へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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TARI TARI #13(終)

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TVアニメ TARI TARI キャラクターソングアルバム 空盤~見上げたり、はばたいたり~
TVアニメ TARI TARI キャラクターソングアルバム 海盤~潜ったり、たゆたったり~
理事長を押しのけて白祭を成功させ、無事に卒業と新たな将来に向かって走り出す最終回。
最大の見せ場になると思われた白祭の描写が、意図的に凄くショボいのに驚いた。
寸劇の脱力感といい、観客席のそれこそ町内運動会みたいな規模といい、ここでまったく背伸びをしない演出の勇気には恐れ入る。
絶対にこの流れだったら超作画でライブやって大盛り上がりで終了ってやりたくなるはずなのに・・・!!
そんなご町内スケールの舞台で、ただ一つ合唱だけが学校を突き抜け雨上がりの空に広がっていく・・・というイメージも良く出来てたな。
そして後半は卒業式に紗羽の留学にと、高校生活の終わりをあっさり描いてエンド。
これまた青春の終わりをあっという間に済ませていて、この作品らしいと思いつつも余韻に浸り切れないのが残念ではあった。
前向きに現在進行形で終わっているので寂しさはないんだけど、それがまた置いてけぼりにされたような感覚を強める。
特別だけど特別じゃない時間だった・・・ってことなんだろうけどなぁ。
全体としては、何度も何度も同じこと書いたが情報処理の巧みさが本当に優れていて、それだけ取っても特筆すべき作品だった。
正直、P.A.WORKS岡田麿里抜きでのオリジナル日常ものをやると聞いた時には、作画演出だけ突出して物語はあってないようなものになるんじゃないかと疑ったのだが、いやまさかここまでやるとは・・・。
スタジオの力も大きいとは思うけど、一番は間違いなくシリーズ構成まで兼任した監督・橋本昌和の実力。
劇場版レイトン教授も良かったが、初のTVオリジナル作品監督でこれほど独特の色を見せてくれるとは驚き。
特殊なことは何もしていない、それこそ表面上は良くあるご当地江の島青春アニメ企画でありながら、中身で実験的手法を試していたのもクレバーさが滲んでいた。
声優陣では高垣彩陽瀬戸麻沙美早見沙織の魅力と歌唱力を活かした起用がとても上手くハマっていた。
個人的にはちょっと行儀が良すぎるというか、作り手の賢さが鼻につく点がなくはなかったのだが、それも引っ括めて面白いと思えた。それは作品の基本姿勢が挑戦的だったからだと思う。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。