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青い文学シリーズ #11・12(終)

青い文学シリーズ 人間失格 第1巻 (Blu-ray Disc)青い文学シリーズ 桜の森の満開の下 (Blu-ray Disc)青い文学シリーズ こころ (Blu-ray Disc)青い文学シリーズ 走れメロス (Blu-ray Disc)青い文学シリーズ 地獄変/蜘蛛の糸 (Blu-ray Disc)
監督:いしづかあつこによる芥川龍之介「蜘蛛の糸」&「地獄変」の
二話連続放送による最終回。キャラ原案は久保帯人
以前の「こころ」二話連続放送にも意味があって感心したけど、
今回も二つの話の世界観が繋がっているという仕掛けがあり、
大きく一話という括りなのか「蜘蛛の糸」の方には堺雅人が出てこない。
代わりに盗賊カンダタ宮野真守が演じていて、
またデスノみたいなことになってしまった・・・!!
ファンタジックでありながらも光の奥に深い闇を湛える「王国」の
ビジュアル設定は、いしづかあつこの本領発揮という感じで見事だった。
月のワルツ」の幻想的な描写に以後の仕事で培ってきた
地に足の着いた演出力が加わって凄く良いバランスになっている印象。
ただ、王国のイメージが鮮烈だっただけに逆に地獄のイメージが
わりと良くある悪夢的なものに見えてしまったのが残念だった。
・・・と、「蜘蛛の糸」の段階では思っていたのだが、
もしかしてこれって次の「地獄変」で主人公の絵師が
まさにこの王国の現実を地獄として見るという展開に合わせて、
現実の方がよほど地獄らしいという意味合いになっていたのだろうか?
地獄変」の方は作画も演出も基本的には「蜘蛛の糸」より抑えめで、
最後の業火のインパクトをより活かすという構成になっていたのかな。
シリーズラストでもあるのに本当に容赦のない終わり方で、
原作がそうなんだから仕方ないにしてもなかなか痛烈な幕引きだった・・・。
全体・・・というかこの企画そのものに関しては、
とにかくマッドハウスの精鋭が競い合うように実力を発揮してくれていて、
題材と人材が奇跡的なタイミングで噛み合っていたことに
時代の必然性みたいなものさえ感じてしまったなぁ・・・。
本当に、堺雅人を顔として持ってくるという点まで含めて実に良く出来た企画で、
2000年代がこれで終わるというのも何か意義深い気持ちになってくる。
TVアニメも文学も少年ジャンプも、日本もここからどこへいくのやら・・・。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。