とある飛空士への追憶
ガガガ文庫で発表されるや各所で絶賛された原作の劇場アニメ化。
監督:宍戸淳、脚本:奥寺佐渡子、キャラデザ:松原秀典、制作:マッドハウス。
基本的には原作通りの内容ながら、細部にカットや変更点がありそれが結果的に全体の印象をかなり変えてしまっているとのこと。
スタッフが原作読んでなかったとか不穏なことがWikiに書いてあるのだが、どういう状況で企画が進んでたんだろう・・・。
脚本に細田守と組んでいる奥寺佐和子を持ってきて、更に主演が「サマーウォーズ」の神木隆之介なんでその辺の需要を当て込んだのかなぁ。
しかしサマウォとこの作品の主人公ではキャラ違い過ぎるので、神木隆之介が合っていたかというと微妙。更にヒロインのお嬢様まで十代のグラビアアイドルを起用していて完全に演技力が迷子。
更には本編のほとんどの時間をその二人だけで進行する内容なんで、それは確かに原作未読でなきゃ不可能な配役かも知れないなと納得。
一応、聞いているうちに神木隆之介もお嬢様もそこそこ慣れてはくるのだが、どうしてもそこまでの「ヒクーシーサーン!! ヒクーシサーン!!」の連打に耐えられない・・・!!
作画についてはわりと健闘していて、空戦シーンのスピード感は上々。
ただ世界観が実はSFである点が説明不足で、いきなり誘導ミサイルが出てきたりするのに戸惑うな。全体的にミリタリー趣味の要素が弱いのも気になった。
とにかく素材の良さは伝わるだけに余計に踏み込みの甘さが目立つ非常に勿体ない作品だった。
・・・こういうのこそ、ジブリが若手にやらせればいいと思うんだけどなぁ。