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甲虫王者ムシキング〜森の民の伝説〜 #52(終)

甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~ 14 [DVD]
アダーの猛攻を防ぎ切り、森の命を再生させ、
最後には自らアダーとともに空へ旅立つことを決めた救いの女神セラン。
ありがとうセラン!! さようならセラン!! キミの勇姿を忘れない!!
・・・メインヒロインの座どころか、主人公の座と最強の座すら
セランが持っていってしまった。ムシキング見せ場ねえー。
っていうか、あの青いヘルクレスは最後どこ行ったんだ!?
しかし、セランを便利に使い過ぎているという点を除けば、
納得のいく結末ではあった。アダーが何故あそこまで旅立つことに
こだわっていたのかという説明は欲しかったけど。
アダーは森で何を見てきたの? という質問に答えてくれればなぁ。
本編で全員がセランに出番を奪われた代わりだったのが、
エピローグは各キャラたっぷりと見所が与えられていて楽しかった。
「結局自分が何者でもないことがわかっただけでも良かった」という、
全てを失ったソーマの呟きが重くてやるせなくて好きだったんだけど、
ラストでチョーク復活したのか? 幻のようにも見えたけど。
パサーは最後まで渋さとエキセントリックさが絶妙に合わさっていて
魅力的だったなー。「生きろよぉ!!」はまさにメインテーマ。
で、セランに完全に食われたように見えたパムは、
最後の最後でまさかの押しかけ女房化!!
「だめかな?」が萌え度高過ぎてどうしようかと思った・・・。
チビキングも記憶をなくした状態で戻ってきたけど、
あれ親父の子供時代の精神なんだよなー。ポポ母はどう対応するんだろう?
むしろ若いチビキングとイチャイチャ出来て幸せなのか?


一年間通じては、まずあれだけヒットしているゲームを原作に、
こんな濃過ぎる設定&ストーリーを作ってしまったスタッフと、
それを許可したセガがいろんな意味で凄かった。
特に序盤の、命の重みや世界の不条理を生々しく描写していく
展開の数々には本当にとんでもない傑作になる予感を覚えさせられた。
ただ、中盤からいきなりSF色が増し、
ソーマの裏切りと家族関係の話がメインになってからは、
多少流れに滞りが起こってしまいダレてしまった。
テーマが多岐に渡り過ぎて焦点が絞りきれなかった印象。
テーマの一つ一つは非常に興味深かっただけに勿体ない。
しかし、それでも高いクオリティーを維持し続けた脚本&作画、
声優陣の魅力的な演技など、充分名作の水準はクリアしていた。
この作品が子供達にどれだけ受け入れられたのかはわからないが、
ともかくこれを観てもらえた、これを観せるという意志を伝えられただけで
価値はあったんだと思う。今という時代に必要とされた作品だった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。