へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

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(TVK)紅 kure-nai #12(終)

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再び奥の院に突撃した真九郎達、崩月流のケンカ殺法によって
真九郎は竜士を、弥生さんはリンを倒しあとは紫を奪取するだけ。
しかし紫は、自分で考え九鳳院から逃げるのではなく、
父親達と向き合い内部から九鳳院を変えていく道を選び取る。
ああなるほど、囚われのお姫様から女性蔑視社会の改革を目指す
女性へとパワーアップしちゃったというオチになるわけか。
ここに繋げる為の五月雨荘住人との女の付き合いだったのだな・・・。
せっかく助けにきたのに「先をいっているかと思ったけど追いつけそう」と
紫の成長と比較して未熟さを突きつけられる真九郎に、
現代少年の辛さがちょっと垣間見えて複雑な気分もするなぁ。
一応、角のことで自分の凶暴性の制御といったテーマを消化してはいたけど、
真九郎自身の戦いはまだまだこれからって感じでもあるし・・・。
最後の奥の院での各キャラ入り乱れての問答シーンも、
少年のまま大人になりきれない男達と、そういう男を置き去りにして
急速に女になっていく少女といった現代社会における男女の機微が
凝縮しているような形になっていて興味深かった。
プレスコによる演技の勢いがそのまま出ていて、
問答なのにアクションしてるよりバトルらしいというのも面白い。
別れながらも再会を予感させていくラストもきれいで良かった。
ただ、エンドカードが弥生さんだったのには爆笑。
結局スタッフの愛はやっぱり弥生さんに注がれていたのか!!
全体としては、レッドガーデンで覚醒した松尾衝の作家性が
更に推し進められた作品でありながらも、
メディアミックス作品としてもそれなりに機能しているという
不思議なバランス感覚がまた変わった印象を与えていたように思う。
マニアックな作りなんだけどレッドガーデンよりはTVアニメになっている。
こういう方向性の作品って、今後も結構可能性あるんじゃないかと期待。
あとはやはり何といっても限界突破なロリ描写の数々!!・・・ではなく、
声優陣の存在感が素晴らしかった。悠木碧を中心に置いて、
他の声優もことごとく自分の個性を余すことなく発揮していて魅力的だった。
沢城みゆきもそうだけど、新谷良子真田アサミは松尾監督によって
どこまでポテンシャルを引き出されていくんだろう・・・?
木村はるか升望の脇の固め方も良かったし、
石毛佐和のアダルトな演技や岡本信彦のキレた演技も新鮮。
所々に穴がないわけではないし、実験的な手法も全てが
成功していたわけではないのだけれど、実に意欲的で楽しい作品だった。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。