹達彩奈の不在とイメージが被っていたこともあり、アニメで「KBYD」が誕生してここで揃った(アニメアフレコでも揃ってなかったらしい)という事実があり、何か諸々の輿水幸子と竹達彩奈を巡るシンデレラガールズの歴史が一気にここで動いて報われた感慨があった。

 

・最後の挨拶で、「感謝を伝えられてよかった」と言っていたのが印象的。そしてドヤ顔で立ち位置を間違える。

 

・もう一人の1日目サプライズは久野美咲。

 

・幸子がきたからもうサプライズ枠はないだろうと油断させ、直前の「Tulip」と「純情Midnight伝説」で不在の美嘉&夏樹をCGで表現する神戸演出を逆手に取った仕掛けまでしてからの、仁奈!!

 

・面白かったのは、現地もそうだったらしいのだがLV会場でも「久野美咲」の名前が出た瞬間よりも、久野美咲があの声で歌い出した瞬間の歓声の方が断然強かったこと。

 

・あの、「あ、本物だ!!」という体感は声優のご本人登場番組のようだった。久野美咲だけは本当に初ステージ、初の市原仁奈モード披露だったので「声優」のままで歌い出していた。それが歌っているうちに急速に仁奈になっていく。

 

・今井麻夏と春瀬なつみに引っ張られていた「ハイファイデイズ」が終わって、「みんなのきもち」に入ってからはすでに仁奈。会場全体掴んで動物園のきもちにするですよー。

 

・「Brandnew Castle」は新人のお披露目の場だと思っていたが、実際には「メンバーが変わってもシンデレラであることは変わらない」と証明する場だった。

 

・基本的にいつもの定番曲(四公演やってアタポンもオレサファもない!!)を避け、一度披露したソロ曲は複数人体制にするなど変化をつけていくなかで、ある意味これがもっとも挑戦的なサプライズだったのかも知れないと思うのが、「Absolute Nine」「Hotel Moonside」「in fact」という3rdとまったく同じ構成だった三曲。

 

・「アブナイ」はオリジナルメンバー四人によって3rdクローネ組の圧倒的パフォーマンスに対抗してみせる。「ホテムン」は更に進化したステージ&ダンサー演出と三人体制への増強で、あれが一度だけのマグレではなく継続的に可能であることを見せつける。そして「in fact」。

 

・そのまんま、3rdとまったく同じにソロで歌う!!

 

・その歌の内容、パフォーマンスレベルだけで一年間の成長を示す。だから何で佐藤亜美菜にだけそんな無茶振りすんの!?

 

・だが、その無茶振りには完璧に応えていた。一年前の消え入るような「in fact」から、頼もしく強く変わった「in fact」へ。歌の表情が豊かになるってこういうことかと、3rdの際に元石原さんが駄目出ししていたライブ感とはこういうことかと感心。

 

・現ウマ原さんが残した宿題をこれで全て終えた、と言っていいのかも知れない。そりゃ周子もプリン食いながら泣くよ。

 

■SSA2日目「346Castle」

 

・2日目のコンセプト解釈は冒頭に書いたのでライブ内容に限って書く。

 

・アニメ曲の連発は、今だから「これで歌い納め」なのがわかるけど、聞いている当時はえらい詰め込んでくるなと少々面食らった。

 

・待望のラブライカが最後にラブランコになるのも、それは次の機会を待ってもよかったのではと呑気なこと考えていた。次なんてない、ないんだよ……!!

 

・なので本当に今思い返すと、なのだが、演者の気合いとか、一曲ごとの熱の入れようが確かに何か違っていた。大切に、惜しむように歌っていた……気がする。ああ、もっと早く色々と察してちゃんと見ておくべきだった!!

 

・ソロ一曲目が入らなかったのも、不満といえば不満ではあるけど、こちらはまだ歌う機会はいくらでもあるってことなんだろうな。

 

・内田真礼は久々の蘭子憑依だったが、衣装と相俟ってシンクロ度は他の追随を許さない。1日目から超ハイレベルな憑依芸が連発されているのに、それでも内田真礼は別格だと感じる。……このあと出てきたもう一人の別格を除いては。

 

・「ØωØver!! 」のハートビートバージョンは3rdから聞きたかったので嬉しかった。これも恐らく最初で最後……そして成層圏を突き抜ける未来へ。

 

・待望の「Trancing Pulse」だが、渕上舞が加わるとほとんど3rdの時とは別物。ただ目立つのは加蓮ではなくて、加蓮がいることで凛と奈緒のリミッターが外れる。歌っていて、二人が渕上舞&北条加蓮の存在に安心しきっているのが伝わる。

 

・特に松井恵理子の声の伸びは圧巻で、声量オバケと言われる福原綾香を上回るほど声が出ていた。あれはこの三人で合わせないと出せないレベルの声量なのでは。

 

・だが、このトライアドプリムスはラスボス前の前哨戦に過ぎなかったのだ……!!

 

■SSA2日目サプライズ編

 

・早見沙織、降臨!!!!

 

・前日までのサプライズ連発で、予想はされていた。自身のソロツアーの合間を縫ってこの一日だけSSAに登場することは、物理的には可能であると。

 

・しかし、物理的に可能であることと実現性は別の話で、正直自分は無理だろうと思っていた。たとえ駆けつけられたとしても、高垣楓としての充分なパフォーマンスができるはずがなかろうと。

 

・あの荘厳なイントロが流れ出し、現地やLV会場が緑に染まっていくさなかにも、いやいや無理だろ、こないだろ、きたとしてもそんなに高垣楓として――。

 

・楓さんだああああああああああああああああああああああああ!!!!! 楓さんいるうううううううううううううううう!!!!!!! 誰がどう見てもどっからどう見ても完全無欠にパーフェクト高垣楓だああああああああああああ!!!!! うぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!

 

・あの、高垣楓の緑ドレスを身につけた早見沙織が現れた際の衝撃を、どのように表現したら追いつくものか。今まで散々、個別衣装でキャラそのものにしか見えない演者の皆さんを見てきて、絶対にあり得ないはずだった竹達彩奈も見て、それでもなお全てを超えてくるほどに衝撃的だった。だって高垣楓なんだもん。真似してるとか演じてるとかそんな次元じゃないもん。あれは楓さん。

 

・神戸の際に、CGと声優の境界を曖昧いしていくことで2.5次元の新たな可能性を模索しているのではとか何とか書いた記憶がありますが、浅はかでした。完璧な声優と、完璧な演出と、完璧な歌があれば、CGだのVRだのそんな文明の利器は必要ないのだ。次元の壁を超えるのはいつだって舞台の上に立つ人なのだ!!

 

・ソシャゲ原作の声優ライブを見ていたはずなのに、最高峰のオペラやミュージカルってこんな気持ちになるものなのかな……などと恐ろしい比較対象を持ち出しそうになる。実際、このまま進化していくと行き着く場所はそういう場所だぞ。五年、十年、二十年、百年、もっともっと続いていけば、いずれはそういうものになる。今、見ているのはその萌芽なのか。

 

・というか、そもそも芸能の原点、歌劇がハイソなものになる以前には誰もが知っている神話の神々や伝説上の人物を役者が演じ踊って、それを見た人々はそこに神様やまったくの別人の実存を感じ取って熱狂していたはずで、つまりは2.5次元を突き詰めていくと芸能の原初に立ち返っていくのでは……???

 

・まあともかく、言葉をいくら重ねても足りないので、早見沙織には感謝しかないという話。25歳、ついに楓さんの年齢に追いついて、アーティストデビューどころか作詞作曲にまで才能を発揮して、ここ一年ほどの間に劇的に輝きを増した。そういう人が今回だけは特別だと、高垣楓とシンデレラガールズのためにきてくれたんだとしたらこんなに応援冥利に尽きることはない。

 

・で、早見沙織がそんな想いで駆けつけてくれたからなのか、東山奈央まできてくれた!!!!

 

・「こいかぜ」からの「Nocturne」はさすがに脳が一瞬止まった。そこまでするか。今回の東山奈央はほぼこの一曲のために、もっと言うと早見沙織のためだけにきてくれたわけで、その事実だけでこのサプライズの重みがわかる。

 

・ついでに言うと「Nocturne」一曲のためだけに川島さんの個別衣装を作っているので、さすがにこだわりが執念や狂気を感じるレベルに達している。

 

・四公演通じて、終わってみれば全てのサプライズには必然性があり、四公演・4つのお城を繋げる魔法こそがサプライズだったとも言える。

 

・早見沙織と東山奈央を呼び、わざわざ出演者に武内駿輔の名前を加えていたことが演出上は要するに「着替えの時間稼ぎ」だったことからしてもそれはわかる。全てはシンデレラの時計のために。12時を過ぎても解けない魔法のために。

 

■SSA2日目「FutureCastle」

 

・そして訪れた未来に、休憩時間はいらない!!

 

・いや。死ぬ。死ぬから。こっちはHPもMPも無駄に全消費してるから!!

 

・ 演者も揃ってこの瞬間のために並々ならぬ努力を重ね、命懸けの覚悟を持って挑んでいたようだが、見守る方も同じくらい命懸けだった。

 

・城ヶ崎姉妹の新曲は超楽しみにしてたけど、パッション連続だからね!? しかもテンションのアガり具合が二曲で別系統なので、これだけで残りの生命力ほぼ出し尽くした。

 

・しかし、佳村はるかが素顔のLOVEで文句なしのカリスマオーラを発するようになったのに対して、山本希望が努力と根性でSUPERなLOVEを獲得していくの、城ヶ崎姉妹のより本質的な関係性に踏み込んできたようでとても興味深い。単純に仲がいいだけの姉妹ではないんだよ。そこを生身で、演技を超えた生の肉体と関係性で表現できるようになるとは……。

 

・「おかしな国のお菓子屋さん」は、過酷な未来で一服の清涼剤……もといレモンケーキのような存在だった。いや、座れはしないし余計に喉は乾いたけど。

 

・曲からしてライブで大坪由佳を踊らせて食わす!! と明確な意図を持って設計されていたので演出内容に驚きはしなかったが、異様な完成度を誇る小芝居には現時点での「シンデレラガールズ楽曲らしさ」の集大成を見た思い。

 

・こんなふざけた(褒め言葉)曲をSSAで披露できるのは現状、三村かな子&大坪由佳しかいない。ぶっちゃけ朗読しながらケーキ食ってるだけにしか見えないんだけど、立ち位置やケーキ崩さないように移動するテクニックなど色々と苦労もあるらしい。

 

・「FutureCastle」では影の薄くなってしまったアナスタシア&上坂すみれを王子様役で起用してくれたのも嬉しい配慮。「Nebula sky」で窮屈なお城から飛び立とうとするお姫様のようだったアナスタシアが未来で王子様になっているのは偶然だろうけどちょっとドラマティック。

 

・あと、謎だった「メレンゲうさぎ」の正体がわかってすっきりした。ウサミン星人ではなく杏のぬいぐるみの親戚なのか?

 

・みくりーな新曲は、どちらも息継ぎ殺し。二周目ソロは基本的に人間がライブで歌えるように作ってないのではないか?

 

・青木瑠璃子はそれでもいつも通り涼しい顔を崩さず歌い切っていて、李衣菜のCool属性を支えていた。トワスカもそうだがあの爽やかな青春ソングをCuteでもPassionでもなくCoolに、しかし情感豊かに歌い切るのって実は大変なことなはずで、その辺りの大変さを感じさせないのも見事。

 

・「ニャンスペ」はウサミンチャレンジのネタを拝借しながらも乗り切った。たぶん実力だけで成立させることは可能だったのだろうが、そこはバラエティ色を加えて保険をかけつつ曲のエンタメ感を増す仕掛け。

 

・この曲を歌い切ること自体がエンタメになるという点では、やはり「メルヘンデビュー」の後継になり得る存在であるし、高森奈津美がいるのに歌わなれなくてもそれはそれで面白い結構ズルい曲になっていくと思う。

 

・そしてNGs。切り込み隊長は「ステップ!」。

 

・未央曲は「ミツボシ」に始まって、どんなに元気に歌っていても不思議と泣きのツボをついてくる浪花節なところがあり、アニメでもその点は超強化されていたのだが、「ステップ!」はそこを軽やかに乗り越えてひたすら楽しい、幸せなニュアンス。

 

・ただ、未央曲がひたすら楽しいだけで、原紗友里が軽やかにステップ刻んでいるだけで、それはそれで別の泣きツボを刺激してくるのは間違いない……。二周目ソロ効果。

 

・NGs二人目。ここで「Anemone Star」。

 

・曲調だけを考えると最後に「アネモネ」を持ってくる方が妥当で、実際に卯月で始まって凛で終わるセットリストも過去にはある。なのに未央→凛→卯月の順番にしているのは「FutureCastle」の謎かけの一つ。

 

・ヒントは最後の福原綾香の「新曲を歌うに当たってアニメ全話見直した」発言にあって、福原綾香は「アネモネ」をアニメ凛の延長線上、直接的な未来像として考えている。渋谷凛は脇目も振らず直進していくキャラだからそれでいい。たとえ世界が変わっても渋谷凛は変わらず真っ直ぐに成長していく。

 

・で、これを「FutureCastle」の新曲ソロラッシュ最後に配置すると、未来はアニメの延長線上にあるというメッセージが強くなる。だがそれは避けた。各キャラはモバマス、アニメ、デレステ、その他のあらゆる世界を通過するたびに「強くてニューゲーム」、経験値は累積していくのだが、キャラを取り巻く世界の方は同じではいけないのだ。アイドルを取り巻く世界は常に刷新されなければならない。「強くてニューゲーム」を繰り返し際限なくレベルを上げていくアイドル達に相応しい舞台を、その都度創造し続けなければならない。

 

・そこで最後に島村卯月&大橋彩香で「はにかみdays」。

 

・四公演通して個人的に一番困惑した。聞いていて、最初は意味がわからなかった。

 

・卯月の声に聞こえない!! 最初、LVの音響が悪いのか、キーを上げ過ぎてマイクが音割れしてるのか、と疑ったがそうじゃない。大橋彩香は敢えて今までの島村卯月とは違う歌い方をしている。四年間演じ続けて、凄まじい完成度に到達した「今までの島村卯月」を脱却してまったく新しい島村卯月を生み出そうとしている。

 

・元々CDの時点で「はにかみdays」は跳ねる高音で、大橋彩香が出せる「可愛い」の限界に挑むような歌い方をしていた。けど、ライブでここまで印象が変わるとは思ってもみなかった。

 

・しかし聞いているうちに気づく。気づいてしまう。あ、違う。むしろこっちが「本来の」島村卯月だったのではないのか? CDデビュー時点での「S(mile)ING!」はこういう路線ではなかったか? それが、大橋彩香が成長するうちに少しずつ変わっていって、その変わっていった要素をアニメで逆輸入することで大橋彩香と島村卯月の歌は融合を果たし、奇跡のような高みに至った。

 

・だがそれは、島村卯月が本来持っていた可能性を一つ、潰していたのではないのか……?

 

・Re:島村卯月。だからもう一度、最初からやり直す。これまでの経験や、選んだ選択肢を全て覚えたうえで、最初からルートを選び直す。スマイリングの次に、はにかみ。ただ満面の笑みでダブルピースするだけではない新しい島村卯月、そんな卯月が生きていく新しい世界、この先に広がっているのはそんな未来。

 

・というわけで…………ここで実感として、アニメ終わったんだな、と頭ではなく心で理解できたし、アニメどころかモバマスもデレステも過去になっていく、過去にしていくつもりなんだなとはっきりした。先へ先へ、夢の先へ。

 

・仲間が増えるたびに叶う願いも増えていくし、永遠に続いていくことを誓ってもくれているわけだけど……今だけはもう少し、卒業写真を眺めていたい。

 

■アイドルマスターシンデレラガールズ4thライブ「TriCastle Story」総括

 

・今回のライブが何故「特別」だったのかについては、シンデレラだけではなく他のアイマスコンテンツの動きも加味して考える必要がある。

 

・来年からは三ヶ月連続で765・SideM・ミリオンライブの出番となる。ここで特徴的なのが、他はみんな「全員集める」をコンセプトに掲げていること。

 

・765は久々に13人揃うし、SideMはついこの間声優発表された新ユニットまで含めて全ユニット参加(松岡くんだけぼっち)、そしてミリオンは種田梨沙の休養という心配はあるもののついに待望の「手作りのぶどーかん」が実現する。

 

・この流れのなかで、シンデレラだけがいつまでも「出られる人だけ出ればいい」などとは言っていられないのだろう。

 

・元石原Dの「演者に過度な負担をかけない」「本業である声優業の邪魔をしない」というコンセプトは素晴らしいと今でも思う。特に声優があとから続々と入ってくるシンデレラにおいては、これが敷居の低さとなって様々な才能を呼び込む結果を生んだ。

 

・逆説的な話だが、もし「ライブを優先する必要はない」と言っていなかったら、恐らく今回のライブには牧野由依も竹達彩奈も早見沙織もいなかったはずなのだ。

 

・いや、そもそも五十嵐裕美と佳村はるかが入ってこない。高森奈津美だって怪しい。それくらい、現在のシンデレラが雑多で多様な生態系を獲得できたのは偶然の産物に過ぎない。

 

・しかし、その偶然に頼った拡大期はいよいよ過ぎて、ここからは計画的に、用意周到に今まで以上の拡大路線を推し進める必要がある。

 

・難曲と個別衣装で演者の負担は増えた、無茶なスケジュールでも手を尽くしてサプライズ出演を実現させた、無理はせず赤字を出さないようにライブを続けていこうとする保守的な態度から、攻勢に転じた。

 

・攻める。そう、たぶん今回が特別に感じられたのはニューフェイスの「入学式」、アニメ組の「卒業式&同窓会」といったイベントとしての特別さだけでなく、ライブに対する意識や姿勢の問題が大きいのだと思う。

 

・これ以上、先に何が待っているのかもう予想もつかないが、このまま頂点を極めてあとは萎んでいくだけなんて、そんなことは許されない。もっと素敵な何かが待っていると信じて走るしかない。

 

・脱落する人も出るだろう、遅れる人もいる、一緒に走れば肩がぶつかって揉めることもある、それでもここで立ち止まって満足して終わりなんて、あり得ない。

 

・アイマス十一年目、シンデレラガールズ五年目で、はいここからがスタートですと言われているわけですね。普通、どんな人気コンテンツも大体五年で終息するのは常識なんですけどね……。

 

・さしあたっては「シンデレラガールズ劇場」アニメ化。外伝チックに見えるがこれこそがモバマスからの正伝、本家本元なので扱いは非常に難しい。

 

・だが、これを通じてモバマスからのキャラ同士の関係性、定番ネタを改めて新規に伝えるいい機会になるのは間違いない。デレステが二年目に入りモバマスからの定番ユニットを取り上げているのも同じ意図で、まずは「過去資産を掘り起こす」のだろう。

 

・モバマスからの伝統、アニメで育てた地力、そしてデレステから生まれた「LiPPS」や「炎陣」といった新たな可能性、それらを統合した時こそ真の「シンデレラガールズ」が姿を現す。

 

・そう、まだ半分も声がついてないんだからな……シンデレラガールズは潜在能力の50%も発揮してない、あと変身を二回も三回も残している!!

 

・あとは、最大最高のライバルとしてミリオンがいつ動くのか。記事に悩んでいたせいでシンデレラ4thの感覚を引きずったまま一週間後のニコ生でのミリオン1st2日目配信を見ることになったが、ライブとしての規模も内容も全然違うのにやっぱりミリオンの方が「正統」で「本物」なんだという意識は強烈に残った。

 

・シンデレラがどれほど多様な人材を集め、金持ってて、新しくて楽しいことを次々に提供して大量のユーザーを喜ばせたとしても、そんなものは「正統で絶対的な才能」の前にはイロモノとして一瞬で消し飛ばされかねないんだって危機感は常に持ってなきゃいけない。

 

・対立ではなく、緊張感をリスペクトとともに持っていることがシンデレラの強みにもなるわけで。765を追って、ミリオンに追われて、SideMが横で急激に育っていくのを感じ取って、それがシンデレラガールズにとってどれほど恵まれた環境であることか!!

 

・なので、いい気にならずに謙虚に頑張りましょう。特にサイゲ。

 

・最後に……未練がましいがそれでもTVアニメの「夢の先」はあるのかどうか。

 

・765の先例に倣えばアニマス後に一旦「ぷちます」を挟んで劇場版だったので、流れ的には「シンデレラガールズ劇場」を挟むのは合ってる。まだアニメ世界線で劇場版をやる可能性は残る。それこそ最初に書いたように、六周年以降にでも。

 

・ただ、ここでも重要なのはミリオンが動くのかどうかで、さすがにミリオンと同時展開はできないだろうからそこは武道館での発表を待つしかない。

 

・ついでに言うと、自分が劇場版で本当に見たいのは「凛VS千早・静香」なんだよなぁ。凛をメインに描くなら目標が必要で、仲間である楓さんや奏よりは千早と静香の方が絶対いい。それこそ、千早を追いかけているつもりがいつの間にか物凄い勢いで静香に追い抜かれて……というシンデレラガールズの立場を模した展開もできるし。その裏で卯月と春香さんが仲良くなってず~っと長電話してるとか、未央が覚醒美希に瞬殺されるとか、バネPのハリウッド仕込みのテクに武内Pが屈するとか、そういうの見たい。

 

・繰り返しますが、そういう妄想を実現するにも765とミリオンの今後次第。デレステにコラボ楽曲がくるにしたって並び立ってないと角が立つし。

 

・結局、シンデレラに限ればあと一年ほどは充電期間。シンデレラガールズ劇場で新規ボイスがどれだけ増えるか、それをコロムビアがCD展開で支えられるか、モバマス&デレステでの連動を早められるのか……あ、全然充電じゃないなこれ、やること盛り沢山だ。

 

・それにしても……「Brandnew Castle」での開幕挨拶を務めた新たな四人といい最年少の新田ひよりといい、今回のライブ見て夢に溢れた反応をしているのはとてもいいなと思った。シンデレラストーリーは終わらない。