へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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劇場版 エスカフローネ

劇場版 エスカフローネ [Blu-ray]天空のエスカフローネ Blu-ray BOX (初回封入特典付)
TVシリーズが特に海外で高評価を受けたことで制作された劇場版。
TV終了から数年後に立ち上がった企画ということもあってか、内容はTV版とはほぼ別物。
何故か劇場版になるとTV版とキャラの性格や立場が逆転するのは日本アニメのお約束なんだろうか・・・?
この作品も、ひとみは死にたがりの現代的女子高生、バァンは戦闘狂、アレンはテロリスト、姫様はワイルドなうえに声まで違うなど各キャラ設定はTV版を反転させたものになっている。
ただ、それ自体は映画として作品をまとめるうえで結構効果的になっていて、特にひとみが異世界に召喚されてしまう理由付けについてはTV版よりこっちの方が無理がない印象。
しかし肝心の設定改変を素直に活かす話運びに欠けていて、ストーリーが舌足らずになっているのが非常に惜しい。
同じ傷を持つひとみとバァンが惹かれていくという設定自体は良いはずなのに、二人の交流シーンがあまりに短くて何で互いに好きになってるのかさっぱりわからない。
恋愛要素はエスカフローネの核だけに、ここが中途半端になると全てが上滑りしてしまうなぁ・・・。
またロボットアニメとしての要素を弱めて異世界ファンタジー路線を取っているのも勿体なかった。
海外展開や戦記ものとしての魅力を考えたのかも知れないけど、恋愛とロボットを抜いたエスカフローネってそれこそよくある話になっちゃうわけで。
そのぶん数少ないロボットアクションシーンの作画は大充実。生物的なメカ描写も個人的には好感触だった。
全体的にTV版とは違うもう一つの可能性を追求した作品になっていて、決して駄作ではないのだがTV版のファンが望んだものになっているかというと疑問。
それでも、TVアニメの劇場版ってそういうものだしなと割り切れば楽しかった。
あとは坂本真綾の演技の変化を意識するのも面白かったな。
今回のひとみのキャラは坂本真綾の成長を見越してのものだったんだろうし、むしろTV版よりもこっちの方が現在に繋がる原点になっているのかも知れない。