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無限のリヴァイアス

無限のリヴァイアス サウンドリニューアルBOX [DVD]無限のリヴァイアス Song Collection
サウンドリニューアル版のDVD−BOXは10月27日発売、
その二日前の25日にソングコレクションCDが出る模様。


さて、リヴァイアスですよ。
この作品に関してはもう語りたいことが山のようにあり過ぎて
とてもまとまりはしないので、要点を絞って書く。
なので初体験が殺人宗教女だとか丹下桜の「見ないでぇぇー!!」とか
僅か2カットで視聴者を鬱のドン底に叩き込んだミシェル監禁描写とか
そういう良く語られる部分はカット・・・って結局語ってるけど。
しかし寄りにも寄って丹下桜と当時売り出し真っ最中の堀江由衣
レイプ被害者キャラ当てるなんて今考えると凄過ぎる・・・。


まず、当時この作品がどのように視聴されていたのかという
時代の気分を思い出してみる。
この作品は99年〜00年という世紀末真っ盛りの放送だったが、
アニメ界としてもエヴァブームが収束に向かいつつあり、
次は何かと待ち望まれていたような空気があったと記憶している。
そこで注目されていたものの一つが「新世代脚本家」黒田洋介の存在で、
この作品も最初は「黒田がエヴァっぽいの作る」という
認識で捉えられ、期待されていた。
アニメ誌などの宣伝はもとより、ネット上においても
リヴァイアスと黒田はほぼセットであり、
作中で何が起こってもまずは「黒田やりやがったな」と言われる。
今でこそ監督の谷口悟朗、キャラデザの平井久司も名を上げたが、
当時は本当に黒田洋介一色で、監督の話題なんて皆無だった。
個人的にはJSAT版ワンピースで谷口悟朗に注目していたので、
TV版ワンピースをやってくれずに谷口悟朗
エヴァ系作品を始めたことに違和感を持っていて
(ちなみにTV版ワンピも同時期同日に放送開始)、
この作品の強烈過ぎる設定や展開は大部分黒田洋介のせいで、
谷口悟朗は嫌々やってるんじゃないかとちょっと思っていた。
それが知らぬが仏の勘違いだったことは、
不覚にも最終回後のインタビュー記事まで気付かなかった。
イクミの、作中の流れだけではとてもわからないような過去について
谷口悟朗が語っていたコメント、確か「だってあんなに
平和に拘る奴がまともな過去持ってるわけないないじゃないですか」
というようなミもフタもない内容だったと思う。
これで、主犯は黒田ではなく谷口だったんだとわかって
結構ショックだった・・・。
というかイクミの過去の詳しいこと、最近出来た公式ページで
ようやくはっきりわかったよ。夕方六時に出す設定か!!
作品内容については、とにかく鬱展開のジェットコースターで
視聴者は選ぶが一度ハマると抜け出せない凄まじい吸引力があった。
艦内の権力構図が次々入れ替わっていく展開、
数え切れないほどのキャラ一人一人の様子を手際良く描写する構成、
極限状態で感情を爆発させながら進行するドラマ、
どれもこれもあまりにも濃かった。濃過ぎて胃にもたれた。
それゆえに、放送中は相当な話題作だったのだが、
何故か最終回以後ぱたっと話題が途絶えた。
最大の原因は、それほどまでに濃かったにも関わらず
最終回があっさりハッピーエンドっぽくなっちゃったことへの
不満であったのだろうと思う。
あれはあれでまあ、わからなくはないラストなんだけど、
そこに至るまでのテンションが高過ぎたゆえに失敗だった。
刹那的な、痛い十代の青春のようなあの盛り上がり方は、
作品のテーマには合致していたのだろうけどなぁ・・・。


それから、ほぼ同スタッフによるスクライドが作られ、
このスタッフの代表作はそっちへと移り、
その後の各スタッフの活躍は言うまでもなし。
結果としてリヴァイアスの存在感は薄れていってしまった。
しかし今になって思い返せば、リヴァイアスが挑んだ多くのテーマが
その後の作品に引き継がれているのがわかる。
一番わかりやすいのは主義主張の異なる二人の男の激突というテーマ。
これは現在のコードギアスに至るまで、
谷口作品において完全に一貫している。
ただ、スクライドプラネテスガン×ソードにおいては、
結局「二人ともバカ」という決着点に向かってしまっていたので、
リヴァイアス最終回で遣り残された本当に極限の対立、
どちらが正しいと言えるはずもない対立に
それでも決着をつけなければならないという問題については
今回のコードギアスが久々にそれを問い直せる題材になりそうではある。
というわけで、この時期にリヴァイアス
再び脚光を浴びるのは非常に意義深いと。
あ、何か上手く繋がった? そうでもないか?
ともかく「なんなんだよもー!!」ってことで。