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劇場版 Fate/stay night Unlimited Blade Works

劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS (初回限定版) [Blu-ray]Fate/stay night Blu-ray BOX <期間限定生産>『Fate/Zero』 Blu-ray Disc Box ?劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS オリジナルサウンドトラックFate/stay night セイバー・リリィさん (ノンスケール プラスチックキット)
TV版終了から四年経って製作された「Fate」劇場版。
監督:山口祐司、脚本:佐藤卓哉、キャラデザ&総作監:石原恵、音楽:川井憲次、音響監督:辻谷耕史といったメインスタッフはTV版から継続。それに特技監督の役職で橋本敬史が加わっている。制作もTV版と同じくスタジオディーン
公開が2010年で完全に時期を逸した感のある劇場版だったのだが、クオリティにブレの大きかったTV版のリベンジを誓ったのか内容は相当に充実。
TV版が原作セイバールートを元に良いとこ取りをしようとして中途半端になっていたのに対して、劇場版は凛ルートを極限まで圧縮して一気に駆け抜けるという真逆とも言える構成になっている。
これが予想外に効果的で、全編バトル!! バトル!! バトル!!・・・という劇場版ジャンプアニメみたいなノリになっているのが凄く面白かった。
一番近いのは劇場版のBLEACHかなぁ。裏に色々と重くて複雑な設定を抱えているんだけど、細かいことは置いといてとにかくド派手なバトルをやり通すという割り切った感覚が意外と良かった。
凛ルートの忠実なアニメ化を待ち望んでいた原作ファンには悪いけど、TV版で2クールあっても足りなかった物語とほぼ同じ分量を一時間四十五分でこなすにはこれ以外なかったと思う。
まあ出オチ死亡なライダーや心臓ぶっこ抜かれるだけのイリヤは気の毒だったし、セイバーなんてほとんど囚われの役立たずポケモン状態でヘタレが板に付き過ぎだったけど。
凛が少年マンガ系ヒロインとして強力なもんで、セイバーは一歩下がると一気に影薄くなるな・・・。
逆に慎二やランサー兄貴は大活躍で、男キャラメインなのも少年マンガテイストに拍車をかけていた印象。
そして最大の見せ場である士郎VSアーチャーの自己対決は剣戟作画といい杉山紀彰諏訪部順一の芝居といい、素晴らしく気合い入っていてそれだけでも満足出来るレベルだった。
この劇場版だけだと士郎の異常性やらアーチャーの魅力やらは不完全にしか伝わらないのだが、それも演出のパワーで押し切っていて見事。
それにしても全体的に、「Fate/Zero」のあとで観てもアクション作画がまったく劣っていないことに驚かされる。
というか「Fate/Zero」のあのクオリティって最低限この劇場版に負けないようにというハードル課していたんじゃないかという気もするな。
劇場版で全力出したディーンにTVで対抗してしまうユーフォーもどうかしてると思うが。
・・・あと、丸くなって穏やかに子育てしていたらしいのに、育てた息子が自分以上の正義狂人になっちゃった切嗣さんの業の深さが改めて恐ろしい。