マクロスF #25(終)
爆死したように見えたけどそんなこともなかったアルトがランカを助け、
ランカが弱気になったシェリルをビンタ激励で復活させて、
ダブル歌姫による夢のメドレーに乗せての最終決戦に突入!!
アルトが普通に生きていただけでなくその拍子に巨大ランカの正体を見抜いたり、
クォーター組がギャラクシーとレオンの野望を告発してあっさり復帰したり、
ブレラの洗脳が一撃食らっただけで解けてしまったり、
シェリルを蝕んでいた病魔が一気に脳から腸内に移動して治っちゃったり、
これまで散々引っ掻き回してきたのは何だったんだというくらいに
シンプルに話がまとまっていくご都合主義っぽい流れはどうかと思ったものの、
ダブル歌姫によるメドレーアタックの威力がとにかく凄まじく、
何かもうその勢いだけで色々と押し流されて納得せざるを得なかったなー。
「バジュラはお腹で歌うんだよ」で腸内細菌設定を呑み込んでいたのには脱帽。
いや、それとこれとは全然違うだろうに何故か腑に落ちてしまった・・・!!
最終決戦の描写に関しても、バジュラが味方化してフロンティアを守る姿、
ダイダロスなマクロスアタック、アルトとブレラのタッグ結成、
ミハエル機を継いだロリクランが更に愛銃をアルトに託してのラストシュートと、
これでもかと燃えシチュエーションを投入して、
メドレーと合わせてシリアスな決戦というよりも
最期のお祭り騒ぎって雰囲気を強くする見せ方になっていたなぁ。
ここ数話の盛り上げも全てはここで花火を上げる為の布石だったのか。
まあハラハラさせた挙句に最終回を拍子抜けするほどの大団円でオトすのは
吉野弘幸脚本構成が今までやってきたことの集大成ではあったのかな。
ただ、三角関係に決着つけなかったのはさすがにマクロスとしては
反則だったんじゃないかという気はしてしまう。
一応、機体に乗り込む前のアルトの描写によって
歌舞伎も飛行機も両方合わせてアルトなんだという形で
アルトの成長をまとめていたみたいだったので、
同じようにランカとシェリル二人いて初めて翼なんだという
二股エンドに至るのは必然ってことにはなってしまうのかも知れないが。
しかし、流されず自分のやりたいことを考えて答えを出してみたら、
歌舞伎も飛行機も二人の彼女も全部必要という結論になりましたというのは、
ある意味で非常に正直な話ではあるよなー。
主人公としてそれで良いと思ってんのかという点は激しく突っ込みたいが。
全体としては、過去作のオマージュ&コラージュによって
基本を構築しながらそこに現代的な要素と圧倒的な速度を追加して
堂々と突っ走っていく、模倣であることに対する屈託のなさが凄く印象的だった。
ガンダムSEEDと比べると随分とその辺、時代が変わったのを感じさせられたなぁ。
オリジナルである河森正治自らが手がけているというのが
模倣というよりは再生の安心感になっていたということもあるんだろうけど。
あとは、若手スタッフ・声優陣の配置の上手さや
プロジェクト全体としての仕込みの巧みさなど、
とにかく企画の全ての歯車がきれいに回っていたのが興味深かった。
あらゆる局面でマクロスという器に現代アニメが出来得る全力を注ぎ込んで
オーバークオリティ気味な面白さに挑んでいたのは見事。
失敗した部分も勿論あるだろうし、この最終回の在り方に関しては
ここ数年で飛躍的に進化を続けてきたゼロ年代におけるアニメ構成術の
限界性をいよいよ露わにしてしまっているような不安も少しあるのだが、
そういう部分も含めてやれることをやり切った感があるのは単純に立派だと思う。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。
・・・ということなのだが、最後に劇場版予告が出てきて
また少し何だか良くわからなくなってしまった!!
初代準拠ならTV版の再構成になるところだろうが、
この終わり方だと普通に続きをやって欲しくなるしなぁ・・・。