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ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ天使たち〜

映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~ ブルーレイスペシャル版 (初回限定生産) [Blu-ray]
わさびドラ版映画第六作目にして、大長編ドラえもんリメイク四回目。監督は「新・魔界大冒険」の寺本幸代。
公開が昨年の3月5日で、震災の影響をモロに受けたとのことだが内容を見て確かにこの廃墟の街はシャレになってないなぁと思った。
ザンダクロスがビルを破壊するシーンが明確に9.11を意識した演出をされているのにも結構驚いたけど。
しかしそういった本気の演出によって内容のクオリティは非常に高く、歴代劇場版のなかでも屈指の完成度。
何よりも原作&旧劇場版からアレンジされた「ピッポ」のキャラと扱いが実に良い。
原作の極めて魅力的な設定・物語を壊すことなく痒いところに手が届く改変が加えられていて、これはむしろ原作が好きな人ほど感動してしまうんじゃないかと。
そうそう、こういうヒーローロボットとして大活躍するザンダクロスが観たかったんだよ!!
ただ、中盤で再起動する時の描写が思いっきり「ザンダクロス、大地に立つ」だったのには笑った。
クライマックスの大立ち回りもスーパーロボットらしさ全開で二十数年越しの鬱憤が晴らされた感じだったな。
まあ原作は原作で、F先生の巨大ロボットものに対する複雑な心情が見え隠れしていてあれはあれで面白いんだけど。
ともかく後半リルルとしずかちゃんに話の焦点が移ってしまう問題も解消されているし、よくぞここまで過不足のないフォローをしたものだ。
代わりにスネ夫のロボットが役目を奪われてしまっているのだが、そこはさすがに仕方ないか・・・。
リルルが明らかに他の鉄人と系統の違うジュドをパートナーとして運び込んだ理由付け、リルルがのび太を撃つシーン、最後のアムとイムに心を与えるシーンなどなど、本当に解釈が上手い!!
一方でちゃんと原作リスペクトにも溢れていて、特にリルルの全裸治療シーンがほぼそのまんまだったのにはド感動した。
リルルって、レオタードで北極、全裸で内部メカ剥き出し、包帯フェチ・・・と以後のアンドロイド系美少女キャラのツボをことごとく備えていて今観ても震えるほど萌える!!
沢城みゆきのクールな芝居も意外なほど似合っていたなぁ。もっと可憐なイメージだったが女スパイらしさが強調されたこれもアリ。
それと、あまり深くは掘り下げられなかったものの鏡面世界とメカトピアが同じ「生命のない世界」として共通テーマで結ばれていたのも、原作で用意されながら使い切れなかった設定を丁寧に拾ってくれていて嬉しかった。
個人的に鉄人兵団は大長編のなかでも1・2を争う思い入れある作品だが、このリメイクについては本当に文句の付けどころが見当たらない。
せいぜいドラミのキャラソンが意味不明とか、のび太ピッポツンデレ合戦するシーンが悪ノリしてるとかそれくらいだよなー。
作画についても「ロボットアニメ」として充分な出来映えだった。欲を言えばもっとはっきり暴れているカットがあっても良かったかな。
一番作画的に目立っていたのがしずかちゃんとリルルのパンツな修羅場だったし・・・。
あ、けどそのおかげでこの作品が実は百合アニメでもあったんだと気付かされた。深いぜ鉄人兵団!!