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四畳半神話大系 #11(終)

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あらゆる四畳半世界の物語を垣間見た主人公が
日常と友人の素晴らしさを取り戻す最終回。
今までのパラレルワールドの物語を俯瞰して繋ぎ合わせて、
自分自身の真実の世界の姿に気付いていく流れは
SFとしても良く出来ていて最後までブレのない構造に感心させられた。
そしてついに外に出た主人公が小津の元へと飛んでいくハイライト、
現実への帰還を幻想的に描いたあの演出には素直に脱帽させられたなー。
今まで変なものであったこの作品の演出技法が、
最後に美しいものへと昇華されていく様は実に快感だった・・・。
全体的にも、正直湯浅政明の演出ってどこまでいってもマニアックで
ノイタミナ枠に進出したとはいえどうエンタメとしてまとまるのか
かなり不安に思っていたものだったが、独自性を失わないままに
とにかく単純に観ていて面白いものに仕上がっていたのは素晴らしかった。
初回の感想で、かつては先鋭的だった湯浅演出も時代に追いつかれて
珍しいものではなくなっているんじゃないかと少し書いた記憶があるけど、
終わってみればそれはまったく悪いことではなくて
時代の方が湯浅政明を優しく受け入れただけだったのかも知れない・・・。
他にも、語り倒してくれた浅沼晋太郎のナレーション芸の巧みさや、
脇を固めた吉野裕行坂本真綾の名演・怪演も楽しかった。
それと・・・このパラレルワールドネタのまとめって、
やっぱり2000年代に終止符を打つ内容だった気がするなぁ。
原作があるとはいえそれがノイタミナ湯浅政明から出るのも象徴的だった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。