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もしドラ #9・10(終)

もしドラ page:1 [Blu-ray]ねんどろいど もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 川島みなみ
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第9話、ついに夕紀が帰らぬ人となり、みなみは自暴自棄に。
母親の「許してあげて」という言葉があまりにも切なくて、みなみの追い込まれ方とともに胸を打たれた。
特に変わったことをしないシンプルなこの作品のスタイルだったからこそ、これだけ単純にドラマが際立ったという印象も受けたなぁ。
決勝前にみなみがブチキレてビンタされる流れも、日笠陽子の個性と演技が凄くハマっていて見事だった。
ただ、そのあとのアンドロイドタックルで今までの感動が消えそうなほど笑ってしまったが!!
全力で逃げていたはずのスポーツ万能少女に追いついたうえにあんな綺麗なタックル決められるアンドロイ子、何者だよ!?
しかし夕紀の最後が「もうゴールしてもいいよね」的だったりアンドロイ子のアドバイスが「逃げちゃ駄目だ」系だったり、端々にオタク要素の名残が見えるのがちょっと興味深い。
あと、原画に黄瀬和哉中嶋敦子といった豪華メンバーを投入していて、きちっと重要回にリソース注いでいたのも好感。
で・・・トドメに富野由悠季オマケに登場!!
他のゲストが経営や人生哲学を主に語っていたのに対して、全体主義に対するカウンターとしてドラッカーを語るトミノ節はさすがだった。
そして、全ての過程が成果へと繋がる最終回。
これまでの各キャラが背負っていた役割、伏線の全てが美しく収斂されていてまさに終わり良ければ全て良しな大団円。
祐之助が夕紀から聞いていたみなみ打法で最後を締めるのは、当然それ以外ないとわかっていても素晴らしいカタルシスだった。
OP&EDテーマの使い方も上手くて、特にラストが完全に百合アニメ化していたのには最後に凄い加速つけてくるなと感心してしまった。
しかし、もうオチまでくると完全にドラッカーいらなくなってたよーな・・・。
作品全体でも「マネジメント」の内容を見せる教養ネタの部分に工夫が足りなかったのが一番惜しい部分だった。
本来、そここそを武器にする作りであるべきだったはずだけど、敢えて凄くクラシカルな方向に行ってたからなぁ。そこはイノベーション狙おうよ。
作画演出も明らかに低予算なのをごまかしている点が多く見られて勿体なかった。
ただそういった問題点についても、ラスト二話で個人的には帳消しで良いかなと思う。
萌え絵で釣ったビジネス書が大ヒットという現代オタク文化の象徴ともいえる原作に、あくまで自然体で向き合ったのは結果的には正解だったのかな。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。