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惡の華 (2013春)

『惡の華』Blu-ray 第一巻

基礎情報

監督:長濱博史、シリーズ構成・脚本:伊丹あき、キャラデザ・総作監島村秀一
美術監督:秋山健太郎、音響監督:たなかかずや、音楽:深澤秀行
実写撮影監督:加藤哲宏、実写制作:ディコード
アニメーション制作:ZEXCS (参照サイトWikipedia、公式サイト)


別冊少年マガジン連載原作の、極めて独創的なTVアニメ化。
原作は「進撃の巨人」とともに別冊マガジンを創刊時から支えてきた作品で、アニメ放送開始も「進撃」と同時期に行われた。そして本作の与えた衝撃は一部でその「進撃」すら大きく上回る。
本作でもっとも特徴的なのはロトスコープ……とよく言われるが、ロトスコープ自体は古典的なアニメ技法の一つ。本作が特異なのは手間と費用がかさむその技法を現代日本のTVアニメのシステムに組み込んでしまったことにこそある。
実際の役者の芝居を撮影し作画を起こすロトスコープだけでなく、声優のアフレコ時にもガンマイクを使用し身体を使った芝居をさせたりと、それ二度手間なんじゃないのかと思ってしまうようなこだわりも多数。
他にも、作画監督総作監の間に各話「作画総括」なる役職がある、OP曲のアレンジがほとんど別曲レベルで変わるなど本作独自の要素については細かく挙げるとキリがない。

本放送後ツイート(tvk日曜25:00、アニマックス土曜22:30)


惡の華、初回終了。あ、これ別にリアルを求めてるわけじゃないな。たぶん映像の悪意を文体にしたいということで、表現そのものよりも影響の方に重きを置いている印象。それにしてもここまでやられると逆にリアリティとは無縁の空間が生まれるものなんだなぁ。日常ゆるふわ系の対極にして究極かも。


惡の華、終了。この絵とこの話の合わせ技はやっぱりリアリティよりもシュールが先にくるなー。凄く面白いけど、この辺の面白さは原作の展開のおかげだと思うので何か絵柄については上手くごまかされている気もする。って今気付いたけど作画総括、川崎逸郎かよ!! イツローアニメなら色々納得だわ。


惡の華、終了。この絵だと主人公が仲村さんにブルマはかされるシーンの無茶苦茶さが凄い!! どんだけ仲村さん強いのよ!? しかし各場面、表情と演出が噛み合ってきていてわりと自然に観られるようにはなってきた。伊瀬茉莉也の声とあの顔のコンビネーションは強力だ。


惡の華、終了。俺のオナペットとご主人様が修羅場すぎる。どう考えても地獄なのにご褒美ハーレムに見えてくるのは何故なんだ……!! 仲村さんの狂気が押し出されてはいるが、これ佐伯さんも大概おかしいよなー。真の変態決定戦みたいになってきた。


tvkの録画もニコ動もあるけど、一応アニマックスで一週遅れの惡の華、終了。この絵でマンガ的な仲村さんの動き見せられると問答無用で吹く!! 錆びた街並みと異様な存在感のキャラと抱腹絶倒の展開が絶妙に合わさって、これが本当のシュルレアリスム


アニマックス惡の華、終了。佐伯さんの家の前でのやりとりは役者の魅力全開で、極限の緊張と笑いの神が同時に襲ってくる感じがたまらなかった。もうこの絵に馴れてしまうと作画よりもその向こうの役者を見ている気分になってくるなぁ。


ニャル子さん休みなんでtvk惡の華、終了。セツクス連呼して感動させられるのは伊瀬茉莉也と飛田展夫だけ!! 教室破壊のクライマックスは選択肢間違えてバッドエンドに直行していく病んだ快感に満ちていた。絶頂仲村さんのダンスがガルガンのエロダンスに匹敵している……。

(8・第八回)
ツイートなし。教室で大暴れしたあとの長い長い帰り道と、夢から覚めての学校での現実。
時間をたっぷりと使った帰り道のシーンは本作の中でも特に情緒的。実写、それも日本の青春映画の空気をアニメに貼り付けることをこの作品が一つの目的にしていたのなら、それが一番達成されていたのはこの帰り道だったのではないかと思う。


アニマックス惡の華、終了。仲村さん、佐伯さん、ママンの春日くんを巡るドキドキ修羅場ストーリー開幕だよー!! ……佐伯さんもママンも公開処刑がヒド過ぎて、相対的に秘密を共有してくれていた仲村さんが誠実に見えてくる矛盾が凄い。メガネ取ったら美少女をこの絵で表現しているのも見事。

10
アニマックス惡の華、終了。極限の修羅場の果てに逮捕エンド!! 最高の最終回だったなー。マジでこれで終わりでいいんじゃないか……!? 三人だけでひたすら熱量を上げていった挙げ句、決壊する芝居の流れも凄み満点。メンヘラVSメンヘラはそりゃエセ中二病には荷が重過ぎる……!!

11
アニマックス惡の華、終了。前回のドナドナから、まさかスク水に繋がるとは……。両親の、人間性は正しいのにまったく息子に近寄れなくなってる感覚は上手いな。理解はあるのに対応がズレてる親父が切ない。そして息子の方もその場しのぎに仲村さんに走る駄目っぷり!! それは恋じゃない惡だ!!

(12・第十二回)
ツイートなし。ストーカーと化した春日の仲村さん実家襲撃。春日と仲村さんの関係性がものの見事にクルッと反転。そしてどうあがいても出口なしの絶望的状況なのに、シュールな笑いが加速する。

13
アニマックス惡の華、最終回終了。クソムシ同士のニュータイプ感応により未来を垣間見て終わり。……これは、二部もうほとんど出来てて声も録ってたのか、この為だけに収録したのかどっちなんだろう? 二期あるなら発表してもよさそうなものだしなぁ。しかし最後までスキャンダラスではあった。

追記

個人的にこの作品に対して一番最初に引っかかったのって第一話の冷蔵庫開けるシーンだった気がする。
確か、全編に渡って繰り返し使われる「隣の部屋から見た春日家の食卓」のカットがまずあって、そこで春日が冷蔵庫を開けると視点が変わって手元のアップになり、また元の定点観測視点に戻る……というシーン。
アニメでは何も珍しくないんだけど、実写だと「手元のアップを撮るカメラ」が最初のカメラに映ってしまうのでまずやらない。(注。ニコ動で一話を無料配信していたので観直したが、引き戸の曇りガラスの影にカメラを仕込んでおけば実写でも可能そうではあった。ただ春日の動きがシームレスなので難易度高いと思う)
他にも印象的なのが「カーブミラーに写った状態での会話シーン」で、これも実写だと不可能に近い。
要するにこの作品の狙いは終始、現実をアニメで上書きすることで、発想としてはAR(拡張現実)みたいなものだったのかなと。
「全ての鉄が錆びている町」は、現実を撮影した映像ではなく春日の心象の中にしかない。佐伯さんのブルマがエロいのも、メガネを外した途端に仲村さんが美少女に見えるのも、全てはアニメだからこそ可能なマジック……。