琴浦さん #8・9・10
8話。風邪をひいて超能力が消えた琴浦さんが真鍋とデートする話。
心が読めなくなった途端に琴浦さんが無防備になる展開は、萌え要素であると同時にあれだけ忌み嫌っている能力にどうしようもなく頼って生活してしまっている琴浦さんの隙を描く形にもなっていて上手かった。
しかし、それはそれとして「普通の女の子」になってはしゃぐ琴浦さんは可愛かったな。
そして真鍋が今回も紳士過ぎる・・・!! 千載一遇の好機すらフイにする脅威のイケメン力!!
で・・・そんな平和な萌えアニメがずっと続けばいいなと思っていたら、またCパートで急転直下。
テレパスが犯罪者の心理を覗き見てしまうってネタはお約束だけど、この作品がやるとインパクト絶大。
こういう日常からSFにスイッチする部分のセンスオブワンダーを考えると、この作品は本当に良く出来た「超能力もの」だよなぁ・・・。
9話。連続通り魔事件の余波は思わぬ形で琴浦さんを襲い、更に森谷が許されない!!
いくら何でもこの状況下で更に琴浦さんの悪評が広がる流れになるとは思わなかった・・・。
体育祭やら何やらでクラスでもそれなりに馴染んできてたんじゃなかったの!?
っていうか今回の件は琴浦さんの問題ではなく、森谷のせいで話がこじれたってことなんだろうか。だから最後、あんなことに・・・!!
あの森谷さんがヤっちまったオチは、さすがに誤解なんだろうとは思いつつ今までが今までだけにちょっぴり信頼が揺らいだのは確か。
前回の琴浦さんダウンに続いて顔芸オチに磨きがかかっているのも面白かったなー。
ED前の琴浦ママンとの対決は、ラスボス然としていたママンが真鍋の鬱フラグクラッシャーぶりにうっかりデレかける流れが熱かった。
食事相手の男に琴浦さんが反応していたのは、ママン騙されてて捨てられる前フリか何かか?
10話。パクられた森谷さんの無実を証明する為の犯人探しで、琴浦さんと真鍋がケンカ。そして今度は部長がピンチ!!
三話連続でヒロインキャラが絶望に襲われるヒキって、どんなクリフハンガードラマだ!!
森谷さんは襲われた友達を偶然発見しただけだったらしいのだが、それで前回どうして救急車も呼ばずに血まみれの手で絶叫してたんだよ・・・?
それと森谷さん、目が死んでる時と正気に戻ったあとで精神のタフさが極端過ぎるだろ。打たれ弱いけど図太いって感じなのかなぁ・・・。
超能力での犯人探しを巡るESP研での意見対立は、それぞれが一番大切にしているものが何なのかが浮き彫りになっていて見事。
単に状況に振り回されているんじゃなく、各キャラが本質的に背負ったドラマがちゃんと駆動しているのが面白い。
部長と琴浦さんもそうだけど、室戸先輩と真鍋も女の子を肯定し守ってあげようとしている想いは同じなのに行動が正反対なのが良く出来ている。
そして、肝心の真犯人についてだが・・・これは犯人はバレバレなのにどういうことなのかがさっぱりわからない。
琴浦さんの能力が通用していないのは、精神構造が普通と違うから? 二重人格でないならその場その場で反射的にしか物事を考えてないとか・・・?
いや、しかしそんな知性で仕事がこなせるとは思えないしなぁ。