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ブラック★ロックシューター #8(終)

ブラック★ロックシューター Blu-ray BOX (完全生産限定版)
マトとブラックロックシューター、ユウとストレングスがそれぞれ向き合い現実に帰還する最終回。
すっかりユウとストレングスの話がメインにきてしまって、ヨミが脇役に引っ込んだだけでなくマトまで主役の座を追われかねない勢いだったなー。
実際問題、マトが事態を収束させたというよりはストレングスが自力でユウを説得した面が強いし、マトはマトで自己対峙で精一杯になっていた印象。
最終的に裏世界の存在を、勝手なこともするけど基本的には主人格の味方・・・というイマジナリーフレンドを肯定するところに落としたのは良かったと思う。
これで裏人格を完全否定していたらそれこそ救いも何もなかったわけだし・・・。
意外とハッピーにみんな友達オチになったのも多少、楽観的過ぎる気はしたけど暗いよりは全然マシだったな。
しかし、結局ユウは歳いくつなんだよ・・・? 人格入れ替わっている間は成長止まってたってことなの?
全体としては、ニコ動から始まり多数のクリエイターを巻き込み成長してきたコンテンツが、岡田麿里というたった一つのブラックホールに呑み込まれていく様子が物凄く刺激的だった。
いやマジでこのTV版だってOrdet・トリガー・サンジゲンというスーパークリエイターチームの共演が最大のウリだったはずなのに、途中から岡田麿里以外の色がぶっ飛んじゃってて不条理すら感じたよ。
岡田麿里もここ最近の量産続きでそろそろ失速するかなぁと心配していたのだが、むしろ普段大人の事情で書けない黒い何かが凝り固まっていたとは、まったく底知れない・・・!!
ヨミ・カガリ・ユウといったいわゆるアニメ的な「良い娘」ではない女の子の生々しさをこれでもかと抉っていたのは新鮮な驚きでもあった。
技巧的な鋭さも増しているんだけど、それを意識させないほどに情念を感じさせてしまうのがやっぱり非凡だよなぁ・・・。
ただ、そんな岡田麿里の暗黒面を存分に引き出せたのはこの体制だったからなのだろうし、そこはこんなブラックでロックな脚本を見事に映像化した他のスタッフも素直に褒めるべきなんだろうな。
特に3DCGによる戦闘シーンは通常作画との差異がほとんど気にならないレベルにまで昇華されていて、CGアニメ新時代の到来を改めて認識させられた。
とはいえ、通常作画との差異がなくなるってことはCGだからという驚きがなくなることも意味しているわけで、今回それが演出的には不利に出ていたようにも思う。
本来もっと表と裏の違和感が強く出なきゃいけないのに、CGキャラが自然なせいで引っ掛かりがなくなっていたのが皮肉。
そこについては各スタッフが今後どういう進化を模索していくのかに期待。Ordet・トリガー・サンジゲンは同じ方向を目指すより切磋琢磨するライバル関係でいて欲しいな。
ともかく、未熟さと可能性をごっちゃにしたままさらけ出した、その生臭さには好感の持てる作品だった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。