へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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獣の奏者エリン #32

獣の奏者 エリン 第2巻 [DVD]獣の奏者 エリン 第3巻 [DVD]
リランの背に乗って空を飛んだエリンに対して、
霧の民の男が語り継がれてきた奏者の技の大罪を教える。
闘蛇を操り戦を起こしその末に国を追われた王と、
王獣を操る少女が出会ったことから始まる悲劇の物語だが、
モノローグで語られている段階ではあくまで神話の感覚だったのが
実際に王と少女の過去が描かれると途端に人間味を増し
歴史に埋もれた人間達のドラマという印象に変わるのが面白かった。
物語のなかでは全ての元凶のように言われている王が、
回想においては理想を追い求める一個の人間になっていたのは、
情報が二重化されているようで興味深かったなぁ。
そして王獣と戦蛇の大群がぶつかり合ったことで怒った悲劇の描写。
圧倒的な獣の群れが血を浴びて狂っていく異様な絶望感を、
あくまで上品さを失わないラインでしっかり見せていたのが素晴らしかった。
挿入歌とも相俟って破滅のシーンのインパクトはかなりのものだった。
しかし、そんな破滅と大罪のことを聞かされた直後に、
それでもリランが飛べないなんて間違ってると断言してしまう
エリンがまたある意味狂っていて凄かった・・・!!
エリンの王獣への愛と現行の社会制度に対する不信は、
もはや子供の視点ではなくヤバい領域に入ってるんだよなぁ・・・。