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ジュエルペット てぃんくる☆ #52(終)

TVアニメ「ジュエルペット てぃんくる☆」DVD-BOX
合唱、お別れ、最終回。
いきなりOPがキャラ合唱バージョンで始まって、開始五秒くらいでテンション最高潮に!!
そこからもグランドフィナーレに相応しいイベントの連続で、最終回レベルのエピソードを積み重ねてきたこの作品の真・最終回として申し分のない完成度だった。
みんなジュエルランドには二度に行けなくなるがジュエルペット達は時々遊びに来てくれる。ただしルビー、てめぇは駄目だ!!・・・という、あかりちゃんにだけ更なる試練を浴びせかける設定も最後の仕掛けとして実に上手かったなー。
つーか幸せの花を探す使命を与えられたのでルビー達だけ旅立ちますって、ここにきてそんな強引なと思わないでもなかったのだが、あかりにはルビーとの覚悟の別れを経験させなければならないという物語上のテーマ要請の説得力に押し切られる。
徹頭徹尾、少女の成長ファンタジーとしてやるべきことは全部やるという勢いが貫かれたのは見事。
そしてこれだけテーマ的な要素が前面に出ているにも関わらず、説教臭さがなくあくまでキャラものとして成立しているのも凄かったな。
エピローグのあかりとアルマのレアレア界でのイチャイチャぶりなんて、本当にこのスタッフはファンのツボを心得ているなと別の意味で感動してしまった・・・。
沙羅の両親との再会もやり残していた問題をきちんと解決してくれていて嬉しかった。
全体としては、マイメロ路線だった第一期からがらりとイメージを変えた戦略がまず秀逸だった。
で、代わりに抜擢されたのが山本天志・島田満・伊部由起子の「ななついろ★ドロップス」組というのもサンリオ的には凄い判断・・・。
魔法少女ジャンルにおけるオタ向けから少女向けへの越境・原点回帰が、まず原作サイドから始まってついにアニメスタッフに辿り着いたのは感慨深い。
この作品だけ見ると突然変異的に大きなお友達用の絵柄で本気の少女アニメをやる超絶ハイクオリティ作品が出てきたようにも感じるのだが、実はここ数年間ずっと蓄積されてきたものがこのタイミングで結実したと考えるべきなんだろうなぁ。
東映系統や純オタ系統とはまた別の、長年テレ東の朝・夕枠で少女向けとオタ向けの間を彷徨い続けていた不遇の魔法少女第三系統がU局深夜系と合体することでついにメイン二系統に逆襲する力を備えたのだ・・・などと言ってみると燃える!!
この作品の場合、本当に第一期からの流れがあり、島田満と放送枠の「しゅごキャラ」からの流れもあり、様々な要素が奇跡的に噛み合っていた印象は非常に強い。機に恵まれていたということか・・・。
それと声優陣についても第一期から引き続いたジュエルペット組と新規組が合わさった結果、実に華のある布陣になっていて面白かった。
そんななかで主演を務め上げた高森奈津美の個性も素晴らしかった。頼りない声質と芯の通った演技のギャップが生み出す謎の色気・・・!!
ともかく、充分に傑作と呼べる出来栄えだったと思う。スタッフの皆様、お疲れ様でした。
・・・そして、次シリーズ「サンシャイン」ではまたスタッフ陣容を入れ替えて色々と無茶してくれるようで楽しみ。