劇場版名探偵コナン 漆黒の追跡者

昨年大ヒットを記録した劇場版。ちなみに神谷小五郎の映画最終作。
近年、低下傾向にあった観客動員を持ち直させた作品ということで
一体どんな仕掛けを施したんだろうと期待して観たのだが、
黒の組織が関わってくるという肝心の部分は途中まで添え物扱いで
本編のほとんどの時間は普段のTVオリジナルと比較しても
相当にショボい大したトリックもない犯人探しに終始。
明かされた真相も、犯行現場が選ばれた理由付けや犯人の動機が
とても納得には遠い薄いもので何だかなぁという感じだった・・・のだが、
事件解決後の黒の組織との対決パートになっていきなり作品の雰囲気が豹変！！
拳銃の弾丸を避ける飛天御剣流の如き見切りを披露し
超格闘アクションを繰り広げながら腹パンチされる蘭姉ちゃん！！
コナンを襲う戦闘ヘリの機銃掃射に無残に破壊されていく東京タワー！！
命懸けのバンジージャンプによるパチンコアタックでヘリ撃墜！！
・・・などなど、ラスト十五分だけダイハードばりの
スーパーバカアクション映画になってしまっていて、
そのせいで終わってみれば何か面白いもの観たような気にさせられているという
ちょっと詐欺っぽいがイベント映画としては良く出来た構成で感心してしまった。
相変わらずアイディアの枯渇と劇構成には苦労しているのが見えるが、
これが大ヒットしたことが今後の劇場版の作りにどう影響するのかは興味深い。
もうみんな、推理とか求めてないのかも知れないよなぁ・・・。