へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

なれのはて 過去感想は作品タイトルで検索してください

スポンサードリンク

亡念のザムド #26(終)

亡念のザムド 1 [Blu-ray]亡念のザムド (2) [Blu-ray]亡念のザムド 3 [Blu-ray]亡念のザムド4 [Blu-ray]
アキユキとナキアミがそれぞれに使命を果たして俗世を去ったあと、
数年後の人々の生きる姿と一つの再会を描く最終回。
ナキアミが使命の為に一人去っていくのをヤンゴとアキユキが止めようとするも
結局それは叶わずアキユキもまた石になり果てるという最終決戦の結末は、
これは抗う意思だけは見せたものの宿命には逆らえませんでしたという感じで
言いたいことは何となくわかるけど徒労感だけ残る終わり方だったなぁ・・・。
エピローグでアキユキは復活しハルと再会を果たすことになるが、
ナキアミはあのまま眠り続けヤンゴはそれを死ぬまで待ち続けるのだろうか?
子供達が順調に成長しているのに親世代はほとんど変わっていなかったりと、
時の移ろいを見せるのかハッピーな後日談を描きたいのか、
エピローグに関してはちょっと焦点がぼやけていた印象も受ける。
ただ理解しやすいかどうかはともかく一貫して主張自体はブレていなくて、
良くも悪くもこの作品らしい最終回ではあった。
全体としては、ハイクオリティなSFアクション大作になるのではという期待感を
早々に裏切って延々と語りに尽くす観念と思想の話になっていったのは、
正直言って付いていくのが大変で観る側にも終始努力と覚悟が求められる作品だった。
しかし元々PS3で課金配信するという世界を意識した形態だったにも関わらず、
何でこんなに難解な方向に進んでしまったんだろう・・・と少し考えて思い至った。
ああそういえば「限定されたマーケット・異様なまでのハイクオリティ映像・
観念的で説明不足な脚本・直接課金」といった要素が八十年代OVAそっくりだ!!
そうか、PS3で新しいことするつもりが先祖返りしていたのか・・・。
個人的にこの作品の挑戦的な姿勢は興味深かったし、
アクションにしろポエム調のセリフにしろセンスを感じさせる部分も多く、
今の時代にこれだけトンガったオリジナル作品が生まれたこと自体素晴らしいと思う。
しかし、やる気が迸り過ぎて空回りしていた感は否めず、
大量のキャラや設定、もっと深く描けたであろう物語が
宙ぶらりんで終わってしまったのは非常に勿体なかった。
先に繋がる多大な可能性は作ってくれたと思うので、
今度はもっと広い層を意識したものを生み出してくれることに期待。
・・・というか本来の放送終了から随分経ってるわけで、
すでにスタッフの一部は「HEROMAN」などで期待に応えてくれているわけですが。