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夏雪ランデブー #11(終)

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アニメ 夏雪ランデブー オリジナル・サウンドトラック
心中エンドを回避して葉月と店長が結ばれ・・・たけど全ては旦那の成仏の為だった最終回。
一気に心中未遂にまで突っ走っていく前半のドラマ密度と、そこからのラブラブ大逆転は素直に面白かった。
重ねた年輪の数に押し潰されそうになっている旦那と店長に対して、最後まで葉月がその未熟な若さを武器に切り込んでいく・・・という構図も納得のいくものだった。
まあ、それでも葉月が具体的に何かしたかというと微妙なので結局旦那に振り回され続けただけという感じもするんだけど。
そして葉月と店長が結ばれたあとで、エピローグにそれでも数十年間二人にまとわりついていたらしい旦那を救済するハッピーエンドが。
いやこれハッピーでもないような気がするんだけど、旦那的には良かったのか!?
孫に対しておじいちゃんと呼ばせようとするオチも深く考えていくと凄く怖いぞ。まさかあの葉月そっくりの娘、遺伝子は葉月でもそれを注ぎ込んだのは・・・!!
ただ最後まで「悪霊」であることを止めなかった、その人間の情と業の深さを最期まで体現しきった旦那のキャラは何だかんだで立派だったとも思う。
勿論、店の守護霊みたいなこともしていたんだとは思いたいが・・・でなきゃマジでどうしようもないし。
全体としては、原作の持つ要素と松尾衡のスタイルが良好に合致していて、作家性に溢れながらエンタメとしてバランスも取れた非常に幸運な作品だった。
ストーリーも基本メイン三人のみでの会話劇で、しかも三人ともイライラさせられる人格なので感情移入出来ないとキツいという面もあるにしろ、ぶっちゃけ他人の修羅場を楽しむデバガメ視点ではこんなに面白い展開もないというくらい良く出来ていたなー。
ただ後半、旦那が葉月の身体を乗っ取ってからの流れはもっとコンパクトでも良かったかな。そこは原作の問題だろうし本当に描きたかったのはむしろその辺りなのかも知れないけど。
あとは何といっても主演三人の芝居の魅力が突出していた。
プレスコによる独特の会話の距離感もさることながら、入れ替わり設定を巧みに使いこなす中村悠一福山潤のコンビネーションがとにかく見事。
大原さやかも上記「もやしもん」との差別化に毎週感心させられたなぁ。
決して主流にある作品ではないし正直あまり売れたり話題になったりはしないと思うのだが、それでもTVアニメの豊潤さはこういう作品にこそ支えられている。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。