ラストエグザイル-銀翼のファム- ＃２３（終）

『ラストエグザイル-銀翼のファム-』 Blu-ray No.05
グランエグザイルを沈めてグランレースだ！！・・・な最終回。
結局全てはルスキニアの思惑通りに進んで、ファムの演説も何もまったく意味なかったんじゃないのかこれ！？
一応ルスキニアにとってファムの存在は亡き主君の夢を継いだ希望の象徴のように見えてその心は救われたのかも知れないが、そんなの他の連中にはどうでもいいことだし勝ち逃げされた感が強いなぁ。
ルスキニアにしろ姉姫にしろファムの祖父だったじいさん将軍にしろ、最後まで敵側のキャラに描写が偏り過ぎている問題は解消されなかった印象。
戦争は終わったが根底にあったはずの移民問題やらは手付かずなんだろうし、それでグランレースだけやって終わっても今ひとつすっきりしなかった。
ディーオの勝ちかと思ったら失格でファム達の繰り上げ入賞ってオチは、不安定なハッピーエンドであるラストを上手く表現していたようにも思うけど。
最後に出てきて喋ってくれたクラウスが、やはり身体を悪くしていて空を飛べない・・・というのも少し意味深だったかな。希望の空はまだ遠いか・・・。
全体としては、確かに前作のスピリットを継承した続編らしい続編ではあったものの、前作の欠点までそのまま受け継ぎ解消されなかったのが非常に残念だった。
作画クオリティの極端なばらつき、脚本の説明不足、主人公の存在感のなさ、などなど本当にそんなところまでラスエグらしくなくて良いだろうと言いたくなる部分が多かった。
ただ、それらをひっくるめて「これぞGONZO！！」な内容だったことは間違いなく、GONZO復活作品という意味では物凄く筋が通っていたと思う。
それと黒石ひとみの楽曲に関しては文句なく素晴らしいものだった。時折、楽曲が他の全てを食っていることすらあってそれだけでも観ている価値を感じるくらいだったなー。
何だかんだ不満も多い作品だったけど、何故か憎めないのもGONZOらしくて個人的には楽しかった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。