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天元突破グレンラガン #27(終)

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英雄は、天元を突破し只去るのみ!!!!
大グレン団の全てを結集し誕生した天元突破グレンラガン
アンチスパイラルの戦いは、銀河を投げ時空を歪める極限勝負!!
地球を背負い過去と未来を二重螺旋のドリルに込めて、
積み重ねてきた強さを一つ一つ脱ぎ払い、最後に残った最初の一撃、
それは見事に想いを貫き望んだ世界に辿り着く。
しかし・・・それを成した男に待つのは、喪失と痛みと、過ぎ行く
時間だけなのか。いや、それでも男は空を見上げることは止めない。
あの日々の空色を、天の星々の輝きを、今も見つめ続けるのだ・・・。
・・・とか何とかで最終回。ラストバトルとエピローグ、そして二十年後。
ラストバトルはとにかくロボットアニメ史上に留まらず、
世界SF史上に例がないんじゃないかという無茶苦茶なスケールと、
それを真っ正面から絵にしてしまった作画の勢いに圧倒された。
作画に関しては期待を最後までまったく裏切らなかったなー。
しかも、どうにかこのレベルに引き上げているという感じではなく、
やってたら居ても立ってもいられなくてこんなレベルになってしまったという
アニメーター陣のハイテンションさが画面から伝わってくるのが凄い。
天元突破→ラゼンガン→超銀河→アーク→グレン→ラガンインパクト!!
なトドメまでの一連のシーンは観てるだけでも脳内麻薬全開だったので、
作ってる方はそりゃあもう大変なことになっていたのだろうなぁ・・・。
ドラマ的にも、二重螺旋とドリルのモチーフの重ね合わせが
奇跡的なまでに上手くて、結局シモンにはスパイラルネメシスを止める
具体案なんか何もなく結果的には単なる根性勝ちなのに、
何故か理屈でも上回ったような爽快な気分にさせてくれたことに感心。
そして、そんな痛快なラストバトルから一転してのエピローグ。
ここまできてニアが救えないということに関しては哀しいし切ないし
納得いかないことも多々あるのだが、それでもこれはカミナの時と同様、
「シモンの物語を描く為に必要な犠牲」であるのは間違いない。
駄目なんだよな、シモンは幸せに余生を過ごしちゃ駄目なんだよな、
それは英雄じゃない・・・英雄は自らは何も得ず、ただ世界のみを変える。
今石洋之中島かずきは、最初この作品は男の物語であって
女はいらないと考えていたようだけど、色々あったものの
最終的にはそこに戻ったんだなという印象。
ただ、シモンをズタボロの精神状態で放逐するのではなく、
己の意志で下野する道を選んだといった形にしたのは、
スタッフのせめてもの優しさだったのかも知れない・・・。
そして二十年後。ロシウはやっぱり司祭様と血縁関係があったのかな?
横にまったく変わってないリーロンがいることで、
彼の二十年間の気苦労が伝わってくるのは上手かった。
ヨーコはあのまま独身を貫いているのだろうか・・・。
シモンは・・・ナレーションとここで繋げてきたのは良く出来ていて、
それがわかって随分と納得もいったのだが、それにしても老け過ぎだ。
片目が螺旋状になってるように見えるのだが、あれは螺旋力の影響で
シモンがロージェノムと同じ不死に近い存在になってるってこと?
もしそうだとすると、永遠に近い時間をブータとさすらい続けるのか。
未来への希望と過去への哀愁が二重螺旋になる、
この作品には相応しいラストだったけど、
やはりシモンには幸せになって欲しかった・・・。
無限の時間の果てに因果がスパイラルして
ニアの生まれ変わりと出会ったりしないのかなー。


ロボットアニメの歴史の総括!! TVアニメの在り方とは何か!?
作画のあるべき姿とは!! ガイナックスの今後はどうなる!?
・・・などなど、刺激的なテーマを複数抱えながら、
それを全て「ドリル」で表現してしまった狂気の作品。
2クール四部作という速度を持って既存のお約束を
次々と律儀に踏んでは踏み潰していく構成といい、
端正に整えられた近年の作画の風潮に真っ向逆らうように
劇画でメタモルでエフェクト全開な作画といい、
「やりたいことを全てやってやり過ぎる」といったコンセプトが
とにかくイケイケなノリを生み出していて素晴らしかった。
正直、ドラマ的には速度と引き換えに深度が足らない部分が目立ったし、
他に欠点も探せばいくらでもありそうなのだが、
そういう部分を瑣末に感じさせるほどこの勢いは魅力的だった。
勿論、完全にノリだけでこの勢いが生まれていたわけではなく、
一方では四部作の構成をきっちり練ったうえで走り出すという
ちゃんとした計算も見られた。決して偶然の爆発ではなく、
狙ってこれを発生させたことが本当に凄いのだろうと思う。
普通、こんなの絶対企画倒れだもんなぁ・・・。
それを可能としたのは今石洋之中島かずきの旗振り役二人、
そして活躍の場に餓えていたのであろう若手スタッフの頑張りか。
ガイナはエヴァ以降どうにもパっとしない時代が続き、
ついにはそのエヴァも別会社名義になったりと危ぶまれていたが、
今回の若手の奮闘によって完全に甦ったなー。
気は早いが、この作品で頭角を現したスタッフの次作が今から楽しみ。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。