パプリカ

今 敏追悼特集として、遺作となってしまった「パプリカ」がNHKBS2で放送。
原作：筒井康隆による夢と現実が交錯する物語・・・ということで、いかにも今 敏作品っぽい雰囲気で序盤は進むのだが、それが後半になるに従って何か良い意味ではっちゃけていくのが凄く面白かった。
声優陣と設定がかなり被っているせいもあって序盤は本当に「攻殻機動隊」みたいなハードで乾いたタッチで展開していくのに、後半になると完全にラブコメバカアニメ！！　ラストが巨大全裸女の乳首ってどういうことなの！？
これ、見ようによっては映画文化への憧れやクールな日本アニメという固定観念から徐々に解き放たれていって、最後に日本アニメ本来のどうしようもない下世話さに回帰しているようで個人的にはとても気持ちが良かった。
ここに今 敏のアニメ作りの変化がそのまま現れていたのだとしたら、次に出してくれる予定だったものは一体どれだけ楽しいものになっていたのかと、改めてその才能の喪失が惜しい・・・。
作画的には夢世界の設定を活かしたメタモル系の描写が満載で見応えがあった。
特にいくつかあるキャラ同士の境界が消えて融け合っていくシーンはどれも凄味があったなぁ。
あとは、林原めぐみの両極端な演技が堪能出来たのが嬉しかった。ここ最近では林原めぐみの個性を一番引き出した配役だったのではないかと。