老人Ｚ

原作・大友克洋、監督・北久保弘之、キャラ原案、江口寿史。
大友らしいブラックユーモア溢れた世相風刺と、
江口寿史のキャッチーなキャラがほどよくブレンドされた娯楽作。
正直、これ九十分の劇場作品にするようなネタじゃないだろと
思うのだが、それを作画の力と軽い作劇で乗り切った
北久保監督の手腕も大したもの。
それにしても・・・ヒロインの脚がエロいアニメだ。
性格は迷惑極まりなくて観ていてムカツクのだが、
本来の主人公である（ＥＤでも最初に出るし）厚生省のおっちゃんが
「女子大生というやつは自分勝手で思慮が浅くて」と
突っ込んでいるので、あれはワザとやってるんだろうな・・・。
老人介護問題というテーマに対して、利益しか考えていない企業、
真面目なんだけどどこか抜けている役人、
そして自己愛にまみれた若いボランティアと、
三者三様に皮肉っているわけか。
軽く観ることが出来るが、深読みも可能な辺り、
一筋縄ではいかない作品なのかも知れない・・・。