茄子アンダルシアの夏

黒田硫黄の原作をマッドハウスがアニメ化。
監督はスタジオジブリ出身の高坂希太郎なので、
作画テイストはジブリっぽいが、マッドハウス。
４５分ちょいの短編映画なので、細かい設定説明などはなく、
とにかく自転車レースシーンを見せることを中心に構成され、
ドラマ部分はその合間に断片的に入ってくる程度となっている。
もうちょっと尺を伸ばしてドラマ部分に厚みを加えれば
充分に長編に出来る素材だったと思うのだが、
そこは敢えて短編でスパっとまとめる方を選んだのかな。
自転車レースシーンは監督が自転車好きとのことで、
こだわりの感じられる迫力の出来。
日本人には馴染みの薄いレースの隊列描写や
レース中の駆け引きの様子など、スポーツものとして非常に面白い。
ただ、ヘリからの空撮映像や実況の喋り方などが、
あまりにＴＶ中継そのままなのはアニメとしては芸がない気もした。
クライマックスで原作絵になるような演出が
もっとあっても良かったかも知れない。
全体的には、小さくまとめたおかげで美点が目立つ佳作という印象。
ちなみに、このあと流れた「カクレンボ」の感想は
以前ＴＶＫで流れた際に書いた記憶があるので割愛。