DEATH NOTE the Last name
実写映画版デスノート完結編。
原作の第二のキラ登場からラストまでを大胆に圧縮再構成しており、
特にヨツバ編と第二部の処理の仕方が見事。
映画単体として観るとそれでも若干散漫でダレるのだが、
原作付きメディアミックス作品の脚本としては驚嘆するレベル。
テーマを外さず原作通りの描写をいくつも仕込みながら、
しかし映像自体は新鮮で展開は先を読ませない。
高田清美の扱いやLの最期に関する前作同様ルールの隙を突いたトリックなど、
アイディアの点でも優れているが、個人的に面白かったのは総一郎の使い方。
ライトとL、いわば二人の息子の最期を見送り、
それでも家族に嘘をつきながらささやかな平穏を守ろうとする
総一郎の姿を描いて物語の締めとしたこの作品のラストシーンには、
原作から発せられた問いに対する映画版ならでは回答があるように思う。
結局のところ子供であるライトとLのどちらの味方をするのでもなく、
それに対して毅然と歴史観と道徳心を持って当たるべきという
大人の態度のあるべき形の提示。原作が若干L(ニア)寄り、
アニメが若干ライト寄りの結末を迎えたことと合わせて考えると、
この結論にはメディアの違い、読者・観客層の違いによって
作品がどのように再解釈されていくのかという興味深いテーマも感じられる。
結論の妥当性はともかく、大型劇場作品として作られながらも
非常にナイーヴなテーマから逃げ出さず組み合った
この作品の勇敢さは素晴らしかった。
欠点も色々あるのだが、脚本・テーマ性・サスペンス演出、
そして何より役者の名演と美点はそれを上回って余りある。
デスノートという一つの時代を代表する作品の一角を占めるに相応しい出来。
・・・まあ、それはそれとして、一番感心したのは
女優の映し方いちいちエロいことだったりする。あの高田の足!!