氷菓 #14
氷菓 (3) オリジナルアニメBD付き限定版 (カドカワコミックス・エース)
君にまつわるミステリー
TVアニメ 氷菓 ドラマCD1
絵コンテ&演出:山田尚子、作監:植野千世子で古典部総力戦のお料理勝負。
クライマックスに至るまでの画面の構築、演出構成の組み立てがとにかく秀逸。
摩耶花が走り奉太郎が叫ぶ、そこに持っていくまでの溜めといざその瞬間を迎えた際のテンションの上げ方が素晴らしい。
漫研での仕事を終えた摩耶花が走る際の、学校内の定点画面を繋いで繋いで校庭まで持っていくカット繋ぎなんてそれだけで痺れた!!
別に変わったことしてないんだけど山田尚子のその辺のセンスは「映画けいおん」の経験なのか最近更に鋭くなっている印象。
他にもかき揚げ丼を作る過程をテンポ良く繋いでいって最後に菜箸が唸る!!・・・みたいな盛り上げ方も、過剰なのに浮いてない演出の力加減が絶妙だったなぁ。
それと、漫研も古典部もどちらも手を抜かず仕事にプライド持って頑張っている摩耶花の描き方が、京アニ女性陣の共感呼んでそうで今回の優遇にも納得いった。
摩耶花みたいなタイプが何で漫研なんだろうと不思議だったんだけど、そうかオタク系の青春送る女子にとっては一番リアルなのかも知れないな。
奉太郎が仲間の為に慣れない大声を出す展開も、それだけならテーマ的に最終回でやってもおかしくないくらいのイベントなのに、わりと奉太郎サイドに寄ってないのが面白かった。
中村悠一の、大声なんて出したことのない奴らしい大声演技も見事。
しかし・・・今回これだけ良いところだらけの神回だったのに、杉田智和が乱入したせいで色々とぶち壊し!!
いや杉田にアドリブさせるのはいいけど、何でわざわざこの回なんだーっ!? そして他のパロゼリフはともかく「私、気になります」だけは言わせちゃ駄目だろ!!
「愚者のエンドロール」編ラストでも思ったけど、映像をこれだけ作り込んでいながら音響で平気で無茶してくるのがこの作品のわからないところだ・・・。