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ゾイドジェネシス #50(終)

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死闘!!


ほぼ後日談なども含めない全編ゾイドバトルの最終回!!
尺が足りなくなったとか、通常作画より気合入れたCGの方が
まだ作り込める余裕があったんじゃないかとか、
ミもフタもないような考えもちらっと頭をよぎったりするのだけど、
しかしこれは恐らく、敢えてこういう構成を取ったのだと思う。
どちらかというとキャラ人気優先で、肝心のゾイドの売り上げには
あまり貢献出来なかったこの作品の、ゾイドアニメとしての
最後の意地というか、「主役はゾイドなんだ」という魂の叫びを感じた。
とにかくバトル描写のほとんどが、
「いかにゾイドをカッコ良く魅せるか」ということに特化している。
ソウルタイガーの閃光のような動き、
撃墜されエヴァ弐号機のように啄ばまれるレインボージャーク
全てを破壊する腕の封印を解き戦場を駆けるデッドリーコング
コナゴナに破壊されながらも抵抗するランスタッグ
そして二振りの刀を光の翼のように広げ飛び立つムゲンライガー!!
この作品は、ゾイドを生物ではなくあくまで発掘兵器として
扱っていたことに少し不満があったのだが、
最後の最後に、兵器として壮絶に大破していくゾイド達と
それに想いを重ねるゾイド乗りの姿を描くことで、
逆説的にゾイドの生物性を表現出来ていたように思う。
ムラサメライガーが、ゾイドに乗れないルージの願いを聞いたこと、
強い再生能力を秘めていることなどがラストで明かされるのも上手かった。
デッドリーコングの棺桶の中身まで明かしたラスト付近の
怒涛の伏線回収はそれだけでとてつもない熱を生み出していた。
キャラの方も、決しておざなりにされたわけではなく、
最小限の描写で最大限の効果を上げるよう演出がなされていた。
ミィを救う為にティラノに立ち向かうソウタ→ソウタを認識して
笑うジーン→ソウタを助けにフェルミ登場→フェルミ撃墜にソウタ涙、
という冒頭の一連のシーンは、結構複雑なこの辺の人間関係を
一挙に解消していて見事だった。フェルミあっけなかったけど。
他にも、コトナの危機に激昂するガラガ、
ボクごと斬れとルージに叫ぶロンなど、
最近の展開で忘れられていたようなキャラ同士の関係も
ちゃんと補完されていたのは丁寧だったなー。
あと、ちゃんとコトナのエロ絵と喘ぎ声にだけは
異様に力入れてるのもよくわかっているいい仕事だった。
後日談はなかったけど、OP映像を決着シーンで使ったり、
初代EDの走るムラサメライガーの映像を、
ルージが村に帰還する際のものとして転用したりといった仕掛けは
非常に面白くて、色々と余韻に浸らせてくれた。
最終的には、ムラサメのコアを解析して
ジェネレーターの修理は出来ましたというオチだったわけかな。
そしてジェネレーターとソラノヒトの知識があれば、
産業革命も遠くはないであろうと。
後日談がないといっても、それはファンサービスがないだけであって、
話としてはこれ以上ないほどきれいにまとまってはいる。


一年通じての感想としては、
初期から脚本・構成の丁寧さには目を見張るものがあったが、
いかんせん作画に恵まれていないことが多く、
肝心のゾイドCGも旧作と変わり映えのしないものだった。
それが半年過ぎた段階から、劇的に変化。
衝撃のレミコトプロモーション!!
助っ人と思われた沼田誠也がまさかの総作監就任!!
一体何があったんだとばかりにこだわりを増し続けるゾイドバトル!!
本当に、沼田誠也投入に代表されるテコ入れ策が
ことごとく功を奏して、後半からは一話たりとて
見逃すことの出来ない素晴らしいクオリティーを維持し続けた。
単に毎回作画がいいとか、話が面白いというのではなく、
毎回何をしでかすかわからないという期待感があった。
実際、ゲオルグロボとかとんでもないもの出てきたし・・・。
一年間、これだけ波乱万丈に魅力を発してくれた作品は、
近年そうはない。とにかく一年間、心底楽しませてもらいました。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。