まほらば ＃２２

野球で六分押し、更に延長して三十六分押し、
しかし今回ばかりは「こいこい」との重複が避けられて、
テレ東グッジョブって感じだ。
黒崎母娘の事情、決着編。
基本的に、まあそうなるだろうなぁという展開で、
ベタといえばベタなのだが、そのベタを恐れずに
真っ向から描き、最大限の効果を挙げるように
演出を積み重ねた結果、純粋に感動出来るドラマに仕上がった。
作品全体に感じられる、スタッフの迷いのなさが
一番いい形で現れた素晴らしい仕事ぶり。
鳴滝荘の面々の、寂しく想いつつもでしゃばった真似はせず、
ただ二人が帰ってくることを信じて変わらぬ日常を
送り続けるという描写なんて、かなり確信がないと
描けないんじゃないかと思う。
原作知らないんでその通りにやっただけかも知れないけど、
マズい脚本だとここで鳴滝荘の面々に家を探させたり
押しかけさせちゃったりしたんじゃないかと。
そういうことはせず、相手の事情は相手の事情で尊重して、
しかし受け入れ体制は万全にしておくという
鳴滝荘の、ひいてはこの作品の在り方が非常に心地よかった。