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LUPIN the Third -峰不二子という女- #13(終)

LUPIN the Third 峰不二子という女 BD-BOX [Blu-ray]
峰不二子という女、その真実が明かされる最終回。
結局、不二子は不二子でしたという大方予想通りなオチにはなったのだが、その過程で語られる本当のヒロインとでも言うべき女の人生の壮絶な物語はなかなか胸を抉ってくるものがあった。
他人の人生を盗み続けなければならなかった女の孤独と救済・・・といった意味ではちゃんと一貫性のある終わり方だったと思う。
あのラストの海水浴のシーン、不二子の残酷な言葉もそうだが今まで簡単に肌を晒してきた不二子があそこだけ水着なのが凄く意味深で、どう解釈すればいいのか難しい・・・。
あの瞬間だけ、不二子は不二子でなく自分の意思で人生を貸してあげてたとでも捉えればいいのかなぁ。
ただ全体的に1クールかけて引っ張るネタにしては弱く、余計な回り道をしたせいで焦点がぼやけてしまった印象は拭えない。
それこそ90分くらいの映画かTVSPでまとめていれば傑作になり得たと思うのだが、まあ企画的にそれも無理かー。
そもそも不二子メインなのにルパン達の方がよっぽど活き活きしていて魅力的なのがもどかしくもあった。
今回も次元VS五エ門が一番面白かったし、不二子の女の情念エピソードとルパン達のハードボイルドな男の友情エピソードが最後まで分裂していた感じもする。
このスタッフ陣容からしてもっと不二子に入れ込むんだろうと思っていたら、意外とみんなルパン一味萌えて突っ走っちゃったというか。
いや、不二子に感情移入するからこそ、次元や五エ門が可愛くて仕方なくなっちゃったりするものなのか・・・?
特にルパンに関しては、不二子視点で見る油断ならないルパン像が凄く新鮮かつカッコ良かった。
栗田貫一のシリアス芝居のハマり方も想像以上で、このルパンは今後のスタンダードになれると思う。
あと、一番ワリ食ったのはオスカーという謎の存在に振り回された銭形か。オスカーはマジで何だったの!?
オスカーにこそ作品の不思議を解く鍵が秘められているはずなのだが、考えるほどにさっぱりわからん。こればかりは山本沙代岡田麿里の本気の証明としか言いようがない・・・。
ともかく、スタイリッシュな新ルパンとして新たな可能性を切り開いたことは間違いないが、それが純粋な面白さに直結しないのが非常に惜しい作品だった。
ただこの方向性には本当にまだまだ出来ることがあるはずなのでこれで終わりにはしないで欲しい。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。