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ガールズ&パンツァー #11・12(終)

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三ヶ月置いてのラスト二話、BS11は連続放送。
11話は、ひたすらに戦車のメカ作画にこだわりまくった最終決戦前半。
ああ、こんな密度で戦車描いてたらそりゃ終わらないわな・・・と心から納得してしまう異常な完成度。
待たされたぶん期待値も跳ね上がっていたはずなのだが、その基準点もあっさり超えてくるクオリティには舌を巻いた。
またメカだけでなく、みほが一年生組を救助する為に八艘飛びするシーンなど明らかに無駄に手間暇かけた作画がそこかしこにあって、まるで80年代OVAみたいなことするなぁと変な感心をしてしまった。
ぶっちゃけ内容的にはただ撃ち合っているだけなんだけど、試合の流れの機微を事細かに追っていく演出が良く機能していて緊張感も抜群。
この作品、水島努のキャリアのなかでは浮いているんじゃないかと思っていたのだが、この丁寧極まる試合の組み立て方は完全に「おおきく振りかぶって」だよなー。
今までもそういう面はあったが、このラストバトルによって本当の意味で戦車で「おお振り」やってる感覚が固まったと思う。
膨大な数のキャラに見せ場を割り振っていくのも、チームスポーツアニメなんだからむしろ当然であると。


12話。姉との一騎打ちを制して優勝旗を大洗に持ち帰る最終回。
この作品の華とも言える市街地戦に持ち込んで、巨大なバケモノ戦車やら最強の姉やらを知恵と勇気で打ち負かしていく流れが最高に熱い。
特に巨大戦車とのバトルは、戦車で近接格闘しているような映像のアイディアと迫力が素晴らしかった。
ラストが日本刀での決闘そのものになっているのも、戦車の持つロマンと可能性を極限まで引き出していた。
戦車の地味で泥臭い無骨なイメージをここまで打ち壊しただけでも、このアニメの価値はあったように思う。
ただ、キャラのドラマに関しては本放送時に感じた通り、ほとんど10話まででやりきっていたので新しいものは出てこなかったかな。
姉もすでにみほのことは認めていたわけで、あとは母親に証明する以外はなかったわけだし。
その母親が折れる姿を、僅か一言で済ませたのは逆にクールさを保っていて良かった。
水島努作品は意外と人間ドラマに対しては淡白に距離を取るのが興味深い。
ともかく大団円、スケジュール崩壊というあってはならない事態の結果とはいえ終わり良ければ全て良し。
何だかんだでアニメ関係者のみならず、戦車プラモ業界や大洗の町おこしまで関わった人達のほとんどを満足させたんだから、立派と言う他ない。
それと、これ右翼的な発想としてどう捉えられるんだろうという不安がずっとあったのだが、あくまでエンタメを貫くことで余計なバイアスをねじ伏せる姿勢に徹していたのは美学が感じられたな。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。