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ふたり「コクリコ坂・父と子の300日戦争〜宮崎駿と宮崎吾朗〜」

NHKで放送されたジブリ・・・っていうか宮崎親子密着ドキュメント。
近年、NHKはずっとジブリに張り付いているが今回は宮崎駿だけでなく吾郎監督の方にも視点が向かったことで、単なる映画製作の裏話に留まらない親子のドラマが滲んでいて一本の作品として非常に面白かった。
世代格差の物語であり、天才と凡人の物語であり、伝統と革新の物語であり、更には震災の影響によって日本そのものの未来を占うくらいの意味合いを持ったテーマ性が生まれていて実に濃かったなー。
表面上はNHKらしく親子の人情ストーリーに落とし込んだ編集をしているのだが、意図的なのか何なのか明らかにそんな領域を逸脱したシーンが次々に噴出するのが面白過ぎる。
万能過ぎるがゆえに暴君にならざるを得ない父と、そんな父に唯一タメ口で対抗しながらその影響力を受け入れつつ進むしかない息子の綺麗事では済まない葛藤に燃える。
それでいて親子でタバコのくわえ方がそっくりだったりするのがまた血の因縁を感じさせて、よっぽど映画的なのが凄い・・・。
しかしこれを観ると何で日本企業や日本の政治が世襲に頼ってしまうのかの本質がわかるような気がする。
要するに功労者に対する「遠慮の力学」に肉親の無遠慮がないと抗えないんだな・・・。
今回の特集とコクリコ坂の評判を見聞きする限り、吾郎監督は二代目として着実に成長しているようなのでそこはもう認めた方が良いんだろうなー。
いつどうなってもおかしくないと言いながらカップラーメンをガツガツ食ってるハヤオを見る限り、まだ時間は残されていそうだし。