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(TVK)未来日記 #26(終)

未来日記 Blu-ray限定版 第5巻未来日記 Blu-ray限定版 第6巻
全ての因果が解きほぐされた三周目世界で、ユッキーと由乃恋物語に幕が下りる。
というわけで、由乃が自らを刺し神となったユッキーが孤独の果てに再び奇跡の未来に辿りつく最終回。
ユッキーと由乃の恋愛劇としても、タイムリープ&未来改変サバイバルとしても、非常に納得度の高い美しい着地をしてくれて満足。
特に三周目世界のキャラ達がドミノ倒し的に最悪の未来を回避していくデッドエンドフラグ折りコンボは物語の締めに相応しいカタルシスに溢れていた。
別に性格変わっているわけでもないだろうに市長が良い人になっているのが若干疑問だったが、園長との愛が心を和らげたってことなのかな。それもまた愛の奇跡。
三周目みねねだけ結局テロリストのまま逃げ続けているのは、二周目みねねがスーパーパワーと母の座をダブルゲットしたのに比べると何か理不尽ではあるが。
カップルは学生時代の問題はさすがにそのままなんだろうけど、乗り越えて上手くやってると考えておこう。
あとはユッキーと出会わない秋瀬がどうなったのかだけ気になるなぁ。秋瀬と王子にセリフないのは寂しかった・・・。
そして、ユッキーと由乃
三周目で二人にフラグが立っていないのは、過酷なサバイバルがあったからこそ強い絆が結ばれたのだという物語本編の結論からすると当然か。
それでいて、何か欠落を感じていた三周目由乃が神ユッキーにいずれ辿り着くという未来の可能性を描いたのがあのオチなのかな。
EDの荒野を歩く由乃ってもしかしたらイメージではなく実際に神ユッキー探して彷徨ってた由乃の旅の過程だったのかも知れない。
ただ、その辺り明確に語らずあくまで未来の可能性を示すだけに留めたのはむしろ誠実だったと思う。
あれでユッキーが完全に救われてしまったらそれこそ二周目での罪は何だったんだってことになるし・・・。
「刺せないよ」の伏線回収といい、愛を得ることで罰を受ける機会も得る因果応報の正しさといい、ラストに至る流れは本当に決まりきっていて見事だった。
それが逆に最初から最後まで構成が「運命」のようにかっちり決まっていたような無常感も与えるのだが、それもまたこの作品らしさなんだろうなー。
90年代〜2000年代の物語類型に対する最終回答のような様相を呈していたこの作品の結末が、ドラマツルギー的に極めて正しい形で付けられること自体にメタ的な意味も感じる。
脱構築の時代の終わりとドラマ回帰・・・とか、確かに最近言われてはいたっけな。
贅沢を言えば更にこの先の未来、罪を背負って閉塞して取り戻して、それから・・・またどこへ向かうのかまで見せて欲しかったが、それはそれこそ未来のお話。
また、作品全体としては原作完結済みであることの利点を最大に活かした作画演出のバランス配分の巧みさが光っていた。
細田直人作品ってそういうスケジュール調整が一番苦手なイメージあったので、そこを克服しただけでも素晴らしいものになっていたなぁ。
あとは何といっても主演二人を筆頭に声優陣の熱演が素晴らしかった。
富樫美鈴も村田知沙も困難な役を糧に急成長を遂げていて、それを観るだけでも充分楽しかった。
未来日記」自体はドラマ版もあるしアニメもまだ展開が続くようだが、TVアニメのこの完成度を超える未来は想像出来ない・・・。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。