へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

なれのはて 過去感想は作品タイトルで検索してください

スポンサードリンク

フラクタル #11(終)

フラクタル第1巻Blu-ray【数量限定生産版】「ねんどろいどぷち ネッサ」付フラクタル第2巻Blu-ray【数量限定生産版】「ねんどろいどぷち フリュネ」付フラクタル ネッサ (1/8スケールPVC製塗装済み完成品)


監督「ヒロインは親父に性的虐待受けた非処女にしてオタ煽ろうぜ!!」
原案「風子ーっ!! 俺のヒロインは風子しかいないんだ風子ーっ!!」
構成「・・・え、ええと、じゃあ非処女の中に風子が入るということで」
監督&原案「それだ!!」


・・・みたいな会議が行われていたんじゃないかと妄想せざるを得ないオチの最終回。
結局フラクタルシステムはフリュネとネッサの融合で再起動されたものの、別段それで世界がどうなるわけでもなかったので要するにフラクタルをどうするかって真の問題点じゃなかったらしい。
ロスミレもあれだけやっておいて実は人間らしい暮らしをするのが本分でテロとか関係なかったみたいだし、一体この戦いは何だったんだろうと思わされたのだが、まあその辺は管理システムをどうにかすれば世界が変わるという考えにもはやリアリティがないので曖昧なオチになるのはわりと必然か・・・。
ただそういうフラクタルを巡る問題を投げっぱなして語られたフリュネとその元になったオリジナルの少女の悲劇について、これがまったく本編とどう関連しているのか普通に観ているとわからないのが困りものだった。
一応、何かこう少女を蹂躙することで成り立つシステムは現在のオタ業界そのものなんだぜ的な解釈を、やろうと思えば出来なくはないのだが映像化された情報のみでそこまで飛躍するのは無理あるし、何より生産性ゼロだ。
単純に世界設定テーマとヒロインのテーマが分裂しているようにしか見えなくて物凄く座りが悪い。
構成アイディア自体は悪くはないし実際にアニメ作品としての作画演出は一定のレベルを越えているので観ていて面白くないわけじゃないだけに、余計にこのバランスを欠いた結果に納得がいかない。
果たしてこれは、敢えて崩して理解を拒む作りにしたのか、本当にただまとまらなかっただけなのか・・・。
まあ敢えて拒んだにしても、一般向けってそもそもの前提はどこいったって話なのだが。
全体通しては、清涼感のあるナチュラルな画面作りは魅力的だった。
特に「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」や「ブラックロックシューター」繋がりのスタッフが入った際はこの絵柄を活かした演出が冴えていた。
ヤマカンって本人が目立ち過ぎる傾向あるけど本来はスタッフワークにこそ本領があるはずなんだよなぁ・・・。
声優陣では津田美波の健闘は印象的だったが、ラスト二話で島本須美宮本充がノリノリ過ぎて若手が霞んでしまったかな。
ともかく、野心的な作品だったことは確かだし良いところもあったのだが、いかんせん事前の監督によるビッグマウスに見合うだけの結果が出ていなかったのは残念。
ヤマカンにはこれで終わって欲しくはないのだが、次となると相当難しい・・・一体ここからどう這い上がるのか。
それと偶然ながら、やはりこういう内容の作品がこの時期に放送されたことは日本の節目を象徴する出来事ではあるので、もしかしたら十年後くらいに再評価なり思い出語りなりが起こるかも知れない。
少し落ち着けばこの作品が本当に目指した場所もわかってくるのだろうか?
スタッフの皆様、お疲れ様でした。