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2013年TVアニメ感想総評・簡易版

半月遅れで昨年の総評。
部門に分けて10〜1点を割り振ったのち、最後に合計点でのトップ10を選出します。
後期の作品は個別の感想がまったく書けなかったこともあり、細かく補足を書き出すと本当にキリがないので基本的にはごく簡単な解説で済ませます。何でこんなランキングになったのかについては、頑張って察して下さい。

脚本構成

1・翠星のガルガンティア
2・琴浦さん
3・アイカツ!(一年目)
4・ワルキューレロマンツェ
5・銀河機攻隊マジェスティックプリンス
6・蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-
7・ラブライブ!
8・ガッチャマンクラウズ
9・PSYCHO-PASS
10・帰宅部活動記録


ガルガンティア虚淵脚本では比較的教科書に忠実なおとなしいタイプだったと思うのだが、それゆえに徹頭徹尾計算された完成度の高さがはっきりと見て取れた。
アイカツは一年目と二年目で明確にシーズンが分かれているのでエントリー対象に。個人的にはゴールデン期・夕方一期でも分かれている感覚あるんだけど、特にゴールデン期と夕方一期の最終回は年間ベストエピソードを争うほどの出来だった。
ラブライブ、クラウズ、サイコパスは途中までは本当に素晴らしかったがラスト付近での失速が響いた組。
帰宅部はもっと上の評価をしたかったんだけど、さすがに他との兼ね合いを考えると・・・。

作画演出

1・進撃の巨人
2・Free!
3・Fete/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
4・夜桜四重奏-ハナノウタ-
5・はたらく魔王さま!
6・たまこまーけっと
7・GJ部
8・京騒戯画
9・新世界より
10・境界の彼方


作画演出の良さは何を基準に考えるか個人の趣味嗜好の差が大きいので、あくまで筆者の感覚任せです。
特に京アニの三作の順番をどう付けるかは難しい・・・。明らかにアクションの派手さは「境界」が飛び抜けているのだが、必要に見合った絵を的確に見せているのは「Free!」であり「たまこ」なわけで。
進撃や夜桜は、途中あからさまに崩れた箇所があっても見せ場がそれを補って余りあるという判断。
魔王さまとGJ部は隠れ作画アニメ京騒戯画と新世界は隠れてない作画アニメ
イリヤは作画演出のみならず、実は2013年で一番バランスの取れた作品だったようにも思う。

音楽全般

1・ジョジョの奇妙な冒険
2・ラブライブ!
3・進撃の巨人
4・うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%
5・アイカツ!(一年目)
6・メガネブ!
7・戦姫絶唱シンフォギアG
8・蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-
9・神のみぞ知るセカイ女神篇
10・ファンタジスタドール


・・・何かメガネブより上か下か、みたいになっちゃって申し訳ない。
シンフォギアが下なわけないだろ!!・・・とは思いつつ、しかし「作中での音楽の占める割合、重要度、中毒性」においてメガネブはあまりにも異常。シンフォギアはその辺、一期より異常性がマイルドになっていたのが引っかかった。

声優演技

1・ジョジョの奇妙な冒険
2・惡の華
3・しろくまカフェ
4・新世界より
5・私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!
6・さくら荘のペットな彼女
7・<物語>シリーズ セカンドシーズン
8・革命機ヴァルヴレイヴ(+2nd Season)
9・有頂天家族
10・リトルバスターズ!(+Refrain)


これはまあ深く考えるまでもなく順当。わたモテと新世界で橘田いずみ種田梨沙が脳内主演女優賞を争ったくらい。
あとは、しろくまカフェ1位説をかなり本気で検証したがさすがにジョジョ惡の華の熱量の前には譲ると判断。
ヴヴヴとリトバスは一期二期が共に2013年内なので合同してこの位置に。

独自性

1・惡の華
2・蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-
3・あいまいみー
4・新世界より
5・ジョジョの奇妙な冒険
6・メガネブ!
7・ガッチャマンクラウズ
8・イクシオンサーガDT
9・AMNESIA
10・さくら荘のペットな彼女


ロトスコープVSフルCG!! そこを横から殴りつけるあいまいみー!!
アニメ技法としては本来古典であるロトスコープと最先端のアニメCGは一見真逆の存在のようだが、「3Dの素材を絵として二次元に落とし込む」点で実は似通っていて不思議なシンクロを感じたりもした。
人間をアニメにすることと人形をアニメにすることの差は何なのか、我々は結局のところ日本式アニメの何を見ているのか・・・などと考えているとFXで有り金溶かす。
それと2013年は独自の色彩感覚に富んだ作品が非常に多く、この流れが今後も続くのかには注目。

話題性

1・進撃の巨人
2・アイカツ!(一年目)
3・ジョジョの奇妙な冒険
4・ラブライブ!
5・やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
6・Free!
7・ガッチャマンクラウズ
8・うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%
9・ダンボール戦機W(+WARS)
10・宇宙戦艦ヤマト2199


選出作は鉄板だと思うが、順位は悩んだ。
アイカツの強さってアニメだけだと実感しにくいが、たぶん進撃を一部上回ってるよな・・・。
「やはり俺の〜」は長文タイトル系友達作りラノベという、本来超ニッチだったはずのジャンルが体系化してしまったことを象徴する作品。俺妹&はがない二期からその座を奪取したことも大きい。
ダンボール戦機はWだけの評価のつもりだったんだけど、WARSが年内に終わっちゃったんで合算。つーかWの盛り上がりからWARS終戦までの早さは何だったんだ・・・。
ちなみにヤマトはそれ自体より、復活した年に艦隊ブームが起こってしまう神懸かり的なタイミングの良さが凄い。

安定感

1・ちはやふる2
2・しろくまカフェ
3・のんのんびより
4・きんいろモザイク
5・俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
6・有頂天家族
7・ゆゆ式
8・GJ部
9・ぎんぎつね
10・みなみけ ただいま


年々その傾向は感じていたが、2013年はついに日常アニメ部門と化してしまった。
そのなかで日常系を押しのけ熱さを安定させていた、ちはやふるは見事。
4クールの長丁場でまったくブレずに独特の魅力を発し続けたしろくまカフェもさすが。
のんのん、きんモザ、ゆゆ式GJ部の並びはむしろ下にいくほど尖ってるせい。

萌え・サービス

1・Free!
2・フォトカノ
3・あいうら
4・勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。
5・閃乱カグラ
6・ハイスクールD×D NEW
7・世界でいちばん強くなりたい!
8・超次元ゲイム ネプテューヌ
9・WHITE ALBUM2
10・ささみさん@がんばらない


これはもうFree!しか泳がない・・・!! もう萌えアニメは男向けの時代じゃないんだ・・・。
個人的には勇しぶをもっと上げたかったんだけど、フォトカノあいうらはこだわりが変態過ぎるんだよなー。
カグラも、エロではなくおっぱいなんだという優先順位の付け方が強力。
せかつよは逆にむしろフェチに一歩届かない遠慮みたいなのがあって残念だった。もっと、もっとエビを!!

暴走度

1・ステラ女学院高等科C3部
2・私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!
3・獣旋バトル モンスーノ
4・ファンタジスタドール
5・断裁分離のクライムエッジ
6・絶園のテンペスト
7・帰宅部活動記録
8・あいまいみー
9・絶対防衛レヴィアタン
10・アイカツ!(一年目)


ステラ女学院高等科C3部、一強。
2013年はこのアニメの為にあったと言って過言ではない、やらかし具合だった。
破壊チームのジョンエースさんに対する鬼畜の所業とか、うずめタンクとか、髪フェチエヴァのガッツポーズとか、2013年最大の愛されキャラ左門さんとか、素晴らしいネタは多々あったにもかかわらずステラ女学院の素の狂気の前には全てが霞んでしまう・・・。
わたモテ、帰宅部あいまいみーは、そんな天然達に対して芸の力で敢然と立ち向かった勇者。
レヴィアタンアイカツもたぶん天然だけど、アイカツは一番狂ってた崖登りやツリー伐採が2012年だったんだよなぁ。

時代性

1・ラブライブ!
2・進撃の巨人
3・はたらく魔王さま!
4・やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
5・ガッチャマンクラウズ
6・PSYCHO-PASS
7・私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!
8・ジョジョの奇妙な冒険
9・Free!
10・宇宙戦艦ヤマト2199


今回、これに一番悩んだ。未だに納得しきってはいないのだが、本当にこれはいくら考えてもまとまらない。
最大の懸案は、進撃は2013年という時代に縛られた作品ではないだろうという点。
たとえば「壁と巨人」について、60年代なら安保闘争、70年代なら校内暴力、80年代ならバブル経済、90年代ならまさにエヴァが言われていたような若者の精神問題、00年代なら決断主義グローバル化・・・と、現在においても右傾化だの何だのと喩えられているようなことは結局どの時代のどんな世相にも都合よく当てはめられると思う。
進撃の構造は基本、神話的素材に拠っているので作品内容自体は別に時代性に頼ってない。
ただ、そうはいっても受け手側の熱狂度合いや世間の注目に関して時代の「気分」を無視はできないわけで、1位にするのは違和感あるけど他に変わるものがないよな・・・というところで三日くらい止まってた。
そこで、改めて2013年でなければ絶対に出てこなかったであろう作品群とは何だと考えた結果、行き当たったのがCG組。
初っ端が「ぷちます!」で、そこに「アイカツ!」「ラブライブ!」「プリキュア」「プリティーリズム」「AKB0048next」とダンスシーンをCG化したアニメが揃って始まったのが2013年。更に「ジャイロゼッター」がロボをEDで踊らせ、「ダンボール戦機」と「マジェプリ」がCGロボの更なる進化を促す。NHKでは「キングダム」・・・は一期で失敗して二期で路線変更してしまったが、「団地ともお」がフルCGでの日常アニメという快挙を成し遂げ、「てさぐれ!部活もの」のような2.5次元とも言うべき萌えアニメも成立するようになってきた。
そしてその果てに、ついに「アルペジオ」がメカと美少女な王道深夜アニメをフルCGで成功させた・・・という流れ。
というわけで、時代性1位は「アルペジオ」だな!!
・・・と、一度は思ったんだけど、そこでまた余計な思考が働きまた悩む。
CG組の代表に「アルペジオ」を推すには、実は致命的な問題がある。


そう、「アルペジオ」は踊ってないのだ!!


あくまで「アルペジオ」は「青の6号」を始祖とするメカCGアニメの系列であって、美少女CGアニメが「アルペジオ」で結実したとするのは歴史的な文脈でおかしい。やはりダンスCGの進化の流れこそを踏まえるべきではないか?
となると・・・候補になるのは「ラブライブ!」。
そもそもにおいて美少女3DCGブームの火付け役は原作「アイマス」だった。それがアニメ化で「やっぱり手描きのダンスは凄い」という手描きの逆襲を生む形となったのだ。
ラブライブ!」は、そこをもう一度ひっくり返した。革命の革命返し。手描きは凄いがCGだって凄い。両者が真に並び立つ存在だと証明した。
しかもそこには京極尚彦が「プリティーリズム」で培った技術があり、サンライズで結ばれた「アイカツ!」との盟友関係がある。CGダンス組の代表格として充分な資格があるはずだ。
・・・と、ごく短くまとめたがそういう思索を経て「ラブライブ!」が暫定的に1位になった。
アルペジオ」はまあ、3位くらいに落ち着くかな・・・とその時点では思っていて、また三日ほどして気付いたら上記の順位になってました。
ええと確か、お仕事系と友達欲しい系が一時ランキングを荒らしまくって順位が変動した際に「アルペジオ」は落っこちて、最終的にまた「ヤマト2199」と艦隊ブームの代表格の座を争ってヤマトの粘り腰に譲ったんだった・・・か?
・・・つーか、もう1位「艦これ」でいいよ(マジかよモバマス終わったな感)。

結果発表

本当にごく簡単にお送りしてきましたが、最終ランキングの発表です。
例年通り同点だらけですが、今回は久々に1位で驚いた。


同点1位 進撃の巨人(37)
同点1位 ジョジョの奇妙な冒険(37)
3位 ラブライブ!(30)
4位 Free!(26)
5位 アイカツ!(一年目)(24)
同点6位 惡の華(19)
同点6位 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(19)
同点8位 しろくまカフェ(17)
同点8位 ガッチャマンクラウズ(17)
同点8位 蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-(17)


進撃とジョジョの同点1位。
以前、コードギアスらきすたグレンラガンが同点1位になった時を思い出した。
ジョジョはファンの贔屓目も強かったと自覚しているが、それでも最先端の人気原作と二十年以上前の原作が同時期にアニメ化して並んでいるってのは結構感慨深いものがある。
ジョジョは三部のアニメ化が決定しているが、進撃もまだまだ伸びると思うのでここで止まらないで欲しい。
ラブライブFree!アイカツ一年目はそれぞれ男性向け・女性向け・女児向けとそれぞれのターゲットで最大の成果を上げた作品という印象。ここ数年、男児向けは弱い・・・!!
わたモテと惡の華は良い意味でも悪い意味でも、問題作同士。あと、どちらも声優って凄えと心底思った。
同点8位の三作には、実に自分らしいランキングになっているなと自分で納得。
うん、しろくまカフェはクラウズ&アルペジオと同位で全然問題ないよ!!
ちなみに11位以下は――


新世界より(16)
はたらく魔王さま!(14)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(13)
あいまいみー(11)


となっています。11点以上は十四作品のみ。やはり2012年に引き続き、小粒な良作が増えたものの食い合ってしまう傾向は変わらず。
最後に――いつもは2013年の総括と2014年の展望みたいなのを書くのが通例なんですが、正直、もう、ホント、わかんない。
2013年は一応、CGに色彩設定にお仕事にお友達にアイドルに艦隊にとそれっぽい題材は揃っているんだけど、何というかそれがクリティカルな本質を突いているとは思えないんだよなぁ・・・。
恥を承知で言いますが、筆者はかなり真面目にTVアニメさえ見ていればその年が持っていた傾向や問題点が見えてくると信じていたのです。
何故ならTVアニメはマンガ・小説・音楽・ゲーム・ネット・言論などなど、この国のサブカルチャーの集積装置としての役割を果たしていると思っていたから。
それがいよいよ、弱ってきているように感じる。いや、そもそも勘違いでそんなものはなかったのかも知れないが。
しかし他のメディアが目立って衰退していくなかで、アニメだけが未だに本数を減らさずにいるのはどうにも不気味で、どこかに落とし穴があるんじゃないかと危ぶんでしまう。
まあそれこそ、勘違いであればいい。2014年、そんな懸念を吹っ飛ばすほど凄い作品が現れることを願ってます。