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(TVK)キャシャーン Sins #24(終)

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キャシャーンSins Blu-ray 特別装丁BOX2巻
キャシャーンとリューズ、そしてリンゴとオージは静かな場所で
花を育てながら静かな生活を営んでいた。
ささやかな幸せを得て、やがて眠りについたオージとリューズを見送り、
キャシャーンは一人何かを決意し再びルナの元へと向かった・・・。
オージとリューズの静謐な最期を見守る前半と、
キャシャーンとブライキング・ボスの「落とし前」を描く後半、
まさに静と動、死と生が交錯するような世界を
キャシャーンという存在に託して描く作画演出が素晴らしかった。
死があるからこそ生の実感があるという信念の元、
永遠を得た者達に死を意識させる存在になるというキャシャーンの決意を、
そのまま肉体表現で見せてしまっているような躍動感は凄かったなー。
また、そういうキャシャーンの生き様はまさに「罪」を背負って立つ
血まみれの英雄という感じで話の落としどころとしては非常に納得させられた。
しかし結局世界に滅びが蔓延したのはキャシャーンとルナの血が
混ざったせいらしいのだが、その辺の詳しい背景説明は
最後までわかりにくかったなぁ・・・。まあ雰囲気優先の演出にしては
最低限のことは伝わる見せ方がされていたのでこれでも親切なんだろうけど。
リンゴが成長していたのは、リンゴが命を持ったロボットとして
イヴのような存在になったってことなのかな。
アダムがいないと繁殖できなくて駄目なんだろうけど、
他のロボット達も徐々に進化していくのかも知れないし、
人間も少しは残っているんだし、世界は滅びず続いていくのかな・・・。
全体としては、「キャシャーン」という題材を活かしながらも
中身は完全に山内重保監督のカラーで塗り尽くされていて、
このノリが肌に合う人にとってはたまらない内容だったという印象。
今時こういう思い切り個性のある作品を世に出せただけでも価値がある。
勿論、相当に人は選ぶし決してわかりやすい作品でもないのだが、
それでも馬越嘉彦をはじめとした作画陣による
超絶的な肉体アクション描写や毎回の渋い脚本など、
娯楽としての見どころも一定以上に押さえられていて
充分ではないにしろバランスは取られていたと思う。
「大人のキャシャーン」という方向性としては
贅沢に良く作り込まれていたのではないかと。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。