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天保異聞妖奇士 #25(終)

天保異聞 妖奇士 あやかしあやし 三 [DVD]
本拠地の神社で西の者との最終決戦。
しがない中間管理職としての立場を思い知らされながらも、
奇士としての気概を見せてついにはカイザーナックルを
装備してしまう小笠原さんのドラマがほとんどを占めていて、
アトルとユキさんのドラマは本当に最後の締めという感じだった。
幕臣と奇士という、確かなものと不確かなものの中間にいた
小笠原さんこそが作品構造的には真の主人公だったのかな。
アトルとユキさんの話は、何だか四十間近の駄目中年が
「オレを慰めてください!!」と少女に援交申し込んでるようで、
あまり感動的にも美しくも見えなかったなぁ・・・。
ユキさんの方がアトルを必要としているというのは、
まさにその通りなんだろうけど、それを肯定しちゃったら
ユキさんの四十男としての今後の人生はある意味地獄なのでは・・・?
江戸元や西の者に関してはとりあえず設定消化しただけで
説明不足は否めなかった。天皇問題にも結局踏み込めなかったか。
結局、急遽打ち切りが決まったにしては
上手くまとめていたものの、それ以上ではなかった印象。


失敗の原因についてはそれはもう色々あるだろうけど、
後半の展開を観ていて思ったのは、
會川昇に全話脚本書かせない方が良かったんじゃないかということ。
後半のように重要エピソードは二話程度にまとめてしまって、
もっと多彩でどうでもいい話をいろんな脚本家に書かせて
合間合間に突っ込んでいくべきだったんじゃないかと。
會川脚本は凄く面白いのだが、あまりに理が立ち過ぎガチガチで
それだけだとキャラを遊ばせる余裕が生まれない。
恐らく演出スタッフはそれがわかっていたから2クール目に入って
いきなりコミカルな演出を増やしていったのだろうが、
脚本が固いままだったので違和感しか生まなかったんだよなぁ。
コンセプトや技術、志の高さなどは素晴らしく、
意義深いものではあったものの、肩に力が入り過ぎて
肝心の多くの人のわかりやすく届けるという部分が
疎かになってしまった面はあったと思う。
深夜ならそういう作りも許されたんだろうけど。
この作品の最大の悲劇は土6だったことかも知れない・・・。
スタッフの皆様、色々とお疲れ様でした。