へたブロ~下手の考え休むに似たるのはてブロ~

なれのはて 過去感想は作品タイトルで検索してください

スポンサードリンク

電脳コイル #24

電脳コイル デンスケ(M)電脳コイル オヤジ(M)
電脳コイル 第3巻 限定版 (初回限定生産) [DVD] 電脳コイル 第4巻 限定版 [DVD]
電脳コイル 第5巻 限定版 [DVD] 電脳コイル 第6巻 限定版 [DVD]
目を覚ましたヤサコはイサコが「あっち」へいったまま戻れなくなったこと、
デンスケが死んでしまったことを知る。母親にメガネの世界ではない、
温かい触れ合いのある世界に戻ってくるように諭されたものの、
心の痛みは消し去りがたく、全ての始まりである金沢に戻る決意をする。
母親の真摯な言葉で前回イサコが語ったメガネの世界は
まやかしであるというテーマを補強しながら、
それでもなお、まやかしではないものを求めてヤサコが自ら
動き出していく方向に話が進んでいったのは素直に嬉しかった。
母親の言葉も想いも否定はしない、むしろそれこそが正しい、
しかしそれでも大人と子供の世界の狭間に生まれる
不確かな「何か」を探しに、その狭間に生きる少年少女という存在は
旅に出なければならない時がある。
単純な大人と子供、現実と電脳の二項対立ではない、
二つの世界観が重なり合う瞬間に生まれる葛藤を描こうとしている点が
凄く面白いし美しい。作品のテーマ構成と物語構成、
つまりは全体構造そのものがその一点を目指して
集束していく様子もまた美しい。金沢でのヤサコの過去が
この土壇場できちんと活きてきたのには痺れた。
あの友達とは、互いにいじめられたと思い合っていたわけか。
このすれ違いや相互不理解な関係といったものも、
最終的にはヤサコとイサコの関係に回収されていくのか?
何かもう、どこまでまとめ切ってくれるのか期待と不安が入り混じって
大変なことになってきたなー。
ダイチが親父に柔道特訓されてたなんて伏線まで
きっちり回収してくれたので、ちゃんとやってくれるとは思うけど。