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源氏物語千年紀 Genji #11(終)

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ついに都を離れることになった光源氏が若紫と結ばれ、
再会の約束を胸に旅立っていく・・・というのが話のメインなのだが、
そんなことよりもアバンの光源氏の雪に埋もれる武者妄想と、
クライマックスの頭の中将と組んでの光源氏無双が楽し過ぎだった!!
一体、最終回で突然何のアニメになるんだよ!?
あの雪の悪夢はやっぱり「AIR」過去編と
CLANNAD」の幻想世界を連想してしまった・・・。
冒頭と見せ場に「戦う光源氏」を描いたこと、
ドラマの最大の盛り上がりが若紫ではなく帝の霊との再会になっていること、
そしてラストが荒れ狂う海を見つめる光源氏であることからして、
完全に出崎統テイストの最終回という感じだった。
さすらう旅人を描かずにはいられないんだな、本当に・・・!!
ただこういう男目線の源氏物語、自分の心の欠落を女たちに求め
優しさを平等に与えながらも誰も真に幸せには出来ず、
最後には自分を慕う少女にまで手を出すもののやはり報われず、
最初に愛した女をあの世にまで縛り付けそれを罪と知りながら
それでも愛が止まらない・・・という光源氏の解釈と描写は非常に面白かった。
ノイタミナ枠で放送する以上、当初は女性向けだったはずなのだが、
出崎監督がやる以上はこうなってくるのも必然ではあったのか。
全体としては端正な作画と情念溢れる演出の数々、
そしてベテランと若手の入り混じった声優陣の熱演が見事だった。
櫻井孝宏は後半にいくに従ってどんどん味が深まっていたなぁ。
女性陣も総じて良かったが男性陣の印象も強くて、
特に最終回の頭の中将の「のほぉーん!!」は
明らかに杉田智和の演技なくしては成立しない凄い飛び道具だった。
源氏物語のアニメ化という観点では尺が足りていないし
時代考証やら何やら突っ込みどころも多かったが、
出崎アニメとして観た場合はとても満足度の高い作品だった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。