男子高校生の日常 ＃１２（終）

DJCD 男子高校生の日常会話
劇場版でロンドンだーっ！！・・・嘘です。最終回。
「銀魂」と同じように番組フォーマットをいじって最終回っぽさを引き出していたのが上手かった。
やってること自体はいつもと同じなのに、OPとEDを入れ替えるだけで最終回っぽくなるのは何かズルいけど。
夢オチ卒業ネタは予想外に感動路線で、この世界観でも本気出せばここまで出来るんだという意味でも感心したなぁ。
あと、完全に空気化してきていたタダクニを一応主人公らしいポジションに戻してあげていたのも、スタッフの優しさが溢れていて良かった。
各エピソードごとのラブコメフラグ回収とかも真面目にやっていて、本当にきれいに終わらせた印象が強い。
それゆえに、続編はないのかなと思ったりもするのだが・・・。
全体としては、当初こそ一体何が面白いのかわからないユルいだけの日常ギャグに見えたのだが、その奥に意外と鋭い現代的なセンスが見えてくるのが興味深かった。
他愛ない日常を維持する為に、常に「空気読み」を強いられ微妙なコミュニケーションの齟齬に怯える現代人の姿が絶妙に切り取られていて批評性すら感じた・・・というと言い過ぎか。
それでいて、あくまでそんな日常を前向きに楽しむ姿勢もあって、そういう等身大のポジティブさも非常に好感が持てたなー。
「日常もの」って今は色々あって存在自体が揺らいでいると思うのだが、そんななかで一つの可能性を示す作品になっていたような気がする。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。